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「ジャナイ方」の異世界見聞記  作者: 那内(元ちみーば)


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14/23

14:干物ちゃんたちは魔力を所望です


 ゾロッと集う、茶褐色に干からびた小人たち。

 50人くらいいる。


 中には種が違うであろう、倍以上大きな小人も10人くらいいた。

 その子たちも茶褐色でしなしな。


 てか待って。

 これを全員助けるとなると、流石にあたしの魔力が枯渇しない?


 そう言おうとしたんだけど、中の数人の子は生命力が希薄な事に気付いた。

 昨日、干からびて地面に落ちてた子ぐらい。今回ギリギリでなんとかここまでやって来ました、ぐらい。


 フルフル震えながら精一杯立ち、見上げてくる集団。

 良心やら罪悪感やらがとんでもなく刺激される光景だ。


 元気に丸っこくなった先頭のコロポックルがじぃと見つめてくる。

 他の子たちもこぞって、しなしなの顔を向けてくる。


 …………。

 ……。


 ……わ、分かったから、やめて。

 縋るようなその目(?)にあたしは弱いんだ…………。


✵✵✵


 という訳で。

 弱り方のひどい干物ちゃんから優先に、魔力授乳を開始した。


 両手の全ての指を大きく開き、鉤爪のように曲げた先を、膝に乗せた十人の干物ちゃんが懸命に吸っている。

 そして丸太に座ったあたしの足には待機中の干物ちゃんたちが、わらわら引っ付いていた。


 一番最初の元干物ちゃん、今は丸可愛くなった子はあたしの肩で仲間の皆を眺めている。

 端からみたらすんごいシュールな光景かも。


 ところで、足に引っ付いてる子たちはその行動でも魔力が吸えているのかな?

 少しずつ吸われてる感覚はあるけど、微弱過ぎるから吸収率は悪いのだろう。

 魔法も手や指でアクションを取ると発動しやすいので、手に魔力を放出する回路みたいなものがあるのかもしれないな。


 魔力。魔力ねぇ……。

 満腹になったらしくオネムした十人を膝から降ろし、布を敷いた籠(下手くそ手編み)に寝かせてあげながら考える。


 手に魔力の回路があるなら、全身から放出するのは無理かも? 世紀末の漫画みたいにオーラが立ち昇る感じの。あれ、カッコ良いからやってみたかったー……。

 ……じゃなくて。


 えっと、『魔力そのもの』は操作できないかな?

 魔法じゃなく、魔力。


 手の平に集中してみる。

 魔力が集まるのは、やはり指先が中心。次に手の平と……足裏? へえ。


 すると、干物ちゃんたちがあたしの手の平をガン見しているのに気付いた。

 やっぱり魔力を欲してるんだなと再確認しながら、それを彼らに近付けようとしたのだが。


「あ」


 同時に集中も途切れたのか、魔力も霧散してしまった。

 どことなしにガッカリした様子の干物ちゃんたち。スマン。


 ……うーん。魔力そのものを操るのは難しいのかな。こんな、ちょっとした動作で霧散するとは。

 集中力の問題?


 んー、他に何か方法がありそうな――あ。


「これならどうだろ?」


 パーソナルエリアで直径5メートルぐらいのドームを作る。あたしを起点に、干物ちゃんたち全員が包まれた。

 意識したのは、空調・指定対象の出入りの他『魔力を外に通過させない』こと。

 それからもう一度手で魔力を練り、ある程度のところで放ってみた。


 干物ちゃんが飛び跳ねて狂喜乱舞する。放った魔力はドーム内に広がり、だが外には出て行かず留まっているのだ。

 その魔力を、干物ちゃんたちは跳ねながら取り込んでいる様子。

 ちゃっかり肩の子も取り込んでた。キミ、まだ足りなかったの?


 まぁしかし、成功だ。

 よし、とドンドン魔力を練っては放っていく。

 それを繰り返している内に、またもや閃いた。


 手の上にボールをイメージする。

 パーソナルエリアで作ったそのボールの中へ直接、魔力を練って注入していく。

 充分かなと思ったところで手から切り離し、地面にポンと置いてみる。

 たちまち干物ちゃんたちが群がった。

 これも干物ちゃんたちは通れるように設定してあるので、触れれば中の魔力を吸入できるらしい。


 よしよし、これも成功。

 ……と言い切るにはサイズが大きいか? バスケットボールぐらいをイメージしたんだけど、バランスボール以上に大きくなっちゃった。


 ただ、パーソナルエリアについて、一層の理解は深まった。


 このギフトは本当に『あたしが嫌だなと思うものを除外し、受認したものを受け入れる』という単純な能力なのだ。

 単純だから使い易い上にイメージ次第で改変できる為、汎用性も高い。


 割とチートかも?

 いや、会った事がないだけで他に『すんごい能力』を持ってる人もいて、あたしの能力程度じゃチートじゃないやもしれないけどさ。


 とりあえず、ボール状にもできた。練習すればもっと小さくサイズ調整できるようになる気がする。

 すぐ練習したい。けど。


 全身が気怠い。これ、魔力を使い過ぎたせいだね。

 枯渇して次も無事でいられるんなら、いくらでも使い果たすけど。生憎そんな保証はない。


 なので干物ちゃんたちよ。今日はもう店終いです。

 見たとこまだまだ足りなそうだが、命の危機は全員脱してるみたいだし。

 明日まで休んでも大丈夫でしょ。


 そんじゃ。お休みなさーい。


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― 新着の感想 ―
 「干物ちゃん」たちが命の危機から脱して良かったです。それにしても、彼らは何故干物になっていたのでしょうか、そしてその正体は?  気になることが増えたので、次回もとても楽しみです。
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