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呪われた装備でハック&スラッシュ! ~異世界で神すら把握できないスキル使って呪い装備のコーディネートします~  作者: 馬ノ やすら
第三章~「オーロ・ヴァレンツ『スラム街』編」~

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【第91話】開店!

サーシャ達が俺の家に本格的に引っ越してから約1週間が過ぎた位の時間が経過していた。

スラム街や学校の運営については問題は何一つ起きては居らず、むしろ好調なほどであった。

各担当者から上がってくる報告も問題はないし、実際に時折自分の目で確認しているが日報通りの結果が伺える。


実は翌日には『森の穴熊亭オーロ・ヴァレンツ支店』が正式にグランドオープンする予定となっており、ここ数日はパックもこっちに来て準備を手伝っている状態であった。

従業員の数もアリス含め4名だった所、俺のアドバイスにより更に調理1名、ホールに1名が追加され合計6名で運営が行われる事になった。

スタンドを運営していた為か客足も良く、街角では正式な店舗が待ち遠しいという声も良く聞かれるほどであった。


実は俺はこれらの声が街なかで聞かれるようになり、更に自身の目でスタンドの様子を確認しオープン当日は混乱が起きるかも知れないと思い、ルビアに相談をし自警団を一時的に人員整理として貸して貰うことになった。

報酬は給金に加え好きなサンドを渡すという交渉をした所、即了承が得られる。

それと言うのもその話を持っていった時、一番食いついたのはルビア自身であり「俺が指揮しないで誰が指揮するってんだ?」とは言っていたが下心丸見えだった。

何時ぞやにルビアやブルに試しに試食させてみた所、大ハマリしたようで今では個人的なファンになっていたのだ。


更に、店の警備の関係でかなり最初期の方に提案した巡回兵へのサービスについてはバレッサとサーシャが交渉してくれ、巡回兵側も巡回するだけで無料でサンドに有りつけるなら喜んで協力するという両手を上げての大賛成だったようだ。


なのでこの店は今後巡回兵に加え、自身お小遣いで買いに来る個人的なファンになった自警団が見回ってくれるというある意味、この街で一番安全な店になったのだった。


残念ながら二階の上流階級向けの食事処はまだ完成しておらず、対応できる従業員も育っていない。

特に上流階級を対応できる従業員というのが非常にネックだが、こちらもバレッサとサーシャ主導のもと鋭意育成中とのこと。

まあ、自分でアイデア出したは良いがここら辺の人材育成は出来ないので二人に任せることにした。


そしていよいよ、『森の穴熊亭オーロ・ヴァレンツ支店』開店当日を迎える。

俺はいつもよりもかなり早く起き、店に一日張り付く予定のアリスとサーシャ、それとサーシャの護衛としてセリルとナナリー用に風呂の準備を済ませ、更に朝食を作って起きてくるのを迎える。

「おはよう、ススム君!随分早起きだねえ?」

「はぁあ・・・、おはようございます。ススムさん。」

「あはは、随分大きなあくびだね。疲れてるだろうと思って、早く起きて風呂の用意と朝食は作っておいたよ。今日は僕は見守るしか出来ないからね。」

「ううーーー!!ススム君!!大感謝!!」

「余り時間はないかも知れないけどね。」

「では早速、お風呂から頂いてしまいましょう、アリス。」

「そうしよー!」

アリスたちは急いで風呂場に行き、身だしなみを整えている。

俺はその間に食卓に腹持ちが良さそうな食事を用意する。


風呂から上がってきた四人と共に食事をしながら、店の様子を聞く。

「どんな感じ?」

「大丈夫だと思うよ!少なくとも過去一番準備はできてるし、反応も良いよ。それに協力者がいっぱいいるからね!」

「ええ、私も過去色んな商店の立ち上げに協力はしてきましたが、ここまでの賑わいや活気がある店は初めてでワクワクしております。」

「それは良かった。僕も陰ながら見守ってるからね。」

「うん!」

「はい。お願いします。」


早々と食事を切り上げ片付けをフィルル、セリル、ナナリー達に任せ俺はアリスとサーシャを伴って店に移動する。

すると其処には驚くべき光景が。

スタンドの時もそうだったが、まだ開店前だと言うのに客がちらほらと居るのだ。

先行して来ていた自警団が段取り通り既に並ばせ始めていた。


「これは正直驚いた・・・。」

そういって驚愕しているアリス。

「これでまた一つ気合が入りそうだね?」

俺がアリスに発破を掛けるとアリスは興奮しながら「うん!」と答えサーシャと共に店に入っていった。

俺も店に入り、中で忙しそうにしているパックに声を掛ける。

「パック、おはよう。既にお客さんが並んでるようだね。」

「おう、おはようさん。本当に驚きだよ。全く。」

「ミストヴェイルの方は大丈夫なの?」

「ああ、サーシャちゃんから貰った手紙の魔道具でやり取りしてるが問題はなさそうだ。」

「そうか、良かった。俺も一応今日はここで張り付いて見守ってるからね。」

「そいつは心強いな!頼むぜ!」

「任せろ。」


そうして時間が刻一刻と開店に近づくにつれドンドンと客が増えていき、開店前直前には数十人が列をなしている状態だった。

開店前にもかかわらずアリスたちは先んじて並んでいる人達のオーダーを取り、厨房に流している。

これも俺の思いつきであったが、数日前にこの様な自体になった際、迅速に客を流せるようにと考えアリスたちに提供していたアイデアだったがやはり必要だったようだ。


開店時間になりアリスが『森の穴熊亭オーロ・ヴァレンツ支店』店長として、挨拶をする。

「皆さん、長らくお待たせ致しました。森の穴熊亭オーロ・ヴァレンツ支店を開店致します。どうぞ、これからも当店を宜しくお願い致します。」

そうして深々と頭を下げる。

俺はその挨拶を受けて一際大きな拍手を打つと、周りもそれに同調してくれ大きな拍手と歓声が沸き起こる。


ふとアリスと目が会い、アリスは笑顔満点と言ったところだったので俺は頷き一つで「頑張れ」と声を掛ける。

「それではお待たせ致しました!最初のお客様からどうぞ!」

そうして始まった、店の様子は最初に予めオーダーを取っていたことも有り、商品の中身の確認と金銭の支払いだけで済みドンドンとお客が流れていく。

並んでいた客自体も直ぐに商品が受け取れたことに満足しておりその場で食べ始めるものや職場に向かうもの、食べながら移動を開始するものなど様々な様子を見て取れた。


きっかけは俺のたった一つの要望から始まった物だったがそれが今や二都市に渡って受け入れられるチェーン店になった。

本当に凄い店になったなあと少ししんみりしてしまった。

年を取ると涙もろくなるのはしょうがないじゃないか?


最初の大行列はあっという間にホールと厨房の連携で解消され、後は通常通りの並びとなったがそれでも流石に人気店だ。

今日はスタンドと違い三種類が揃い更に日替わりまで用意している。

客は今までスタンドで食べた中で一番のお気に入りやコスパ重視で敢えて日替わりを選ぶ人など様々だ。

客人の中には日本にいた頃じゃあ絶対関わりたくないような「ひゃっはー!」とでも言いそうなガラの悪い連中もいるが、同じく列に無料で貰える食事を目当てに並んでいる巡回兵もいるので当然悪さは出来ない。


巡回兵達には絶対的なルールとしてここでの商品が無料で貰えているということを口外してはいけないという絶対的なものを指定している。

というのも流石に兵だろうと無料で配っていると知られれば混乱が起きかねないからだ。

なので巡回兵の注文は普段通りに受付、会計時にはホールスタッフが「お代は頂いておりますので結構です。巡回ご苦労さまです。」とあくまで会計分の金額は貰っているというアピールをする流れとなっている。

巡回兵達は商品を受け取ると敬礼をし、去っていく。

いつかはバレてしまうかも知れないがそれは公然の秘密というやつにすれば良い。


自警団も定期的に人員交代を行い、交代が終わったものは皆と同じ様に列に並び報酬となるサンドを注文している。

給金は後々ルビアから支給されるということも有り自警団達はやる気満々だし、終わった者たちはホクホク顔だ。

俺も並び、教員分のサンドを購入する。

流石に昼は配給職を食べるだろうから、学校終わりにでも渡そうかと思っていたためだ。

後、単純に皆の食べている美味そうな顔を見たら食べたくなった。


「穴熊サンドを10個。持ち帰れるようにお願いします。」

「はーい!」

俺に馴染みがあまりないホール店員が受付をしてくれ、あっという間に10個用意される。

「ありがとう。」

「これからもよろしくお願いしますー!」


俺は早速用意された穴熊サンドを一つ食べる。

「うーん、旨い。」

ジャンク飯はやはりどの世界でも正義だな。

「やはり投資して正解でしたね。」

俺が食べていると声がかかった。

バレッサと数人の商業ギルド員たちだった。

「ああ、バレッサさん。この様な姿ですいません。」

「いえいえ、流石に見てれば食べたくなりますよね。」

「そういうバレッサさん達も買いに?」

「ええ、折角なのでギルド員たちにも食べさせてあげようと思いまして。」

「あはは、良いですね。顧客を増やしていってください。」

「そうします。」


様子を見ていると、買ったばかりの穴熊サンドをバレッサもその場で食べ始め、連れてきていたギルド員はとても驚いていたが、皆が恐る恐る同じ様に食べ始めると明らかに目の色が変わった。

これは顧客になってくれそうだな?


14時位になりようやく収まってきたぐらいのタイミングで一度俺は学校に行き子どもたちは帰ったが未だ仕事中だった教職員達や各担当に渡す。

するとやはり教職員や各担当達も非常に気にはなっていたようで喜ばれた。


そして16時になり、今日一日の営業が終了する。

基本的にこのオーロ・ヴァレンツでは酒を出す、出さないにより営業時間が決まっている。

酒を出さない飲食店は治安の関係上、16時までと法令で決まっている為ここまでということだ。

「お疲れ様。凄いお客さんだったね。」

「はーーー。過去一番だったよー。」

「だな。これは更に従業員を調整しないといけないかも知れないな。」

「そこら辺は経営者二人が頑張ってね。」

「えー?ススム君、森の穴熊亭名誉店長なのにー?」

「残念。名ばかり店長なのでね。」

「あはは!」

こうして無事に『森の穴熊亭オーロ・ヴァレンツ支店』もスタートを踏み出すことが出来た。

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