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呪われた装備でハック&スラッシュ! ~異世界で神すら把握できないスキル使って呪い装備のコーディネートします~  作者: 馬ノ やすら
第三章~「オーロ・ヴァレンツ『スラム街』編」~

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【第89話】告白

学校が開校されてから数日が経つ。

女神ヴェリティアが降臨し祝福をしたという噂はあっという間に広まってしまい、その学校を一目見ようと商人連中がやってきているが準備ができるまでの間は非公開とした。

今後、公開の準備が出来次第週末の子供がいない日に限って時間を限り一時的に解放するとしたことで納得は得られている。


子どもたちはと言うと、大人たちの心配も他所に非常に伸び伸びとした生活を送っている姿が見える。

ヴェリティア学校の教育方針はこの世界の貴族学院のそれとは大きく異なっているため子どもたちの表情もまるで違うと教職員達は話していた。


配給食も非常に好評であり、毎日腹いっぱい食べることが出来る上に食事を作っている保護者たちにも広く活用してもらっているため、家庭での様子も変わってきたという。

「学校が始まってからおかあさんが怒らなくなったし、笑顔が増えたんだよー!」とはよく聞く話だった。

食材を納入している問屋も非常に評判がいいようで、問屋と新たに契約をしたいという業者が増えており、取引量を増やしてくれないかという話まで出ている。

場合によっては学校だけではなく、無料で配給している食事の他に毎日町の住民達へ低価格で配給食を提供するというのも新たに職が増え、食糧事情も改良される点から考えても良いかも知れないなと考えている所だ。


学校に限らず毎日、各作業担当者から日報という形で情報が回ってきている。

大きなトラブルはなく、職があり賃金が得られていることで余裕ができたようで皆精力的に活動しているとのことだった。


非常に良い状態でこの元はスラム街と呼ばれていた所が回りだした。

そう、肌で感じるほどだった。

「それならそろそろ俺も少し覚悟を決めようか。」


今日の夕飯の担当はマフィだったが、夕飯は作り渡して持って帰って食べてもらうことにした。

「ただいまー!いやー、今日も忙しかったー!」

「本当にもうスタンドだけではそろそろ厳しくなってきましたね。早急に店の開店を急がなくてはいけないようですね。」

「おかえり。お疲れ様。」

この様にサーシャ達も一緒にここで夕飯を食すのも当たり前の光景になっている。


「ススム君もお疲れ様!学校は順調?・・・あれ今日はマフィちゃんは帰ったの?」

「ああ、ちょっと事情があってね。今日はアリスさんとサーシャさんに話をしようと思ったんだ。」

俺がそういうとアリスとサーシャは二人顔を合わせドキッとしたような表情をしている。

諸々察したのかセリルとナナリーは自分たちから別室で食事をするのでと下がってくれた。

良く出来た従者達だなあと感心する。


「さあ、どうぞ。」

俺は二人をリビングに案内する。

雰囲気をいつもと若干変え、花なんかも飾ってみた。

「わわわ・・・、どうしたの?」

「今日は少し雰囲気を変えてみた。とりあえず先に食事をしよう。」

冷静を装ってはいるが内心心臓が口から飛び出しそうだ。


「ススムさん、お話があるなら食事の前に致しませんか?正直このまま食べても私も緊張で何を食べたかわからなくなりそうなので・・・。」

「あはは・・・。サーシャさんにはお見通しか。実は僕も内心相当緊張してる。」

「じゃあ始めにお話を聞こうじゃないか!」

ということで食事の前に先に話が行われることになる。


二人が席についた所で俺は語りだす。

「じゃあ、僕からの話なんだが知っておいて欲しいことがある。そしてそれを知った上で今後の付き合い方を考えて欲しい。」

「・・・うん。」

「わかりました。」

「実は僕はこの世界で言うところの『迷い人』だ。元々はこの世界でない所で生を受け育ち、ある時に急に女神ルミナリアに連れてこられたんだ。」


俺が意を決し自身のことを話すが返答は以外なものだった。

「うん?知ってるけど?」

「ええ、私も存じていましたが?」

「ええ・・・?」

「いや、だって状況的にススム君がこの世界の人間じゃないなんて分かるって。多分関わった大半の人は内心言わないだけで気がついてると思うよ。」

「その通りですね。」

なんてこった。

俺の行動はやはり異常らしく隠しているのも馬鹿らしいくらい知られているようだ・・・。


「あ、はい・・・。」

「重要なお話ってそれだけ?」

アリスが「んー?」といった表情で聞いてくるので追加の情報を出す。

「実は自分はこんな見た目だけど、元々の世界では丁度40歳の中年なんだよ。それがこちらの世界に来る際に強制的にルミナリアによって20歳の頃の年齢にされたんだ。なので実年齢は今年で41歳になる。」


俺が勇気を振り絞って言うがやはりこれも予想外の答えが返ってくる。

「それが何か問題なんでしょうか・・・?この世界で、特に貴族社会では18歳で60歳の殿方と政略結婚させられることもありますし・・・。」

「うんうん。正直年齢なんて気にしてないよ?だってススム君はススム君じゃない?」

「ええ・・・。」

二人のあまりに正直すぎる答えに俺のほうが若干引いてしまった。


「じゃあ、二人は本当に今の話を聞いたとしても、それでも以前のような気持ちで僕に接してくれるの?」

「ええ、勿論です。」

「うんうん。」

「そ、そうですか・・・。はぁ・・・。良かった。」

俺がそう言うと二人は顔を見合わせ笑い出す。


「なんだ、どんなお話かと思ったらそんな事かー。」

「ええ、びっくりしましたね。」

「いや・・・、それだけではなくて・・・。」

俺がそこまで言うと二人は真剣な表情になり背筋を伸ばした。


「自分はこんな状態で更に人と感性がズレている部分もかなりある。それ故、困らせてしまうことも多々あるかも知れないけれども、それでも・・・。それでもそんな自分で良ければ結婚を前提に僕とお付き合いして頂けませんか?」

俺はそう言い、二人に特注のネックレスを差し出す。

実は裏でこっそりとミストヴェイルの彫金ギルドのジーニスに依頼し、二人の誕生石を使ったネックレスを作ってもらっていた。


「これって・・・。誕生石を使ったネックレスですか・・・?」

「はい。流石に指輪は早すぎると思ったので、せめてお守りにと作ってもらいました。サーシャさんは1月生まれなのでガーネットを、アリスさんは8月生まれなのでペリドットを使い特注しました。」

「わぁ・・・。綺麗・・・。」

「本当ですね・・・。」

二人はそう言い、ネックレスを受け取ってくれる。

俺は顔を上げ、二人の顔を見ると笑顔で居てくれる。


「これからは恋人以上婚約者未満として、よろしくお願いしますね。ススムさん。」

「ふふふ、嬉しいなあ!よろしくねー!ススム君!」

「よろしくお願いします。サーシャさん、アリスさん。」

こうして二人への告白はなんとか成功した。

自分でも信じられないくらいだった。

俺は二人に早速せがまれ、ネックレスを順番に着けてあげた。


「うわー!良いねえ!」

「本当に。素敵です。」

「喜んでもらえたようで良かった。じゃあ、夕飯にしましょうか。」

「これで夕飯が美味しく食べられるね!」

「ええ、何倍にも増して美味しくなりそうです。あ、ただ一つ!重要なことがありますね。」

そう言いサーシャは立ち上がる。


「ええ?」

「住居です!住居!!ススムさんと結婚を前提に付き合うのにアリスさんだけひとつ屋根の下は不公平です!!ということで私もここに引っ越します!!」

「あはは。それはいいねえ!お部屋は一杯あるし是非そうしよう!」

「セリル!ナナリー!」

「はい、サーシャ様。」

俺がポカーンと口を開けて呆然としているとセリルとナナリーは話を盗み聞きしていた様で直ぐに部屋に入ってきて引っ越しの段取りをし始めた。


「ということで、今後私たちもサーシャ様のお世話係としてお世話になりますので宜しくお願い致します。」

そう言いセリルとナナリーがお辞儀をする。

「あ・・・、はい・・・。」

俺は勢いに負けてそれしか言うことが出来なかった。


食事後はサーシャ達はアリス含めて部屋の内見をし始めていた。

『ススム様?サーシャ様達もこのお家に住むのですか?』

フィルルが俺にそう聞いてきた。

「どうやらその様だよ・・・。ヴォルフガング様になんて説明すべきか・・・。」

「お祖父様のことは大丈夫ですよ!そうなるだろうとお話はすでにしてありますので!」

俺のボソッと呟いたことすら耳に入ったようでサーシャは俺にそう言い返答した。


『フィルルは家族が一杯増えて嬉しいです!!』

『ポチもー!』

「そっか・・・。そうだね・・・。」

俺はフィルルとポチの頭を撫でて、サーシャ達のドタバタを見続けていた。

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