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呪われた装備でハック&スラッシュ! ~異世界で神すら把握できないスキル使って呪い装備のコーディネートします~  作者: 馬ノ やすら
第三章~「オーロ・ヴァレンツ『スラム街』編」~

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【第76話】自警団の初仕事

「ふぁ、あーあ・・・・」

うーん、昨日は冒険者ゲームに付いてのあれこれ話していたら結構良い時間になってしまっていて即時解散となった。

その後も自分で改善点や他にもなにか無いかと考えていたら疲れて寝てしまっていたようだった。


俺はリビングに行くと昨日と同じ様に既に食事が並べられていた。

「おはようススム君。昨日はご苦労さまだったね。」

「おはようアリスさん。毎日朝ごめんね。わざわざ作ってもらっちゃって。」

「良いって良いって!こんなんじゃまだまだススム君に追いつけてないんだから!」

「あはは。気にしなくていいのに。頂きます。」

温かい米と目玉焼きにベーコンが身体に染みる。

本当は味噌汁が良いが味噌がないので仕方ない。

それでも温かい食事というのはこれだけリラックスさせる効果があるのだ。


「そう言えば今日なんだけどさ、スタンドの見当がついたので一回ミストヴェイルに行って食材関係と人員関係で調整付けてこようと思うのよね。」

「ん?一人で行くの?サーシャさん達も一緒?」

「ううん、サーシャさん達はスタンドの最終仕上げと売り場の最終調整をしてくれるみたい。本当に助かってばっかりだよ。どうやってこの恩返そうか悩んでばっか。」

「なら簡単だよ。店を繁盛させるだけでいい。」

「えー!そんなんでいいのかなあ?」

「商売人としては客が頻繁に利用してくれている店を見るだけで十二分に感涙物だと思うよ。だから頑張ってね。」

「確かに繁盛してる店を見ると嬉しくなるのはあるなあ。わかった。ありがとう!ススム君は今日も学校関係?」

「学校というかスラム街というかかな?」

「わかった。気をつけてね。夕方にでもまた迎えに来て下さい。」

「うん、そちらも気をつけてね。」


そうして俺はアリスをミストヴェイルまで送りそして自身はルビアに会いにスラム街に向かう。

「おはよう、ルビア。」

「お、おう・・・。」

見るからにルビアの顔色が悪くヘロヘロしている。


「どうかしたのか?体調不良でも?」

「いや、ちげえよ。ヴォルフガングのジジイだよ!あいつに昨日しごき倒された・・・。」

「うはは。それはご愁傷さま。まあ学校が出来るまでの間に自警団の強化は必須だ。脱落者は出さないようにしっかりとな。」

「ああ・・・。で今日はどうした?」

「お前にまず見て貰いたい物があってな。」

俺はそう言い、1枚の絵を見せる。


「おお?なんだそれ。」

「お前らの自警団としての新しいシンボルマークだよ。三つ頭の犬は番犬ケルベロスだ。そして守護を意味する盾、メインカラーはクリムゾンすなわち真紅を使っている。どうだ?」

俺は意図せず自警団の新たな名付け親になってしまったのでせめても、と思い自警団の腕章に入れるシンボルマークを考えていたのだった。


「・・・」

だがルビアはそれを見て固まってしまった。

「・・・、お気に召さなかったか?」

「逆だよ!良い!非常に気に入った!!だがお前絵が下手だな!」

「余計なお世話だよ!」

「紙と書く物貸してくれ!」

「うん?ああ・・・。」

おれがそう言い紙と筆を渡すとルビアはささっと絵を書き直している。

そしてあっという間に俺の絵を下に別物な次元の絵が完成する。

意外にもルビアは非常に絵心があるようだった。


「おおーーー。これはすごい。素直に感心した。」

「へへーん。こう見えて俺は絵は得意なんだよ。」

「じゃあ、これで腕章などを作ろう。預かる。」

「やったぜ!」


ルビアが大声で喜んでいると前伯爵が後ろに立っていた。

「ふむ、随分と元気な様だな。今日もしっかりと技術を学ぼうか。」

「じじじ、爺さん!!」

「先生と呼べと言ったはずだ!馬鹿者め。」

「おはようございます。ヴォルフガングさん。ヴォルフガング先生のほうがよろしいですか?」

俺が笑顔でそう言うと前伯爵はがっはっは!と盛大に笑い出す。


「おはようススム。昨日はありがとう。お前に先生と呼ばせるだなんてとんでもない。逆にお前に師事したいくらいだ。」

「あはは。ああ、そうだ。ヴォルガングさんも来たなら丁度良かった。少し相談に乗っていただきたいのですが。」

「ふむ?」

そう言いながらヴォルフガングは髭をいじりながら相談に乗ってくれる。


「ルビア、自警団の皆を集めてくれないか?」

「あん?可能なやつだけでいいのか?」

「ああ、十分だ。」

そうしてルビアから声がかかると10分も掛からず自警団の面々が集まる。


「おはよう。みんな。朝早く忙しい時に集まってもらい感謝する。実は相談があって集まってもらった。」

俺がそう言うとなんだなんだとがやがやしだす。

「今現在商業ギルドを通じて古着屋各店に老若男女問わずで余っている衣類を提供して貰うことになった。恐らく今日には集まると思うので早ければ明後日にはここの街の住人への配布が出来ると思う。」

俺がそう言うと自警団の面々はうおおお!と歓喜の声があがる。

「だが、聞いて欲しい。当然だが、今君たちが歓喜したように街の皆も話をすれば歓喜の渦が巻き起こり、『大暴動』に繋がる可能性が高い。よって君たち自警団『クリムゾンケルベロス』へ最初の仕事を依頼する。これが無事に終了した際は成功報酬を出す。」

それを聞いた面々はお互いに顔を見ながら歓喜している。


「で?俺達の最初の仕事ってのは?」

ルビアも顔に笑顔を浮かべながら聞いてくる。

「ああ、『適切な誘導』と『人員整理』。それとトラブルが発生した際の『仲裁役』だ。ヴォルフガングさんも今日一日はこれが上手くいくよう指導してもらってもよろしいですか?」

前伯爵に話を振るとにぃっと笑う。

「勿論だ。それで具体的には?」


そこで俺は明日以降に開催される『衣類支援』についての説明を行うことにした。

「まず案内方法だが、優先順位を作る。優先される世帯は『老人が居る世帯』、『子どもが居る世帯』だ。その世帯が終わったら通常の世帯に移行する。」

「おいおい、お前。『怪我や病気』で苦しんでいる人間はどうでもいいってか?」

そう言いながらルビアが俺を睨んできた。


「良く考えろ、ルビア。どうやって『傷病人』たちをそんな会場まで連れてくるんだ?それと『高齢過ぎる』世帯も別枠だ。それらの世帯には来て貰うのではなく訪問し、手渡す。」

「!!」

俺がそう言うとルビアは盲点だったと言わんばかりに驚いている。

「当然だが、この街を守護して来たお前たちなら何処にどの程度の傷病人や高齢者が住んでいるかは把握してるんだろう?」

「ああ、勿論だ。」

「ならその人物の体型にあったものを後で届けてやれば良い。」

「わかった!だが他の順番はどうするんだ?」


「ああ、基本的には早いもの順番で並んでもらうがただ早いもの順番で並ばせれば大混乱だよな。」

「目に見えるわな。」

ルビアは容易に想像がつくと言った感じの表情で呆れている。


「なのでルールを作る。まず一つ目『走らない。走った人物がいた場合その世帯の順番は強制的に最後に回す。』走ればみんな焦ってしまい転倒などの怪我の可能性が生まれる。更には暴動への近道になる。だからこれは徹底する。」

自警団と前伯爵はうんうんと頷いている。


「二つ目。『割り込まない。割り込んだ世帯はそもそも今回の衣類の援助は行わない。』人のことを考えず自分たちのことしか考えないような人物達に援助してやる義理はない。」

「それって割り込んだ割り込まないだで喧嘩になりそうじゃないか?」

「そうなった場合は、『喧嘩両成敗』だ。両世帯とも今回の援助は行わない。こういう時にばっさりと線引してやることも時には重要だ。もしお前達自警団内でも同じ様なトラブルになった場合試してみると良い。」

「なるほど。」


「三つ目。ルールをきちんと守り、文句を言わず、列を乱さす、協力してくれた世帯には全てが終了後にその世帯に対し追加で一着衣類を渡す。」

「おおー」という声が上がる。

「なるほど。自分達自らが『進んで協力したくなる環境』にするわけだな。」

「その通りです。」

前伯爵は感心したというような表情をしている。

そこに自警団の一人が質問を投げかけてきた。


「仮にもし、一つ目と二つ目を守ったとして、三つ目で『文句を言った』場合はどうするんです?」

「いい質問だ。単純に追加の一着は渡さないとその場で言ってくれ。つまり自警団が目を光らせ、これらのルールを守らせ円滑に衣類支援を行えるように協力して欲しい。」

俺が自警団にそう説くと、自警団なりに覚悟が決まったようで、各場所から「やるぞ!」「頑張ろうな!」等と声がかかる。


「それと基本的にだが、自警団は4人一組で動くと良い。決して一人で動かないこと。」

「なんでだ?」

ルビアが頭を捻る。

「一人で行動した場合、先程のルールに直面した時に逆に自警団が巻き込まれる可能性がある。だが4人一組なら問題も共有しやすい上にトラブルになった時対処も問題なく行えると考えたからだ。」

「ふむ、小隊か。賛成だな。」


その後も俺達は意見を話し合う。

まず情報共有をしっかりと行うため、最低でも3日後以降に衣類支援を行うことにした。

これは住民たちにルールを浸透させる期間である。

そして列を作る場所を簡易だが設営し、配布場所は旧教会内とした。

旧教会内部である程度の仕分けをしておくことにした。

具体的には男性物、女性物、身長等で分けておきあれこれと時間が掛からないように設置することにした。

更に旧教会内に入れるのは一家族までで時間を図りじっくり選ばせることのないように時間も設定する。

各小隊には各々やることを明確させ、それに集中してもらうことにする。

ルビアとブルは管理人として立会を行い、問題がないかを監視することとなる。

ここまで徹底するれば問題なく衣類支援は行えるはずだ。

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