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呪われた装備でハック&スラッシュ! ~異世界で神すら把握できないスキル使って呪い装備のコーディネートします~  作者: 馬ノ やすら
第三章~「オーロ・ヴァレンツ『スラム街』編」~

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【第63話】下準備

「ふーむ。5日後か。丁度アリスさんが一度帰るタイミングだけどどうしようか?」

「じゃあ、早速だけど明日の朝帰っていいかな?それでパックに話着けてパックにも立ち会ってもらう。」

「それが良いかな。アリスさんだけ知ってて共同オーナーのもう一人のパックが知らないんじゃお話にならないしね。」

「では私たちもそのつもりで居ますね。ススムさん。」

「うん。僕もそれまでに資料を用意しなくちゃな。なんて話ししてたら今日はもうこんな時間なんだね。」

外を見ればもう日が暮れ、時間も夕飯時に差し迫っていた。

「そうですね。良ければ皆さんで何か作りませんか?」

「さんせーい!」

サーシャが提案し、アリスが即答で賛成する。


「じゃあ今日は昼の肉も残ってるし肉団子スープでも作ろうか。」

「肉団子?」

「まあ作ってみれば分かるって。」

そういう事で今日の夕飯は皆で余り物の材料を使い昼のハンバーグに使ったひき肉が残っていたのでそれを肉団子にしてスープを作る。

余り物と言っても非常に具だくさんなスープとなった。


「いい香りですねえ。」

「本当、美味しそう!!」

「ああ、そうか。」

俺は自分の皿に寄せられたスープを目にし、一人納得していた。

「どうかしたんですか?ススムさん。」

「いやなに、学校で配る『配給食』はなにも穴熊亭のメニューにこだわらなくてもいいんだよなと思ってさ。」

「どういうこと?」

アリスは早速スープを口にしながら聞いてくる。


「どうしても勉強が嫌だという人間も少なからずいるだろう?ならそういう人達は森の穴熊亭『給食係』として雇ってその日に集まった材料を使ってこうやってスープなりにして配れば材料コストも大幅に少なく、かつ自炊するという能力も着けられるなと思って。」

「なるほど!確かに残り物の材料でもこれだけ豪華で味が良いスープが作れるんですものね。」

「うんうん。それにしても本当に美味しいねえ。このスープ。」

「「「おかわり!」」」

腹ペコ4人娘はおかわりをして十二分にお腹が膨れた所で今日は解散となった。


翌朝、俺はアリスを送り届けるために一度転移陣(ポータル)でミストヴェイルに戻る。

「本当にこんな簡単に行ったり来たり出来るのは凄いねえ。」

「あはは。本当にね。じゃあ予定通りまた今日の夜に迎えに来るね。」

「うん、待ってます!」


アリスを送り届けた後俺は一度館に戻り、商業ギルドに赴く。

バレッサにも話をしておく必要があるからだ。

「おはようございます。ススム様」

「おはようございます。バレッサさん。昨日の今日で申し訳ないです。」

「いえいえ。所で今日のご用向きは?」

「一つは前伯爵が4日後にオーロ・ヴァレンツに来ます。もしかすると王族関係者も来る可能性があります。」

「!!」

「二つ目は自分の『文房具類』の収益がどの様な金額になるかを大凡でいいのでその4日後までに計算しておいて欲しいのですが可能ですか?」


バレッサはそれを聞き考えを巡らせている。

「なるほど・・・。資料作成のためですね。」

「ええ、其の通りです。何もない状態でああしたい、こうしたいと言っても夢物語でしか無いですからね。しっかりとした根拠を元に話をしたいと思っていますので。」

「畏まりました。可能な限り現実的なデータで計算させていただきます。それとそろばんについても試作品だけでも完成させておきます。」

「そんな4日程度で大丈夫なんですか?」

「あれだけ精巧な設計図ですからね。恐らく大丈夫かと。」


バレッサは自信があるようだ。

お抱えの技術者達は相当な腕の者たちに違いない。

「ではよろしくお願いしますね。僕もこれから帰って資料作りです。」

「承りました。」

バレッサは深々とお辞儀をする。


館に帰る途中食材を買い、そのまま自室で資料作りを開始した。

プレゼン用資料には以下のことを書き記す。


・『学校』構想に至ったきっかけ。

・規模

・場所

・目的

・対象者

・授業内容

・給食


これらは必須事項として説明する事項である。

追加として『予算』と『教員などの人員』があるがまず予算については商業ギルドからの試算を待ち、そして人員についてはこれはなるべくならこの『国』を巻き込みたいと考えている部分だ。

個人的に一番のNGは『国』から何の根拠もないような予算だけ充てがわれて、後は関与せず『結果』だけを求めてくるパターンだ。

これは全力で回避させたいため、設営の部分から運営に至るまでしっかりと『国』を関わらせ、そして成功なり失敗なりの結果を持ち帰って貰いたい。

そして今回のケースをモデル事業として今後の参考として欲しい。

あくまで俺達が行うのはきっかけ作りだ。


「ふう・・・。こんなものか。」

「お疲れ様です。ススムさん。」

「んお!全然気が付かなかった!居たんだサーシャさん達。」

「ええ。いつも通りお風呂を借りに来ました。それでススムさんに声を掛けようかと思ったのですがあまりに集中されていたので拝見させて頂いていました。」

そう言いニッコリとサーシャが微笑む。


「僕なんかの悩んでる顔なんか見たって面白くはないでしょう?」

「いいえ。他人の為に自分の利益を追求せずここまで真剣に悩める顔をする方を見ることが出来るのは幸せなことだと思っております。」

「買いかぶり過ぎだよ。僕は自分が今後も楽しく冒険者やダンジョン攻略を出来るために心の突っかかっている部分を色々利用して取り除こうとしているだけさ。」

「ふふ。そういうことにしておきます。」


ぐうぅ

「あ、お腹空いたなあ。そう言えば何も食べてなかったかも。」

「まあ、それはいけませんね!」

「果物は朝市で買ってきたからそれにするよ。」

「では私が切ってあげます!」

「ええ・・・?」

俺はサーシャが手を切りそうで怖かったので遠慮しようと思ったがどうしても俺のために切ってあげたいらしい。

そんな事言われるとどう反応したら良いかわからないじゃないか!!


「じゃ、じゃあ・・・。お願いします。」

「はい!」

笑顔満点でサーシャは台所に向かう。


「フィルル、サーシャさん達のこと見守ってあげてて。」

『心得ていますー!』

そうして暫く後、不格好ながらも切り終えた果物達が皿に乗っかっている。

サーシャ的には大満足の出来なようなので美味しく頂くことにした。


夕飯を用意した後俺はアリスを迎えに行く。

恐らくパックも来そうな気がしたので夕飯は多めに用意しておいた。

俺は穴熊亭に移動し、一階に降りるとアリスとパックが待っていた。

「よう。いきなりアリスが帰ってきたのは驚いたぞ。」

「あはは。事態が事態だったからね。」

「だがどうしてそういう話になったのかがいまいちわからん。」

「だと思ったよ。良ければパックも家に招待するので夕飯でも食べながら説明するけど?」

「そいつは良い。ちょっと待ってろ。」

アリスはそんな様子を見てニコニコしている。


「やっぱり説明難しかった?」

「うーん、大体は説明できたと思うよ。ただ実感がないんだと思う。あと単純に私たちだけで食事ができるのが嬉しいんだと思うよ。」

「なるほど。まあしっかりそれも考えて作ってきたから。」

「楽しみー!」


そんなことを話していると他の従業員に一言告げてきたパックが戻って来る。

「おう、待たせたな。これで大丈夫だ。行こう。」


二人を転移させ食堂へと案内する。

「しかし本当にでかい家だな。あの部屋とは大違いじゃねえか。お前が客室が余っているとか言ったのも納得できる広さだ。」

「だろう?」

「それより今日の夕飯は何ー?」

腹ペコ娘は夕飯が気になるようだ。


「今日はトンテキだ。ソースは時間を掛けたお手製だから旨いぞ。」

「いい匂いー!!」

「う、うまそうだな・・・。」

『肉!肉なの!!』


食事を始めてから説明をしようと思ったがどうやら二人は食事に夢中なようだ。

「これは・・・!おい、レシピは!?」

「残念ながら秘匿です。」

「そんな・・・。こんな美味いものをアリスは今後毎日食えるというのか・・・。ズルすぎるだろう。」

「そう思うならパックも早く結婚したら良いのにー。」

「うるせえ!」

等などやんややんやしながら夜は更けていった。


「まあ、でもアリスの元気な顔が見れて良かった。学校については結果だけ教えてくれ。」

「同席しないのか?」

「俺が居た所でモノの役にも立たねえからな。」

「うー、ずるくなーい?」

「俺には店を守る義務があるからな。」

「あー逃げたー。」

「あはは。まあ、しょうがないさ。人には得手不得手があるんだ。」

「私だって得意じゃないよ!」

「まあそこは僕の顔に免じて。」


そう言うとアリスは顔を真赤にする。

「ず、ずるいじゃないか・・・。そんな事言われると協力するしかなくなっちゃう。」

「ええ・・・!」

俺はアリスがそんな風になるとは思わなかったので俺まで赤面してしまう。


「あーあー、早く結婚してくれねえかな?」

「さ、帰りはあちらだ。」

「冷てえなおい!」


そうして準備をし、あっという間に前伯爵との面談日になる。

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