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呪われた装備でハック&スラッシュ! ~異世界で神すら把握できないスキル使って呪い装備のコーディネートします~  作者: 馬ノ やすら
第二章~「商業都市オーロ・ヴァレンツ編」~

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【第60話】アリスとサーシャ

「そう言えばこの後はどうするつもりだったんです?」

サーシャとの話し合いが終わった後、サーシャから今日の予定を聞かれた。


「ああ、そうだ。アリスさんの部屋の寝具だけを買い替えようと思ってたんですよね。それで街に出ようと思ってました。」

「なるほど。じゃあ、私たちも一緒に行きましょうか!」

「ええ?良いんですか?」

「良いんですよ!こういうのは同性同士の相談相手が居たほうが話が早んですから。」

「あー、確かにそれは言えてますねえー。私からもお願いしようかなー。」

「どうせならば、私がアリスさんにこの街の紹介もしてあげましょう!」

サーシャもアリスも乗り気であったため、それならばとお願いすることにする。


俺達は早速街に出たが、俺は一歩離れた場所から、サーシャとアリスの様子を伺う。

現代日本では色恋沙汰の相手など下手したら刃傷沙汰になっても可笑しくないが、二人は全くそんな感じに見えない。

むしろ親しい友人同士のようにも見える。

「サーシャ様があんなに嬉しそうな顔を私達以外の同性に見せるのは初めてかも知れません。」

俺が考えていたことに気がついたのか、セリルとナナリーが声を掛けてきた。


「そうなんですか?」

「ええ。サーシャ様は、ススム様と出会う前まではあの様な状態でしたので、私たち以外の人間は近寄ろうとしませんでしたので・・・。特に同性で年齢も近しいアリスさんのことは嬉しいのではないでしょうか?」

「ふむ・・・。」

確かに生まれた時から貴族としても微妙な立場におり、更には呪いのダンジョンが身体に宿ってしまったことで更に人間関係は構築しづらかったのだろう。

商人という旅が多い職業に就いていたのも、同じ場所に居ることはせず深い人間関係を築かずに済んでいたからなのかも知れない。


アリスは元々、森の穴熊亭の看板娘だ。

接客業が大の得意だしコミュニケーションはお手の物だ。

そういった意味ではアリスとサーシャの相性は良いのかも知れない。


「ススムさーん。」

「はいはいー?」

「お会計はどうしましょう?」

「あ、もう選び終わったんですね。じゃあ僕が払います。」

「ええええ!?悪いよそんなの・・・。」

「気にすること無いさ。元々僕の家の客室だったんだ。ということでこれでお願いします。」

俺はササッと商業者登録票を取り出し支払ってしまう。


「ありがとうススム君。というか銀級商人になったの?」

「ああ、うん。色々あってね。なのでお金の面は心配しないでもいいよ。」

「そうそう。ススムさんは今すぐにでも私たち二人を養えるぐらいの財力はありますからね!」

「あはは・・・。本当にサーシャさんはどこまで俺のことを知っているんだか。まあ否定はしないけど。」

「本当にたった1、2ヶ月見ない間に私の知らないススム君になったんだねえ。」


その後もアリスがこちらで生活するうえで必要なものをサーシャが的確にアドバイスしてくれ、物が揃って行き一時自宅に戻ることに。

「いやあ、本当に大きな街だねえ・・・。ミストヴェイルとは大違いだ。」

「そうですね。規模感で言えば国内第二位らしいですから。」

「おしゃれな店とかも一杯あったし、この街で穴熊亭が通じるか心配になってきたよ。」

「それは大丈夫だと思いますよ?あそこのサンドは本当に美味しいですから。」

「本当!?嬉しいなあ。あ、そうだ。ごめんねサーシャさん。何かススム君に話があってここに来たんじゃないの?」


アリスが朝の状況を思い出したようでサーシャに謝罪している。

「ああ、問題ないですよ。というか折角ですから一緒に入りましょう!」

「入る?」

「聞いてませんか?お風呂ですよ!このお家にはお風呂があるのです!私たちはほぼ毎日ここでお世話になっているのですよ。」

「なるほどー!というかススム君。女性たちにお風呂貸すことは普通に出来るんだ・・・?」

「うっ・・・!そ、それはそれ、これはこれ。ということで・・・。と言うかこの時間だと皆さんがお風呂から出てくるのはお昼頃になりそうですね。何か僕がお昼作りましょうか?」

「うわーい!楽しみに待ってますねえ。」


そうして女性陣達はお風呂へ、俺とフィルルは昼食の支度をする。

『お二人とも仲が良さそうで良かったですね、ススム様。』

「ああ、本当に。今後もあの調子で居てくれれば俺的には有り難いかな。」

『ふふ。大丈夫だと思います。フィルルは言葉はわかりませんが心がわかりますので。』

「そっか、良し作るかー!」


俺は以前街の市場で見つけた『ミンサー』の様なものを取り出し昼食を作る。

今日は白角牛100%のハンバーグと付け合せにフライドポテトを作ることにした。

丁度お昼の準備が出来る前くらいに女性陣達がお風呂から出てくる。


「ススム君!あれは天国だね!!お肌がこんなに綺麗になったのは初めてかも知れないよ!」

「あはは。それは良かった。基本的に毎日使ってもらっていいからね。」

「毎日!?」

そうしてアリスは俺に手を合わせ感謝している。


「本当に有り難いですよね。お風呂に毎日入れる女性なんて貴族でも極一部ですからね。」

サーシャ達も満足そうに出てきた。


「まあ、僕が毎日入りたいだけなんで。それより昼食が出来ましたよ。」

俺とフィルルはリビングに食事を用意し皆で食事を頂くことにした。


「今日はまた初めての料理ですね!」

「そうですね。この料理はコメでもパンでもどっちも美味しく頂けると思うので両方出しておきますね。ポチはこっちな。」

『肉!肉なの!!』


「かなり熱いと思いますので気をつけて召し上がって下さい。それでは頂きます。」

「「「頂きます!」」」


うーむ、やっぱりハンバーグに米は大正義だな。

フライドポテトも上手く揚がっていて美味しい。

女性陣達は初めて食べるハンバーグとポテトフライを口に運び硬直したと思うとやはり勢い良く食べ始める。

まあ、新作料理を出すたびの毎度の光景だ。

「なにこれ!ススム君!非常に美味しいんだけど!?」

「またススムさんはこんな美味しいものを作って!!私たちを太らせる気ですか!?」

「「「おかわり!!」」」

腹ペコ三人娘から四人娘になったようだ。


『ススム様、このおイモ美味しいですね。』

「ふふ。旨いだろ。簡単なんだよそれ。」

「「えっ!?」」

俺のこの言葉にサーシャとアリスが食いついた。


「こんな複雑そうなものが簡単なんですか?」

「ええ、植物性の油が手に入れば簡単に作れますよ。」

「植物性の油・・・。」

「そうなんだ・・・。」

「じー・・・。」

サーシャが俺のことを睨んでいる。


「ススムさん。私の言いたいことは分かりますよね?」

「はあ。登録ですか?分かりましたよ。どうせ後で役所に行く用事があったのでその帰りに商業ギルドに行ってきます。」

俺がそう言うとサーシャは満足げにニッコリと笑う。

アリスがポテトを食べながら聞いてきた。

「なんで役所なんかに行くの?」

「それは勿論アリスさんの事でですよ。アリスさんは1週間後、問題がなければ正式にこちらの街の住人になるわけですから登録をしなければいけないのと、後は森の穴熊亭オーロ・ヴァレンツ店についてですよ。」

「あ、そっかー。転居になるんだから私もミストヴェイルの役場に行く必要があるのか。」

「そうですね。パックと行ってきたらどうです?」

「そうするー。」


サーシャはアリスの顔をじーっと見て何かを考えていた。

「な、何?サーシャさん?私の顔になにか付いてる?」

「ああ、ごめんなさい。違うんです。穴熊亭のことで考えてて。」

「穴熊亭で?」

「いえ、店を出すということは当然場所を買うか借りる必要がありますよね。それにかなりの資金が必要になるはずです。」

「結構お金は貯めてきたと思うんだけど、厳しいのかなあ?」

「そこで提案なんですが、私から投資させて頂けないでしょうか?」

「投資?」

アリスは頭を捻っている。


「はい。私はいろんな街で食べ歩きをしているので分かりますが、穴熊亭のサンドは過去上位に入る美味しさなので間違いなく売れます。」

「えへへ。嬉しいなあ。」

そう言いながらアリスは照れている。


「ですが、この街では最初に店を出す時かなりの資金が必要です。なのでその半分を私が出します。」

「半分も!?」

「ええ、そうすれば店は出しやすくなるでしょう。当然投資なので事業規模が大きくなり黒字運営になって余裕ができた時に私に返していただければと。」

「ふむ・・・。なら僕も投資しようかな。」

「えええ!?」

アリスは驚きを隠せず声を上げている。


「投資者が一人だけだと、後々トラブルになった時面倒なことが起きやすい。なので投資者を複数にすることでそのリスクを分散させられる。」

「ふふ。やっぱりススムさんはわかっていますね。きっと乗っかってくれるとわかっていました。」

そう言ってサーシャはニッコリと笑う。

どうやら俺の行動も予測しての提案だった様だ。


「うー・・・、でもでも。失敗しちゃって店潰れることになったらどうするのさ?」

「投資だから潰れたら潰れたでなんにも無いよ。」

「・・・そうなの?」

「ええ、そうですね。私たちはアリスさん達を応援したいが故にサポートを資金で行うわけです。潰れたからと言って文句は言いません。勿論それは証書として残しますから安心して下さい。」

「まあ、一度店の構えも考えて資金が全体でどうなるのかを把握して、それでパックにも相談したら良い。」

「うん・・・。本当に良いの?」

「勿論だよ。」

「ええ。」

不安げなアリスを俺とサーシャが全力で応援する。


「サーシャさん、申し訳ないけど穴熊亭に連携してくれるパン屋と肉屋も探す手伝いしてくれない?」

「大丈夫ですよ。理解しています。」

「流石ですね・・・。」

「ふふ。」

「ううーーー。サーシャさん・・・!」

そう言いアリスが涙ぐんでいるとサーシャがアリスの手を取る。


「大丈夫ですよ。これから頑張りましょうね。“アリス”。」

「うん・・・!よろしくお願いします!“サーシャ”!」

こうして二人はより親密な関係になることとなった。

俺も可能な限り二人を支援してあげないとな。


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