表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
呪われた装備でハック&スラッシュ! ~異世界で神すら把握できないスキル使って呪い装備のコーディネートします~  作者: 馬ノ やすら
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/46

【第45話】新拠点!

俺はまずサーシャ達の屋敷に向かい報告をすることにした。

敷地内に入るとナナリーが俺に気が付く。

「おや?ススム様!もう戻られたんですね!」

「ええ、戻りました。サーシャさんにも一応無事だと伝えてもらおうとが思ったのですが・・・。」

そう言いかけた時だった。

どこから見ていたのか知らないがサーシャが屋敷から飛び出してくる。

「ススムさーん!」

「ご自分から報告されたほうが良さそうですね。」

そう言いナナリーはくすくす笑っていた。


「お帰りなさい。ススムさん。今回はお時間掛かったんですね。」

「只今戻りました。まあ、ダンジョンの中と外の時間が同じだったようなので。ダンジョン攻略は前回のほうが時間掛かったくらいですが。」

「そうだったんですね。それで『黄昏の家守(たそがれのいえもり)商会』には?」

「これからです。先にこちらに寄ってからと思って来たんですが。」

「では一緒に参りましょう!セリルー!行きますよー!」

「全くこれだからお嬢様は・・・。おかえりなさいませ、ススム様。」

「ただいま帰りました。」


そうして俺達は『黄昏の家守(たそがれのいえもり)商会』に解呪が完了したことを伝えに行く。

「いらっしゃいませ。おや?ススム様方ではないですか。」

「只今戻りました。」

「という事はもう解呪が完了したんですか?」

「ええ。お陰様で無事に。」

「おおお、素晴らしい。では早速見に行きましょうか。既に契約書関係は揃えていますので。」

「あはは、気が早いですね。」

「商人は商機を逃すべからず!ですからね。」

サーシャとラウルは顔を見合わせ笑っている。


館の方に戻ると呪われていた時に発していた嫌な空気感は見事に消えており、敷地内に入ってもあの声は聞こえなくなっていた。

「おお、本当に解呪に成功したんですな。素晴らしい。」

「本来はこんな雰囲気の屋敷だったのですね。私は呪われた状態でしか知らなかったので感動ですね。」

「あはは。そういえばあの子は何処にいったんだろう?」

俺は助け出した家守妖精を探す。


「あの子とは?」

ラウルが疑問に思ったようで聞いてきた。


「呪いの元凶に捕まってしまっていた家守妖精です。この館の管理をしていたそうですが。」

「なんと!家守妖精も無事だったんですね。」

「ええ。そのはずなんですが。」

『御主人!あそこにさっきの子がいるよ!』

ポチの声の先に確かに家守妖精が隠れるようにこっちを覗いていた。


「ああ、そこにいたのか。約束通り戻ってきたよ。」

『そ、そちらの方々は・・・?』

「怖がらなくて良い。この家を扱っている不動産屋さんと僕の友人たちだ。」

『そ、そうですか・・・。失礼しました。』


そうして会話しているとラウルが驚いていた。

「なんと、ススム様はこの家守妖精と会話することが出来るのですか?」

「ええ、その様です。」

「それはそれは。家守妖精と会話ができるものはその家の主として認められたものだけと言われております。」

「そ、そうなんですね。」

まあ俺には言語理解のスキルがあるからなんだろうが。

それは伏せておく。


「早速中に入りましょうか。鍵はこちらになります。」

俺はラウルより鍵を預かる。


「今から屋敷の中に入ってもいいかい?」

俺は家守妖精に確認するとぱぁっと表情が明るくなる。


『ご案内致します。暫くの間私は身動きできず、室内も汚れておりますが・・・。』

「気にしなくて良い。じゃあ失礼するね。」

俺は預かった鍵で玄関を開ける。

とても重厚な作りの扉の先には日本の賃貸アパートで暮らしていた俺とは全く無縁の大きな玄関が姿を見せる。


「ほお・・・。」

「これはこれは。室内は汚れが凄いですが基本的に家財などは残っている状態だったのですね。」

「ラウルさんでも把握できていなかったのですか?」

「ええ、資料には突如として呪われた状態になり部屋に入れなくなってしまったと有りまして。ちなみにこの屋敷の元オーナーは老夫婦で子どもたちも居らず相続人などもいない状態でした。」

『そっか・・・。あの人達には悪い事しちゃったな。』

家守妖精がそれを聞き落ち込んでいる。


「君が悪いわけではないだろう。それよりも一通り案内してもらっていいかな?」

そう言うと家守妖精は必死になって俺達を案内してくれた。

本当にシンプルながらも十二分すぎるくらいの部屋数と広さを誇っており、更に家財も埃などで汚れていることを除けばアンティークとして十二分に使えそうなものばかりだった。


俺達は客間に戻ってくると家守妖精が少しだけ待ってほしいと言い出す。

『ほんの少しだけ待ってて下さい。』

「うん?わかったよ。」

そうして数分待っているとドアが開かれる。

なんと驚いたことにたったの5分にも満たない程度の時間で家守妖精が掃除をしてくれ、客間だけはピッカピカになっていた。


「す、凄い・・・。」

「おおおーーー、素晴らしい!これが家守妖精の実力なんですねえ。私も初めて拝見しました。」

「わあ、本当に綺麗になりましたねえ。」

「わざわざありがとうね。」

『いえ!これが私の仕事ですから。』


そうして俺達は綺麗になった客室に入り早速腰を落ち着かせる。

「ふーー。初めてきたのになんだか落ち着くな。」

「それも家守妖精のおかげかも知れませんね。家守妖精の住む家は非常に安心して住むことが出来ると言われておりますので。」

「なるほど。」

「さて、ではススム。本題に入ってもよろしいですかな?」

「ええ、どうぞ。」


そうしてラウルはこの家に関する書類を広げて見せてくれる。

「本来でしたらばこの館の立地や規模感を考えればかなり高額な値段での取引になるのは間違いないでしょう。」

「それはそうでしょうね。これだけの立派な建物ですから。」

「ですが今回ススム様はもう何十年も前から当不動産でも手を出せなかった問題を解決し、更に家守妖精まで救っていただきました。ですので土地代等全て含めた金額で200万ミラルで買いませんか?」

200万ミラル・・・・!?

それってまさか!

俺はバッとサーシャの顔を見るとサーシャはニコニコと笑顔を浮かべている。

そう、200万ミラルとは今回サーシャ達を護衛しこの街で冒険者ギルドより得た報奨金とほぼ同額なのだ。


「ふふ。どうかされましたか?」

「知ってたんですか?」

「いいえ?偶然ではないでしょうか。」

そう言いサーシャははぐらかす。

知っていたのか読み切っていたのかはわからないがこの娘の思慮深さは本当に恐れ入る。


「はあ。幾つか質問してもいいですか?」

「勿論です。」

「買うということは私の財産ということですよね?」

「そうなりますね。」

「実は自分は根無し草の冒険者だったため、財産を持つということを理解しておりません。主に税関係ですね。どうなりますか?」

「まあ、冒険者で持ち家になる拠点を持つ者たちは限られますからね。ススム様が仮にこの家を所有するとなった場合支払う税金は三種類ですね。」

「ふむ?」

「一つ目は『国民税』です。これはこの国、『ルミナス王国』に住むものは年齢、性別、職業などにより可変しますが毎年払うべきものとなります。」

「なるほど。」

「二つ目は『市民税』です。これは住んでいる都市や村に支払う税となります。今回の場合、商業都市オーロ・ヴァレンツに居を構えることになりますのでこちらに払う税になるということですね。」

「住む都市によってこの市民税は大きく変わりそうですね。」

「仰るとおりです。一番高いのは間違いなく王都でしょう。次に高いのはこの街になります。」

「算出方法は?」

「国民税と同じ算出方法で個人個人によって異なりますね。」

「なるほど。三つ目は資産税ですか?」

「ご明察。購入した土地及び建物に対する税金が発生します。これは国に収めるものとなりますね。」

「算出方法は恐らく購入した際の金額ですよね?でしたら相場から大分安い物件になると国から目をつけられて追加徴税が発生したりは?」

俺はなるべく国から目をつけられたくはない。

例えこの国では触れてはならない存在(アンタッチャブル)になったとはいえ波風は立てたくないのだ。


「そこまで考えが及ぶとは恐れ入りました。推察のとおりです。ですがそれはロンダリング等明らかに犯罪が疑われた場合のみとなります。今回は私は正式な証明書を出しますので問題はないかと思われます。」

「それに必要でしたら家の祖父に依頼して一筆書かせましょうか?」

サーシャがそんな提案をしてくる。


「いや、それはいらないかな。下手に前伯爵の名前を借りてしまうとそれが予期しない後ろ盾になられても困る。」

「ふむー。まあ必要になったら言ってくださいね。」

「その時が来たら来たで考えるさ。」


「支払うべき税金に関しては以上になりますかね。他に質問はございますか?」

「そうですね。こちらの建物の中身、つまり家財関係はどうするおつもりですか?既に前の所有者はお亡くなりになり、継ぐものもいないとのことでしたが。」

「それはそのままお譲りする形になりますね。」

予想外の言葉に俺は驚く。


「ええ!?相当な金額になりそうですが?」

「ええ、ですが逆に内は不動産しか扱っておりませんので任されても困るのです。もし売却をお考えでしたらサーシャ嬢を頼られては如何でしょうか?」

「うーん・・・。」

正直俺は金には困っていない。

というのも薬草類の定期的な収入もあるし恐らくまだ確認はしていないがサーシャが慌てて商品登録していた物などもそのうち収入になるだろうと思っていたからだ。

それに気になるのは家守妖精の表情だった。

この話をした途端非常に悲しそうな表情を浮かべ始める。

それはそうだろう。

既に亡くなってしまっているとはいえ、前住人たちとの大切な思い出が詰まっている物たちだ。

金銭的価値には変えられない。


「わかりました。ではこちらは売らずにそのまま僕が管理したいと思います。まあベッド等の使用できなくなっているものなどは処分するとは思いますが。」

そう言い家守妖精の顔を見ると笑顔が咲いていた。


「ふふ。そうですか。他に質問がなければ契約に移りましょうか。」

「ええ、お願いします。」

そうして俺は一つ一つしっかり書類に目を通し、前世でも持ったことがない初めての持ち家と言うやつを手に入れることになった。


「お支払いは如何なされますか?分割でも構いませんが。」

「いえ、手持ちで払えますので今お支払いしても?」

「なんと!四角銀級の冒険者であってもなかなかこの金額を一括は難しいと思っていましたが。」

「あはは。まあ実入りはあるので。」

そうして支払いを早速行う。


「確かに。では本日今この時を持って、こちらの所有権は正式にススム様になりました。おめでとうございます。」

「おめでとうございます!ススムさん!」

「あはは、ありがとう。」

そうして俺はこの館の所有者となり、新たな拠点を得ることになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ