表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
呪われた装備でハック&スラッシュ! ~異世界で神すら把握できないスキル使って呪い装備のコーディネートします~  作者: 馬ノ やすら
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/42

【第41話】呪いの種類

サーシャの呪いを解呪してからの旅は平和そのものだった。

今まで襲ってきていた狼たちがいなくなったのでほぼ敵対するものと遭遇することもなく馬車は順調に進む。

「今までの苦労していた旅が嘘のようですね・・・。」

「本当に旅とはこんなにも平和なものだったとは。」

「これならば更に遠征できるかも知れませんね。」

等など三人は盛り上がる話を聞きながら俺は少し考え事をしていた。


それは【呪い】の概念についてだった。

今までは【呪われた装備】としてでしか【呪い】とは接点がなかった。

しかもその【呪われた装備】はただ単に日本語が読めず、『スキルボード』も認識できない人物たちからしたら最悪な相性なだけだった訳で、実際に装備そのものが【呪われた状態】ではなかった。

ただ一貫して、通称【呪われた装備】と呼ばれるものはLUKが下がるということが確認されている。

ただこのLUKについても謎でLUK=運だと思ってはいるが実際に『悪運』な状態かと言われるとそんなこともなかった。

俺が「うーん」と頭を捻っているとサーシャが声を掛けてくる。


「何か考え事ですか?」

「ああ、いえ。ちょっと【呪い】について考えていました。」

「の、呪いについてですか?」

サーシャの笑顔が引きつっていた。


「ああ、申し訳ない。ついこの前まで状態が良くなかったサーシャさんの前でする話ではなかったですね。」

「いえ、ちょっと驚きましたが興味はあります。聞かせて頂けますか?」

「ならお言葉に甘えて。」

俺は普段帯刀していた最初の【呪われた装備】である銅の短剣を手に取る。

俺の【呪われた装備】との関係はコイツからはじまったからだ。


「サーシャさん。この短剣は【呪われた装備】で間違いないですよね?」

俺がそう聞くとサーシャは頭に?を浮かべている。

「ええ、その認識で間違いないですが。」

「なぜこの短剣は呪われていると分かるのです?」

「それはこの『効果』の部分に全く読めない文字列があることから総称してそう呼ばれていますね。あと、この様に読めない文字列が存在する装備はLUKが下がる傾向があります。物によってはLUKが下がらないものもありますが。」

俺は一つの事を思いつきサーシャにお願いをしてみる。


「サーシャさん。良ければお願いしたいんですが、この『効果』に書かれている頭文字3文字くらいをここに書いてもらえますか?」

「え?書いたことないから自信がないですがそれでも良いですか?」

「ええ。構いません。」


ちなみにこの短剣の効果は『基本魔法を使用するとMPが3回復する。』だ。

確かに漢字なので難しいとは思うが可能な限りでいいので書いてもらう。

サーシャはうーん・・・、と唸りながら書いているがようやく書けたようだ。

「書けましたよ!」

だが俺はそのサーシャの書いてくれた文字を見て愕然とする。

そう言って見せてくれた最初の三文字はとても俺が知っている字ではなかった。


「え?これがサーシャさんから見たこの短剣に書かれている文字ですか?」

「ええ、そうです。」

俺のそばで様子を見ていたセリルにこのサーシャが書いてくれた文字と短剣に書いてある文字があっているのかを見てもらうとこれもまた以外な言葉が返ってくる。


「いえ?私には全然違うように見えます。」

なんとセリルから見た文字はまた別の文字に見えるというので試しに最初の文字だけ書いてもらうと確かに全く違った。

それは記号のようにも見える。


サーシャもセリルの文字を見て驚いていた。

「セリルにはこの様に見えるのですね?」

「ええ、そうですね。本当に驚きました。」

「今までこういう実験をした人やそれを論文などで書いた人はいないのですか?」

俺は思わず過去に研究者がいないのかを聞いてみるがそもそも【呪われた装備】に関わりたく無いという理由からそういった事例はないとのことだった。


どういう事だ・・・。

俺は今まで【呪われた装備】は『日本語』で書かれているが故に日本語を読めるものが居らずこのスキル効果を正しく認識できないのではないかという仮説を立てていた。

だがそれが根底から覆されてしまう。


俺が混乱しているとポチが目を覚ましたようだ。

『御主人何してるのー?』

「おはよう、ポチ。」

そう言い俺はポチを抱き上げワシャワシャ撫でてやっている時に理解した。


『言語理解』のスキルか・・・!!

それならば納得行く。

一見すると意味不明な文字列であっても『言語理解』のスキルを通すと全てが脳内で変換されて自動で理解できる。

それ故、おれはこの世界で日常生活を送れるどころかポチやこの前のダンジョンの(ボス)の様な存在と会話することも出来る。

三者三様に見えるこの【呪われた装備】に関する文字列も『言語理解』のフィルターを通すことで意味ある言葉に見えているのだと理解した。

なんてこった。

あのポンコツ女神、自分が付けた初期スキルが文字や言葉という『叡智の結晶』に干渉するレベルのとんでもないスキルだということを理解していないようだ。

そうすると、過去にこの世界に何度か召喚されているという『勇者』と呼ばれる存在は恐らくだがこの『言語理解』のスキルは有していると考えて良いだろう。

そう考えると本当にあの女神はポンコツどころのレベルではないと思わざるを得ない。


「ススムさん?どうかなさったんですか・・・?」

「ああ、いや。少し考えていただけです。【呪われた装備】については大丈夫です。協力ありがとうございました。」

「何かわかったんですか!?」

目を輝かせながらサーシャが俺を見つめるが俺を白を切る。


「いいえ全く?」

俺は全力の作り笑顔で返答する。

ぐぬぬ!という顔で俺を見ているということはサーシャは何か気がついているのだろうがそれ以上聞いてこないという所はしっかりしている。


「もう一つ呪いについてお聞きしたいんですが、サーシャさんを苦しめていた『ダンジョンの呪い』というのは珍しいものなんですか?」

「そうですね。実は『呪い』というのは主に場所や物に宿ると言われています。物の場合はススムさん愛用の【呪われた装備】がそうだと言われていますが、中には更に強力で装備することすらできない物まであると言われています。」

「装備すらできない呪い・・・。」

恐らくそれは比喩的な【呪われた装備】ではなく【本当に呪われた装備】なのだと理解した。


「後は私のように稀ですが人が呪われるということもあります。」

「呪いというのは全て『ダンジョン』なのですか?」

「いえ、様々ですね。」

「では『ダンジョン』全てが呪われているというわけではないのですか?」

「ええ。『呪われたダンジョン』はかなり稀です。そして知る限りその呪われたダンジョンが人に宿ったというのは私以外聞いたことがないそうですよ。」

「というと解呪を専門としている者たちが居るんですね。」

「そうですね。『聖教会』に所属している『聖職者』と呼ばれる者たちが主に解呪を行っています。」


宗教関係か。

必ずあるとは思っていたが、ここで絡んでくるのか。

もしかして今後【呪い】関係ばかりに手を付けているとこの『聖教会』関係の人間たちに目をつけられるかも知れないな。

気をつけねば。


まあ、【呪い】についてはこのぐらいか。

1、【呪われた装備】と呼ばれているの文字列は『言語理解』でのみ読むことが出来る。加えて言えばこれは【呪い】とは無関係。

2、装備できないほど強力に本当に【呪われている】装備が存在している。

3、呪いは人、物、場所に発生する可能性がある。

4、呪いの形態は様々。

5、呪いの解呪を専門としている『聖教会』所属の『聖職者』の存在。


ここまでわかれば十分だ。

「有難うございますサーシャさん。色々勉強になりました。」

「いえいえ、私も【呪われた装備】についての実験ができたので嬉しく思います!ヴェルミナに早速手紙を書きたいと思っています!」

ぐっとガッツポーズをして乙女のように目を輝かせているが内容的に全然可愛くない・・・。

残念すぎるぞ、サーシャ・・・。


「そう言えば目的地のオーロ・ヴァレンツまで後どれくらいの距離です?」

「そうですね。ここまで順調に進むことがなかったのでなんとも言えないですが恐らく後1週間もしないで着くと思いますよ。」

「それでは結構もう近くまで来ているのですね。」

「そうですね。これもススムさんのお陰です!」

「あはは。まあ、気を抜かずに行きましょうね。」


そうして俺達一行の旅は順調に進みいよいよ『商業都市オーロ・ヴァレンツ』に到着することになる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ