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番外編 第4話 やらかしコンビの本音2

レイニードとカシウスは氷狼討伐のボス戦を終えた後、王弟殿下アシュレイの命により、王都への道を馬で駆けていた。途中の川で馬に水を与え、束の間の休息を取っていた時の会話である。

(カ:カシウス、レ:レイニード)


カ:「なあ、レイ。お前は殿下になんて言われたんだ?」

レ:「…"南へ行け"、それだけだ。指令書に南辺境伯の印が見えたから、向かうつもりではあるが、一度王城で確認しようと思っている」

レ:「カシウスは?」

カ:「俺は、"王都へ戻れ"、それだけだよ。戻って何をするのか、誰に会うのかもさっぱりだよ」


レ:「…」

カ:「…」

二人は遠い目をした。


カ:「殿下ってさ、もうちょっと喋ってくれてもよくない?」

レ:「いつも簡潔すぎるからな。長く話すのを聞いたことがない」


レ:「…」

カ:「…」

二人はまた遠い目をした。


カ:「初討伐の、俺が先頭切って走ってた時さ、殿下に"北東、100"って言われて、俺マジで、北東方向に100頭、氷狼がいるって思ったんだよ」

レ:「……お前、全力で逃げてたな。本当は"北東方向、100m先に気配あり"だったんだよな」

カ:「俺、ちょっとパニクってたわ」

レ:「あの時のお前の逃げ足がすごすぎて、みんな固まってたけどな。誰も動けなかった」

カ:「だって“100頭”だぞ!? てっきり群れが来ると思って……」

レ:「お前の動きを見て、殿下はお前を陽動に使えると思ったんだろうな…」

カ:「ひどくない!? 俺、命がけだったんだけど!」

レ:「お前が飛んだり跳ねたりして引きつけてくれたおかげで、結果的に殿下と俺は大物に集中できた」

カ:「褒めてる? けなしてる? まあいいや。レイは見えてたんだもんな。あの後から、単位を補足するようになっただろ。"北東方向、200m先、小型10、中型2"ってな。お前の動体視力バケモンだよなぁ」

レ:「昔からいいんだよ。相手の動きがみえやすいっていうか」

カ:「だから、殿下はレイを信用して"行け"って言うんだよな。致命傷は負わないハズだと」

レ:「お前への"行け"も、ちゃんと信頼して言ってるよ。機動力で蹴散らしてくれるってな」


レ:「…」

カ:「…」

二人は戦いの日々を思い出す。

確かに、次からは格段に戦いやすくなった。

アシュレイ殿下が2人の使いどころを把握したということだろう。

だが、しかし……


カ:「それにしても、俺ら、結構ギリギリだったよな。毎回、"ここで終わった"って思ったもん」

レ:「そうだな。何度か、"これが最後かもしれない"と覚悟した」

カ:「今思うと、ひどくね?」

レ:「……、まあ、殿下には"大丈夫"だと感じるものがあったんだろう」

カ:「野生の勘か?」

レ:「……」


カ:「俺らがいなくなったら、殿下はまた大変だな……いや、周りが大変なのか」

レ:「……まあ、あとは残りを片付けるだけだし、なんとかなるんじゃないか」


カ:「最後くらい、なんかお言葉頂きたかったなぁ」

レ:「殿下が最後に門で俺らを見送ってくれた時、弓も剣も礼装だっただろ。それが、おそらく感謝の意味だ」

カ:「……わかるか!」


二人は、休憩を終え、また王都への道に戻ったのであった。

アシュレイ殿下も、いろいろ考えているんですよ。

極度のコミュ障なんです。

彼の心の内も、明かせる機会があれば…

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