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水の祟り  作者: 入水璃穹
7/8

贖罪

あれから何年も過ぎた。

少年は青年へとなった。

故郷を離れて、今や都会で働いていた。

毎日満員電車に揉まれる日々だ。

ある日の夏、墓参りに故郷に戻ってきた。

懐かしい思い出が蘇る。

そして、忌まわしい思い出も。

あの神社は今もあるらしい。

「願いの叶う神社」だと少し有名になっていた。

夏のじめじめした暑さが余計に気を重くさせた。

ふと路地裏に猫がいた。

大きくて、虎模様の猫。

此方をじっと見ている。

そして「にゃあ」と一鳴きすると奥へ行ってしまった。


「トラ、スケ……?」


いや、トラスケなはずがない。しかし、あの姿はトラスケにそっくりだった。


「はは……」


トラスケ、墓も作ってやれなくてごめん。

あの日、助けてやれなくてごめん。

そう心の中で謝罪した。

僕の罪は許されることは無い。

誰も知らない僕だけの罪。


「墓参り、行くか」


もう大人になれない彼らにせめてもの償いをしに。

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