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水の祟り  作者: 入水璃穹
4/8

癒えない渇き

「え、嘘だろ……?」


 突然の友人の訃報に驚いた。

 昨日まで隣にいたのに、一緒に笑って帰ったのに。

 次の日にはもうこの世にはいなかった。

 衝撃を受けた。死因は知らないが、事故らしかった。

 酷く喉が乾いて、水を飲んだ。けれど喉は潤わなかった。矢張り、友人の死がショックだったからだろうか。

 何杯も何杯も水を飲む。しかしながら矢張り喉の乾きは潤わなかった。


「エアコンを付けてるからかな」


 そう思おうとしたものの喉は尋常じゃない程に乾く。お腹が水だけで膨れる程飲んだ。

 そのせいか夕飯は食べられなかった。ずっと水を飲んでいた。

 生憎両親は出かけていて今日は家に1人だった。

 喉の乾きを癒そうと水を飲み続けていると、頭が痛くなってきた。

 次に吐き気がしてトイレに駆け込んだ。

 次はトイレに行く回数が増えた。

 でもその間も喉の乾きは止まらなかった。

 ついには嘔吐した。

 意識がふわふわとしてきて、手足が震えた。

 救急に連絡しようとしても視界が霞んで手も震えてまともに電話番号が打てなかった。

 呼吸がしにくくなって、苦しい。

 助けて欲しい。

 誰もいない。


「お、かぁさん……」


「おと、さ……」


 浅い呼吸を繰り返す。段々と視界が暗くなる。

 意識がなくなる瞬間、白い何かが見えた気がした__



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 彼の家族は家に帰るなり倒れた息子を見つけた。

 もう息絶えた息子を。

 死因は水中毒だった。

 突然の息子の死に、家族がどういう心境になったのかは語る迄もない____



「2人目____」

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