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クライセン艦隊とルディラン艦隊 第3巻  作者: 妄子《もうす》
31.2つの終わりと2つの始まり

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その16

 笛の音色で、儀式の始まりが合図された。


 笛の音色が行き渡ると同時に、お祝い事で少し騒がしかった会場が、一気に静まり返った。


 そして、頃合いを見計らうように、ひな壇に通じる両扉が開いた。


 左からはリ・リラ、右からはエリオが入場した。


 ゆっくりと中央へ向かって歩く、2人の後ろに介添人が続いた。


 式の雰囲気はまたしても変わり、厳かな感じに包まれた。


 それは、会場の誰もが固唾を呑んで見守っていた事によるものであろう。


 そして、その理由は、リ・リラのドレス姿は神秘的で美しかった為である。


 儀式では、リーラングリーンを基調としているので、純白のドレスは一層映えているように感じられた。


 何よりも、女王となってからカリスマ性が増したせいか、存在感が凄かった。


 その為、誰もがリ・リラの一挙手一投足から目が離せなかった。


 エリオの方は……。


 こういう席なので、ディスる事は止めましょう。


 と言うより、エリオもエリオなりにそれなりに、映えていたと思う。


 少なくとも、場違いではないだろう。


 エリオは普段あんなんだが、儀式になると不思議と溶け込めるというか、入り込めるというか、そんな感じである。


 まあ、そつなくこなしているという言い方はちょっと違うと思うが、まあ、式を盛り上げる程度には行動できていた。


(一生に一度の事なんだから、しっかりやってよね)

 リ・リラは、飛びっきりの笑顔でエリオに発破を掛けていた。


(分かっていますよ)

 エリオは、リ・リラが自分に何を要求しているかは、手に取るように分かった。


 今回は、2人は正面から顔を付き合わせる位置関係にある。


 まあ、中央までなのだが……。


 その為、お互い、顔を見合わせながら進んでいく為に、何を考えているかは良く分かっていた。


 とは言え、もっと甘い感情が漂ってもいいと思うのは、筆者だけだろうか?


 リ・リラは、どうしてもエリオの顔を見ると、ライバル心が勝ってしまう。


 エリオは、儀式をきちんとやらなくてはならないので、それに対抗する必要がある


 うん、そう考えると、残念無念である。


 会場にいる面々もそれが分かっている人間が多いのか、今度は緊張感が増してきていた。


 結婚式の空気がこんなにコロコロ変わるものなのだろうか?


 そして、2人が近付けば近付く程、バチバチしている火花が見えているようだった。


 まあ、片方からしか火花は飛んでいないのだが……。


 ともあれ、そんなこんななので、会場の招待客達は、2人がお似合いだと思っている。


 圧倒的な存在感があるオーラを放つリ・リラ。


 圧倒的な残念オーラを放つエリオ。


 これらを足し合わせる事により、中和されるのは明白である。


 それが、上手く行く秘訣なのやも知れない。


 でも、まあ、そんな思惑はどうでも良く、2人は中央に並び立った。


 2人の前には、宮内庁長官であるローア伯がいた。


 儀式の進行役兼取り纏め役である。


 この世界では、結婚は宗教儀式ではない。


 なので、教会は一切出てこない。


 身内に対する宣誓式である。


 なので、取り纏め役は、両名の上役で、既婚者が担う事になる。


 ただし、王族に関しては、身内は全国民であり、上役は王になるが、基本的には王はこのような立場には就かない。


 でも、まあ、今回は、その女王自身が関わっていてますね……。


 まあ、それはともかくとして、王族関係の場合は、宮内庁長官が取り纏め役、つまり、神父やら宮司などの役割を務める。


 宮内庁とは、王族の世話係が主任務なのでそう言う事になるのだった。


 取りあえず、説明はこれまでです。


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