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クライセン艦隊とルディラン艦隊 第3巻  作者: 妄子《もうす》
37.マグロット沖海戦

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204/263

その12

「進路変更、面舵!

 攻撃目標敵第4艦隊。

 砲撃準備!」

 サラサが、矢継ぎ早に命令を下した。


 フィルタは、慌ててながらも確実に伝達していく。


 と同時に、艦隊にスイッチが入ったように空気が変わった。


 その空気を感じ取ったフィルタは安心した。


 戦闘とは非日常的な出来事であることを今の空気は如実に表していたからである。


 そんな雰囲気の中、艦隊はサラサの命令通りに一糸乱れず進路を右に変えた。


「さてと、どうなる事やら……」

 サラサの方は、相変わらず他人事のようだった。


「……」

 それが気になっているフィルタだったが、ここで何か言える程、人生経験を積んでいなかった。


 だが、フィルタとサラサの歳の差は3。


 それ程離れていない気がするが、この頃の3は結構大きな差になる。


 況してや、サラサは成人前から曲がりなりにも戦場に出ている。


 そうなると、更に経験値が違う事になる。


 でも、そう考えると、エリオにしろ、サラサにしろ、後進を育てていかなくてはならないという任務は早すぎますねぇ……。


 どう考えても……。


 でも、まあ、やはり、エリオにしろ、サラサにしろ、既に就いている地位が中年以上がやるポジションである。


 だから、年齢に関係なく、こう言った事をしなくてはならない。


 その辺の事は、よく分かっている2人だった。


 とは言え、エリオが最近出てこないねぇ……。


 それはそれとして、一歩引いて見られるバンデリックは、更に他人事のように見守っていた。


 サラサはいつも通りに構えていたからである。


 それは、フィアナとフィルタ姉弟の行動を、計算内の出来事として処理出来ていたからに他ならない。


 つまり、不安材料がない以上、今は何か言う事はなかった。


 と書いてはいるが、サラサにしても、バンデリックにしても、他人事のように対応している訳ではなかった。


 傍から見ると、そう見えるだけで、多分、違うと思わなくはなくはないのであって、そうあってほしいのであった。


「更に進路変更、取り舵!」

 サラサが、緊張感が出てきた中、そう命令を下した。


 フィルタは何とかサラサに喰らい付いていくかのように、命令を直ぐに伝達するように指示を出していた。


 サラサ艦隊は、南方艦隊を迂回するように進路を取った後、今度は逆に近付くような進路を取った。


「戻せ!」

 サラサは、頃合いを見計らってそう命令を出した。


 艦隊の進路は北になり、南方艦隊と並走する形になった。


 ↑マグロット↑


  24

   南SR


 2:第2艦隊、4:第4艦隊

 南:南方艦隊、SR:サラサ艦隊


 とは言え、これで終わりという訳ではないのは言うまでもない。


 北に進路を取ったサラサ艦隊は、そのまま前進を続けるのであった。


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