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クライセン艦隊とルディラン艦隊 第3巻  作者: 妄子《もうす》
33.次世代

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その30

 サラサの黒歴史を思い出させる切っ掛けの行事はまだ続いていた。


 と言うより、こちらの方がトラウマというか、黒歴史度が高かった。


 儀式の後は、披露宴である。


 サラサの時は、ここで事件(?)が起こったのであった。


 まあ、前にも書いたとおりなのだが、ハブられたのである。


 今は、容姿の事は気にするどころか、自分の誇りになっている。


 だが、あの時の思い出は、忘れたい事であるが、まあ、忘れられる訳なかった。


 こうやって思い出して、身悶えしたくなるのだった。


 サラサにしては、珍しいのだが、まあ、誰だってそう言う事は一つや二つや……、結構多く持っている人もいるだろう。


 別にその事に対して、何か思う所があるという訳ではなく、なんだかもう、居たたまれないというか……ねぇ……。


 まあ、感情としては恥ずかしいので忘れたいというのが近いか?


 周りの空気を読まずに意気揚々としていた所から、墜落したのだからねぇ……。


 7歳の時は酷く傷付いてはいたが、今となっては、幼い故の出来事だったと思いたい。


 が、まあ、そう簡単に割り切れないから、こうやって、黒歴史としての記憶になっているのだった。


 そんな事はともかくとして、今年の7の儀の披露宴には、王族が参加している。


 なので、サラサもルディラン家として、挨拶しに行かなくてはならなかった。


 順番としては、シルフィラン家の次である。


 シルフィラン家は、公爵夫妻と、長男夫妻、長女夫妻が挨拶していた。


 それを国王と王妃、真ん中に挟んだ王子ルデウスが対応していた。


 ルデウスは、流石に王族なのだろう。


 7歳と思えない、きちんとした対応をしていた。


 それを見ると、サラサはまた自分の時の事を思い出し、心をかき乱されるのだった。


 だが、ふと思った。


(子供らしさがないのね……)

 サラサは、そう思うと急に自分を取り戻したようだった。


 ルデウスを見ていると、本当に7歳の子供とは思えなかった。


 王族としての威厳を既に備えているからだろうか?


 いや、何だか、違う気がした。


 サラサがジッと観察しているうちに、シルフィラン家との歓談は和やかなうちに終わった。


 歓談が終わったシルフィラン家は、横に避けると、ルディラン家に道を譲る形になった。


 そして、王族とルディラン家の目が合った。


「ルデウス王子殿下、この度はおめでとうございます。

 両陛下もさぞかしお喜びでしょう」

 オーマがそう言うと、恭しく頭を下げた。


 それに従うように、サラサ、ヤーデン、バンデリックも頭を下げた。


「ありがとうございます、ルディラン侯。

 どうぞこちらに」

 ルデウスがオーマの祝福の言葉に対して、びっくりするほど自然に応えた。


「では、失礼させて頂きます」

 オーマはそう言うと、サラサとヤーデン、バンデリックを引き連れて、王族の前に進み出た。


「皆様、どうぞ、面を上げてください」

 ルデウスは、今度も淀みなくそう言った。


 そう言われたので、オーマを始め4人は、面を上げた。


(それにしても、立派ね……)

 サラサは、驚きを通り過ぎていて呆れていた。


 勿論、サラサとて、顔には出さなかった。


「おや、本当にお小さいのですね」

 ルデウスは、サラサを見てそう言った。


「!!!」

 サラサは顔にこそ出さなかったが、ロリと言われていい気はしなかった。


 えっ、ああ、そうまでは言われていないよね……。


 とは言え、ルデウスの本質を見た気がした。


 サラサを見た時の表情が一瞬変わったからだ。


 ただ、今は、ニコニコしているだけだった。


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