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5 寮を出ることになった俺、バイトをすることになった

「では、上杉様、こちらに」


「はい、お願いします」


今、学校の近くのマンションから通学している。

出入り口に自衛軍のジープが待機している待遇ぶりだ。


何でも男性保護訓練の一環でこの地域に住んでいる男性は俺一人だけらしい。


マンションも月3万円だ。それも水道光熱費ネット回線ありでだ。

男性特典か?


「あの、唐揚げ作りすぎたので良かったら食べて下さい」


「「「「オオオオオオオーーーーー」」」」


自衛軍の皆様に作りすぎたおかずのお裾分けをする。

これ、一人二人だと油がもったいない。


「「「ご苦労様です」」」

「頼むぞ。俺たちは入れないからな」




そして、校門前で降ろしてもらって、体育会メンバーが出むかえてそのまま保健室に向かう。


ここで授業を受ける。

保健室登校だ。


もう、あの男子組には戻りたくない。


守られているな俺。


ベットがある部屋で女教師から授業を受ける。エロスを感じる。近い。近い。


「フフフフ、自然性交をしてもいいのよ」

「いや、勉強をしましょう」

「あら、残念」



体育は女子のクラスに交じる。


「二人組を組んで下さい」


「上杉さん。私と!」

「「「私!」」」


男子クラスの時とは雲泥の差だ。



「ねえ。しかし、上杉さんの体格良くない?」

「そうね。スポーツテストも女子と遜色ないし」


どうやら、この世界の男子の体力は退化しているようだ。



・・・・・・



安子さんはまた部活の練習に戻った。

卒業後も野球で暮らすそうだ。

ドラフト会議も近い。


「しまってこー!」


「寂しいです」

「フフフフ、毎日昼休み会えるじゃない。土日もデート出来るわ」

「はい」

まるで俺がすがっているみたいだ。いや、すがっている。

この世界での寄木だ。



問題は、男性学だ。

校長室に呼び出された。


「亀頭先生は保健室での授業を拒否しました・・」

「やっぱり」


男で男性学の単位が取れないと卒業できない。高卒資格が取れないと学校に行っている意味が無いな。いや、勉強は大事だ。


「で、向こうは提案をしてきました。男性保護委員会はバイトの斡旋をしています」

「バイト・・」


「はっきり言います。この世界女子との交流でお金になります。それで耐えられたら単位を認定するそうです」


「どこが大変ですか?」


「ええ、男性が嫌がる容姿・・・外見が劣ると一般に言われている女性と交流です」


「分かりました」




・・・・・・





☆☆☆四ツ橋家



「ブス!ほら、さっさと茶飲め。お茶一杯だけ飲む時間が約束だ。俺は飲んだぞ」


「ヒィ、そんな。男性との会話になれなくては・・・鷺山様、学校では・・・」

「あ~勉強するところ」


そんな。お母様が呼んでくれた男性様、開始一分で不機嫌になったわ。

私の見てくれが良くないから。


「鷺山様のお帰りです」



「グスン、グスン、お母様、これでは四ツ橋重工の跡取りとして失格だわ」



「・・・・次、違うお兄さんを呼ぶわ」


「もう、いや。どうせ東一高校のお兄さんでしょう」



しかし、試練だ。私はめい一杯男性が好むように、化粧はせずに、胸は小さく見えるようにきつめにバンドを巻いた。



「初めましてお嬢様!私は上杉賢治です。東京第一共学高校1年男子組です」


「私は四ツ橋彩花ともうしま・・す」


何かおかしい。


「あの何故立っているのですか?最低お茶を飲む時間はお話をして頂かないと困ります」


「いえ、お嬢様の許可を受けてからと思って、初対面でこちらはお金を頂く身ですから」


本当に驚くと声が出ない。


「す、座って、美田さん。お茶をお願いします」


「はい!お嬢様!」



・・・・・・


お茶一杯と言わずに、何杯も飲むことになった。


「それでね。男子そっくりの女優さんがいて、ファンレターを書いたの」


「ハハハ、宝塚みたいな感じなのですね」


上杉様は異世界から来られたと言っている。いや、お母様の財産を狙っているだけなのかもしれない。


「私のいた日本では、基本的に男女は仲良しです。そりゃ、ネットで女叩き、男叩きをしている者もいますが、基本助け合っています」



気になる事を聞いてみた。


「あの世界では私みたいな者は・・・どうなのですか?」


「美少女の原石ですよ。国営放送でインタビューに答える女子中学高校生のような感じですよ。俺、私は常々疑問に思っていたのです。どうやって探しているのかと」



あちらの世界では胸がデカくて、小さい顔、いわゆる大災厄前の女性が好みらしい。

信じられない。


「では、握手できますか?」


「ええ、勿論」


「ハグは?」

「じゃあ、軽く」


「あ、何を」


袖をまくり。彼の生腕見た。湿疹が出ていない。本物だ。

私は目をつむりおとがいをあげた。キスをせがむ。


「オホホホ、彩花、そこでよ」

「お母様」


「上杉様、彩花は14歳です。性行為は体に負担をかけます。もう少し立ってからお願いしますわ」


「四ツ橋さん!しませんって」


「この国は一夫多妻制です。18歳になったら、考えて下さいませね」


「だから、婚約者がいますって」




・・・・・



「で、美田、彼はお車代を受け取ったのかしら」

「いえ、金塊は拒否しました。それどころかバイト代5万円で目を回していました」


「ますますいいわね」


「お母様、わたし、頑張ります。だから上杉さんのハーレムに入りたいです」


「ええ、そうね。子種は既に入手出来るわ。彼の精子は特級扱いよ。でも」

「一緒にいたいです」

「そうよね。力を貸すわ」

「お嬢様、ようございましたね」


「とりあえず男性保護活動への寄付はやめるわ」



・・・・・・



ガヤガヤガヤ~


俺はバイトをしつつ生徒会のチャリティーに協力している。


「上杉さんのブロマイド、握手とサイン付よ」


「「「「キャアアアーーーーー」」」



何でも困窮している女性の施設に寄付をするそうだ。

この世界、男性はそれだけで生きていけるが女性はそうではない。

男性に奉仕して働けなくなったら捨てられる女性が後を絶たないからだ。


俺のブロマイドがこんなに人気なんて複雑な心境だ。



「ほら、田川、上杉さん。嫌がらないわよ」

「・・・あの、一枚下さい」


「はい、買って頂いて有難うございます」



あれ、この先輩もヨレヨレの髪に大きなメガネ、知的な雰囲気がある。

この世界では男子から人気ない容姿だ。


この世界の女子は旧世界の男子に似ているほど人気がある。

自分は太っているけど相手には許容しない理解できない心境だ。


ドタン!


「キャー田川さん気絶した!」

「大丈夫ですか?保健室に」


「「「キャアーキャアー!」」

「御姫様抱っこ来たーーー」


俺との握手で気絶した。俺はどっかの伝説のバンドかよ。





・・・・・・



俺は鷺山尚人、読モを目指している。


服を買うにはお金が必要だ。


「先生、四ツ橋重工のブスでいいや。バイトの斡旋をお願いします」


「・・・それが、お断りの連絡が来たのよ」


「じゃあ、ゼネコンの木野山組のブスは?」



何故だ。皆、軒並み断られている。


お茶をするだけで、5万円もらえたのに・・・


嫌な黄色い声が聞こえてきた。


「「「キャアアーーー」」

「上杉さん。田川さんを御姫様だっこしているわ」

「四ツ橋重工のプリンセスも差別しないそうよ」




「そうか、上杉が女に媚びているから!男の値が下がったのか?」


 今月のローン、払えなくなるじゃないか?!

 AVに落ちるのは嫌だ!









最後までお読み頂き有難うございました。

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