16 ママ活って、売〇じゃないか?言葉を誤魔化すと、軽い気持で手を出して後で後悔することになる。
「総理、エスポワールボートが、ハワイに到達、しかし、ママ活経験者が多数いるので入国を拒否されました」
「そうか」
としか言えない。男たち300人が迫害されていると出国した。彼らは自分らが世界一夫にされたい人種だと思っている。
ママ活は海外では売春とみなされているのだな。まあ、そうだ。
「向こうから、連絡をくるまでこちらは何もするな」
「はい」
「総理、国連が、新日本国に由々しき人権侵害があると懸念を表明しました」
「国連?まだ、あるのか?ニューヨークの貸しビルで細々と営業をしていると聞く」
「如何しますか?」
「無視でいい」
「総理!ニュースを見て下さい。大新羅民国で暴動が起きています」
「何?」
‘‘速報です。大新羅民国で建設中のハーレム宮殿が倒壊しました。それに伴い全国の国民が、泣き叫び。暴動が起きました。車を高速道路の真ん中に止める行為が連続しています。大新羅国では、感情の統御が取れないと、車を迷惑になる場所に止める行為が横行する国民性があります’‘
「ほお、協議だ。対馬要塞に連絡、海軍、沿岸警備隊の出動待機命令だ」
これは、大華人民国が動くな。
「モニター会談だ。熊主席とつなげ」
・・・・・・
結局、大華人民軍義勇軍が南下をして治安を回復することになった。
国境線の取り決めだ。
隣国が大華人民国では少々都合が悪い。
やはり、緩衝国が欲しい。
『知らないあるよ。軍じゃないあるよ。義勇隊ね!でも、あまり遠足しないように言っておくね』
辛うじて、大新羅国は残ることになった。
漢大統領からしれっと要請が来た。
「藤川総理!山名県に臨時政府を置かせて欲しい!それと難民の受け入れと保護費を支給して欲しい」
ここは、向こうの神話になぞられて国に残るように説得する。
といっても、中世に作られた民話だ。
「漢大統領、始祖男君は、半島を数百年治めた後、大華から来た王族に徳があるからと姿を隠し政権を譲り神と祀られました。今、貴女は女君です。義勇隊に政権を渡せば、南の4分の1は残るでしょう」
「ウギャー!ピギー!」
結局、南北が統一されてからまた国が分断された。
これは、大陸に国がある悲運としか言いようがない。
過酷な現状に同情を禁じ得ないが、私は新日本国を守らなくてはならない。
一方、上杉は、
☆☆☆松本男性特区
‘’ニュースです。速報です。大新羅民国、漢大統領は治安維持に来た人民軍・・いえ、義勇隊に一時的に統治を任せ。自らは、首都近郊の山に新たな大統領府を作りました。
原因は大規模なハーレム宮殿の建設、松本男性特区よりも大規模なものを作ろうと無理な予算と工事期間を・・・‘’
うわ。大変だな。今、俺は松本にいる。会社から指定された宿舎はホテルのように大きい。保養所か?
今、ここには、俺と3人の妻だけだ。
今日は、安子がハンバーグを作ってくれる日だ。
「出来ました。旦那様!」
「うわ。美味しそうだね。皆、食べよう。頂きます!・・・・あれ」
「旦那様・・・が先に口をつけるっぺ」
「うん。うん。そう」
そうか、ここでも男性をたててくれる。マンファーストというのがこの世界では徹底しているな。
ハンバーグをナイフで切ったが・・・
「ごめん。安子、これ、食べられないよ」
どこかのグルメアニメみたいだが、
母さんの教えだ。料理は、見てくれや美味い不味いではなく、1番大事なのは、衛生だ。
たとえ、妻が作ってくれたものでも・・・
「中が生焼けになっているよ」
「ご、ごめんなさい。グスン」
衛生的に問題があったらはっきり言う。
「いや、初めて作ったのだもの。俺が作ったとき。旨み調味料が美味しくて、おかずに全部かけて、味が全て同じになったよ」
もちろん、フォローを入れて。
「皆の分も、作り直すよ。見ていて」
ハンバーグを半分に切り。
切り口をフライパンで焼く。
ジュー!ジュー!
そして、フライパンに水を少々いれて、蓋をしめて蒸す。
「これで、中まで火が通るよ」
きっと、寮で賄いだったんだよな。作る機会がない。
「わたしゃ、不安だよ。明日、当番だ」
「うん・・私は明後日」
「いいよ。じゃあ、献立の相談をしよう」
「「「はい」」」
何かいいな。こんな生活。
買い物に4人で行く。
誰も免許は持っていないから、運転手さんにお願いする。
「スーパーまで」
「はい、上杉様・・・上杉様は後ろに乗って下さい!」
「分かったよ」
ここでもマンファーストだ。
スーパーは街の真ん中にある。
「皆は、ここで待っていて」
「「「はい」」」
スーパーは俺しか入れない。
許可書が必要らしい。
「「「いらっしゃいませ!」」」
店員が皆、一斉にお辞儀をする。
皆、ミニスカートだ。
目のやり場に困る。
名札もスリーサイズと年齢が書かれている。
何だ。大人のお店か?
スカートの右端に、バッチがついている。
青、黄色、赤、ほとんどが青だが、たまに赤がある。
赤の子と鉢合わせをすると、
「キャア、失礼しましたっ!」
と叫んでどっかに行く。何故だ?
今日の夕飯の材料を買い。
車に戻ろう。
その時、駐車場に男がいた。
老人だ。
女性が乗っている車椅子を押している。
そう言えば、この世界に来て、男の知り合いがいない。
声をかけようか・・・
と思ったら、向こうから声をかけてきた。
「ほお、貴方様が上杉様ですね。ワシは藤川元雄と申します」
名前を知っている・・・
「はい、そうですが・・上杉賢治です」
「ワシは両刀使いじゃが、女房とは仕事の関係で結婚をしたのじゃ」
「ええ、貴方とはケンカもしたけれども、誠実でしたわ。だから、夫婦で、ここに入れたのよ」
何か、いいな。お話を聞きたい。
「ほお、なら、家に来るかのう」
「はい、・・・でも、妻達がいるし・・」
大勢でお邪魔したら迷惑だ。材料も生ものだし。
そうだ。材料だけ渡して先に帰ってもらおう。後で運転手さんに迎えに来てもらえばいいか。
しかし、運転手に拒絶された。
「当職は、上杉様とその随行者のみお運びするのが任務であります」
「なっ、俺の妻だぞ?」
いかん。威圧的になったのか?権威を振りかざす自分に驚く。
老人、藤川さんが仲裁に入ってくれた。
「まあ、まあ、規則では大抵、上杉様とその随行者のみ。その他重大な事案が発生したらその限りではないとなっておる」
「しかし・・」
「ワシは、藤川首相の夫、この松本の治安責任者、藤川冴子の父だぞ!」
「は、失礼しました!」
・・・・・
「有難うございます」
「いいや、汚れ仕事は老人に任せろじゃ。しかし、早く帰った方がええな」
「はい・・」
老人の車で行った先は普通の住宅街の一軒家だ。
「あ、男性が歩いている。皆、ご老人だ」
「フォフォフォ、ここは、女性に優しくした男性のみが入れるのじゃ・・・」
ご老人からこの世界の事を聞いた。
男性は、若い内はチヤホヤされて大事にされるけど、年を取り。精子を供出できなくなったら・・・
「公然の秘密じゃ。理由をつけて保護費は停止されてきたのじゃ。皆、分かっているから女性を囲おうとした。女性嫌いでも、老後面倒を見てもらうために、辛うじて結婚をしようとしたのじゃ。それも40代になってから婚活とか片腹痛いわ」
そう言えば、見覚えがある。
ネットで見た夫婦仲良しの古いブログの人だ。
「しかし、ここには若い者が上杉様以外に一人だけいる。山名君じゃ。32歳じゃったかのう。元男性共同党だ。除名されたのじゃ」
「じゃあ、会えますか?」
「すぐに会える・・・・」
後は、夫婦を長く続ける秘訣などを教わった。
車が迎えに来て。
「どうぞ」
「ありがとう・・」
同じ自衛軍でも佐藤軍曹長たちとは違う。無愛想だと言うよりも感情がない。
「ええ、綺麗だ。掃除もしてくれたの?」
「ええ・・3人で、主婦ですもの」
休暇が終わる一週間前に会社から辞令が来た。
「・・・ええ、ここが勤務地?Vチューバーは?」
勤務地は住所だけ記載されている。宿舎もこのホテルだ。
送り迎えは車。
昨今の国際情勢により。身の危険があるから警備がつくとのことだ。
「今夜は・・4人でしない」
「「・・・・」」
「分かった」
何故だ。休暇終わりに近づくにつれ。妻達の熱気が増す。
仕方ない。今の状態じゃ。離ればなれが多い。
家を買って、俺が主夫になるのが1番しっくりくる。
との想いが日に日に強くなる。
最後までお読み頂き有難うございました。