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12 上杉誘拐計画

「藤川首相閣下、安全性が確認されたので新日本国の精子の輸入の許可をだしてあげたザンス!」


「そうですか・・・分かりました」


 今、EU連邦の特使と話をしている。AI翻訳機だと気取った言い方に聞こえるのはプランスだからかしら。


 過去、いろいろ難癖をつけてアジアからの精子の輸入を禁止にした。

 まあ、根底にあるのは黄色い血を入れたくないからだ。


 欧州の情勢は複雑怪奇、優生思想が根底にあるが、過去の反省から、多様性を推し進めている。



「お話がこれ以上ないようでしたらこれで・・」


「待つザンス!多様性先進国のプランスが教えてあげるザンス。資料と人材を派遣するザンス!貴国の男性殿は皆EUを手本にするべきと言っているザンス!」


「それは結構です」


「新日本企業も誘致してあげるザンス!」


「また、規制強化をされないかしら。人件費の高騰、税金で、本国で作った方が安い・・・とならないかしら」


「ならないザンス!新日本国を名誉EU連邦加盟国にするザンス!そうだ。我が最高のプランス料理人を派遣してあげるザンス!」



「そうですか。最近ボルシチに凝っていまして・・・・今度、本場のオロシアまで食べに行こうかと思っていますわ」



 席を立つ。かの国々はある意味多様性先進国だ。その末路は着飾った同性愛の男だけ。銃を使わない内戦が勃発していると聞く。


「首相閣下、待つザンス!」


 ガタ!


「ジャパニーズスタイル土下座ザンス!私達に性器を隠す一枚のイチジクの葉を下さいザンス!」



 少しイラッときた。


「・・・本音を聞きたいですわ」



 EU連邦は多様性を推し進めた結果、男性が性器を取り始めた。

 それでも補助金を出せとデモが起こる。


 未来の日本の姿かもしれない。

 もう、男のクローンを作るしかない状態だが。


 バチカンマの法王はカンカン。

 バチカンマは男性が生まれないのは神の怒りで滅びを受け入れるべきだとの声明を出している。





「関係省庁の意見を聞かなければ何とも・・とにかく今日はお帰り下さい」


 手を取り立たせた。


 世界の情勢は思ったよりも深刻だ。


 その後、プチャーチアとモニター会談し。


「ええ、貿易の代金は、艦艇を頂きたいですわ」

「ハラショー!」


「しかし、フジコ、アメリアからも船をもらっているるるーと聞く」

「ええ、日本は海洋国家ですから」



 国内の通販が届かないのは良い。しかし、回転寿司でマグロがなくなるのは物流に致命的な欠陥が生じた証拠だと云われている。


 物流の要は船と大型トラックだ。多量に運ぶことでお値段が安くなるのだ。


 日本が滅びるその日もマグロを食べられるようにする。


 思ったよりも文明の崩壊が早い。


 この後、経済圏は世界ではなく、地域のブロックごとになるであろう。

 まるで、第二次世界大戦前の世界状況のようだ。




「松本特区の建設を急がせなさい」

「しかし、後10年はかかります」


 実際はイザナギ独りだ。


「まずは、防衛網、街の建設はゆっくりで良い。イザナギ神殿と各種学校を急がせなさい・・・そうね。ハーレム要員3000人の居住スペースが出来たら、イザナギに来てもらいます」



「後、スパイ防止網はどうですか?大新羅民国を侮ってはいけません」

「はい、関係省庁連携を密にしています」


 その後、大新羅民国の漢大統領とモニター会談をした。



「あの精子提供者は、在日大新羅民国民だと我国の学者達が分析した。返還と賠償を要求する!」


「ああ、そうですか」


 あちらがこう言い出したら戦略的に無視が鉄則だ。


 話を聞くと、世界に向けて、発信しているらしい。EU連邦が接近してきたのはこいつのせいだろう。

 余計なことを・・・



「ハーレム宮殿を建設しているよ!新日本よりも大きい物をつくる!」


「あら、大変ですね。では、失礼します」



 ・・・・・



「参謀長、警戒を厳に、海上警備隊、海軍にも通達。あの国を舐めてはいけません。発砲は現地の指揮官の判断で」


「分かりました。首相!」



 やっぱり、誘拐作戦を行っていたようだ。

 報告が来た。



「国際空港から、まっすぐに武守駐屯地に向かった自称大新羅民国の観光客が営門で止められました」



「そう、思ったよりもやるけど、手口が大雑把過ぎる。かの国の諜報員の特徴ね」

「で、どうやって、誘拐しようとしたのかしら」


「・・・はい、大きなバックを持っていて、その中にイザナギを入れて連れ去ろうとしたようです。持ち物からCホップのCDで釣ろうとしたと推測されます」


「肥大化した愛国心による過剰な自信・・これは我国も教訓としなければならないわね。強制送還させなさい」




 ☆☆☆武守駐屯地警衛所



「私達、友に会いにきただけ!面会を要求する!」

「だから、誰だ?」


「会えばわかる!」


「・・・・皆、同じ顔だな!」




 一方、上杉候補生は、半年間の訓練が終わり帰宅するところであった。



 ☆駐屯地教育隊長室


 教育が終わり。候補生の呼び名は消えた。

 今は一般人、上杉さんと呼ばれている。


「上杉さん。今日の帰宅は無しになりました。3日後です」

「ええ、帰宅は3日後に延期?」

「ええ、そうよ。外が騒がしいようですわ」



 ‘’ニュースです。お隣の大新羅民国はハーレム宮殿の建設に取りかかりました。予算規模1000兆ウォンを超え。果たして本当に建設できるかどうか危ぶまれています。理由は・・’’



 プチン!


 お隣にも俺みたいな女好きの男がいるのか興味あるがテレビを消された。


「オホホホホ、駐屯地内ですが3日間休暇です。同期と親交を深めなさい」


「はい、そうします」

「上杉さん。何したい?」


「はい、ジョギングを」


「「「ダメ!」」」

「ジムに行こう!ルームランナーだ」



 俺はその後、自衛軍駐屯地内で唯一酒を飲めるクラブに行き。

 未成年者はジュースで宴会をした。


 何だか。いろいろあれだったけど、名残惜しいな。



 そして、夜。


「ヒック、添寝当番だ。佐藤曹長はいるぞ~」


「うわ。酒臭いですね」


 彼女は一般大学から合格したのだ。現在は26歳。今晩も下着姿で来る。

 もう、驚かない。今日は薄いブルーか。控えめだな。


 いきなり。土下座をした。


「上杉さん。グスン、私は26歳だ。最年長だ。もう、男と接する機会がないと思う。抱いて欲しい・・・・」


「佐藤曹長・・・」


 ハーレム世界は少しも良くない。

 パートナーの数が多くなればなるほど、絆が薄れるように感じる。


 しかし、女性にこんな格好をさせてはいけない。


「立って下さい」


「では・・・」

「はい」



 ・・・・・・・



 ☆モニター室



「やりました!佐山中尉!上杉さんが性交に及びました」


「ちょっと、黙って」

「はい・・」



 グスン、グスン、成長したね。それでこそハーレム王だ。


 過去の古い文献を当たった。

 土下座をして情けを乞うと男性は必ず性交に及ぶ。

 古き礼儀作法だ。



「上原大尉に連絡だ。休暇を9日にする。一人一人相手をさせるぞ。いや、余裕をもって10日だ。僥倖、月初めだから生理の者はいないな」


「はい、確認済みです」


 うわ。こんなことをするのか。

 佐藤曹長頑張れ!さいご、足を絡めて、逃すな!


「射精を確認!」

「「やった!」」


 当番兵と手を取り喜んだ。

 さあ、偉大なハーレム王の第一歩だよ。





 ☆次の日


 忘れていた。点呼があったのだ。


「上杉訓練隊総員10名事故佐藤曹長破瓜による出血、その他健康状態異常なし!」


「「「キャアアアアーーーーー」」」

「佐藤曹長おめでとうーーー」


「グスン、グスン、皆、有難う。痛かったぞ!だけど上杉さんは優しかった」

「「「キャアアアアーーーー」」」


 うわ。報告された。


 訓練の助教も。


「うん。うん。点呼途中だぞ。静かにしろ。グスン」


 うわ。泣いている!



 この日、安子さんに連絡をした。

 もう、決めてあったのだ。彼女らが真剣だったら受け入れようと。


「安子さん。ごめん」

「あら、何故謝るの?まるで、悪い事をしたみたいじゃない」


「いや・・・」

「この世界はね。それが常識よ」

「はい・・・」


 その後、何故か休日が延びて、


「「「「皆、姉妹だな!」」」


 うわ。これ、貞操観念どうなっているのだろう。俺、ヤリ〇〇になっていないか?

 いや、なっているだろう。



 皆に盛大にお見送りされ、自衛軍の車両、装甲車で送られる。

 厳重だ。


「厳重ですね」

「ええ、最近、物騒なのよ」



 この日、四ツ橋重工が用意してくれた社宅に戻った。


「お帰り・・・」


 ツンと出むかえるのは舞子だ。

 彼女はここから高校に通う。


 安子はレディースの寮、みずほは大学の寮だ。


 4人一緒に住める家を買おうと計画を立てる。

 訓練が終わった高揚感からか。パートナーの様子がおかしいことに気がつくのに時間が掛かってしまった。


 




最後までお読み頂き有難うございました。

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