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10 上杉ハーレム王候補生

 生物は基本女性で、環境が悪化したときにオスに変化し。遺伝子を交ぜるためにオスが誕生したと云う人もいる。

 学者達は脊椎動物のコモドドラゴンの単為生殖を研究したが、人間では無理と結論づけられた。


 もし、全ての男性が遺伝子を混ぜ合わせる役割を放棄したら、存在意義がなくなるのではないだろうか?


 目の前の同性愛者の鷺山を見て、ふと頭によぎった。



「おい、誰でも良い。結婚してやる!」



 生徒会室で鷺山さんが私達にプロポーズをしている。

 誰でも良いそうだ。


「モデルを目指している!雑誌から良い返事が来ているわ!」


 鷺山先輩は、男性モデル雑誌に、小さく載ったことがあった。

 その時は校内の女子からは注目の的であったが、今は小さく見える。


 やはり、女性が好きな上杉さんのせいだろう。彼はいない。退学になっている。

 こいつたちのせいだ。



 結婚維持費月10万円もらいたいがためのプロポーズだ。


 私は2年、生徒会長山之内洋子、この学校の校長の娘だ。

 最低の義務だけは果たそう。



「バイトをクビになったそうですね。生徒会としても卒業後も就職の斡旋は出来ます。中小企業の広報や電話対応を紹介出来ますが、今の態度では推薦できません」



「そうか、優良企業で結婚相手を探せばいいか」


「ですから、推薦できません。面接の練習を行います。心を入れ替えて下さい」



「はあ、もう、良い!ママ活で暮らす。女の親も子どもへの投資を理解してくれないし!」



 聞くに、鷺山さんのお母様は、老後に備えるべく。卒業後は養育しないそうだ。

 あれから金融機関からの督促が激しいそうだ。


「後悔するぞ。美男子モデルの出身校になるのに」


「それじゃ、こちらが何もしなくても、モデルの出身校になりますね」


「!うるさい。屁理屈ばかり。これだから女は」


 長い間、特権を与え続けてきたことが男たちを変えた。甘やかしすぎたのかしら。してもらって当然になっているわね。


 さて、上杉さんはどこで何をやっているのだろうか?




 ☆☆☆自衛軍守武駐屯地



 ‘’ニュースです。大新羅民国で男性転換機が発明されたとのことですが、フェイクだったと判明しました。

 政府からの補助金欲しさに、日焼けカプセルに女性を入れて、中でヒゲをかき。男性器のレプリカ付きのパンツをはくという前代未聞の事件に・・・・




 今、自衛軍の宿舎にいる。個室でテレビまでついている。


 俺、上杉は四ツ橋重工に入社した。

 研修で自衛軍の訓練を受けろと辞令が来た。

 望むところだが、



 ‘’次のニュースです。AI音声で男性を再現する技術が開発されました。電話対応など各企業が関心を示しています。



 トントン!

「上杉候補生、佐藤曹長入るぞ」


「どうぞ」


 下着姿だ。もう、驚かない。


 何故なら、俺の射精当番なるものが出来たからだ。


 俺の訓練に9人の幹部候補生が同期として付き合ってくれる。皆、23~26歳の曹長だ。




「すみません。テレビを見ていました」

「ニュースか。感心だな」


 テレビを消すと

 佐藤曹長はベット、俺の隣に座る。

 近くで見ると、改めて大きい。


 何て言うか。体の各パーツが大きいのだ。

 弓道部の清楚な女の子を一回り太らずに大きくした感じだ。


「痛かったら言え」

「はい・・・」

「触っていいぞ」

「では・・・」

「キスというものをするか?」

「さすがにそれは妻たちがいますから」



 初夜を迎える前は性行為に大きな幻想を抱いていた。

 セックスは好きな者同士でやると気持ちいいのだ。


 採精センターや、こうやって取られると、ただ、スッキリした感じだ。

 むなしい。


 もう名誉女性だ。精子の提出をしなくてもいいが、こうして交代で取りに来ると決まった。





 ・・・・・・・



「・・・有難うございました」


「うむ。このまま添寝だ。性交をしたかったら言え。しかし、私も心の準備がある。一言言ってくれ」


「ですから、大丈夫ですって」



 チュン♩チュン♩



【点呼!】


【候補生訓練班総員10名事故無し!健康状態上杉候補生朝立ち!その他健康状態異常なし!】


「ほう、朝立ちか?昨晩は?」

「はい、佐藤曹長が手で一回射精を介助しました」

「ふむ。中二日でも大丈夫だな」


 うわ。やめてくれよ。皆、真剣だからいたたまれない。


 その後、訓練に入る。

 三歩以上は駆け足。


 基本教練、体力錬成、武器、匍匐前進など、とにかく急がせる。


 良い所は時間があっという間に過ぎることだ。



「どうだね。訓練は慣れたかね」


「はい、佐山中尉!」


 不動の姿勢を取り気をつけで、敬礼を行う。


 ビシッ!


「あ、いいよ。楽にして、コーヒーでも飲むか?」

「はい、頂きます」


 この人は訓練隊事務室の幹部だ。


 隣に座った。

 うわ。体を寄せるな。


「君、すごいよ。女性基準の体力検定合格したんだって?」

「どうもです」


「悩み事はないかい?」


「感謝しております。義母を自衛軍病院に入れて頂きまして」

「固いな。もっと、気楽に、それにしても驚いたよ。妻の母親の心配をするなんて」

「はい、男性恐怖症で面会は出来ませんが、いつか会ってご挨拶をしようと思っています」



「アハハハハハハ」


 何かおかしいのか?笑い出した。


「君、本当にいいよ。不安とかはないのかい?」

「はい、給料は18万円で手取り13万ほどになります。妻が3人いる身としては心許ないです。あ、これは仕方有りませんが」


「君、本当に自立した男性なんだね。それは心配いらないよ」


「あの疑問です。私は候補生と呼ばれていますが、何の候補生ですか?軍隊にこのままいるわけではありませんよね」


「それは、追々わかるよ。では、会議があるからね」


「はい、缶コーヒー有難うございました」



 ・・・・・・



 ☆会議室


 ふう。勘の良い男は嫌いじゃない。


 上杉ハーレム王候補生、今、それを言ったら慢心するかもしれない。


「それで、上杉候補生と性交に及んだ者は挙手!」


 シーン!


「0ね。どうする人員を入れ替えるか?」


「それは、嫌です。もっと、上杉候補生と交わりたいです!頑張ります」


「佐藤曹長、発言を許してはいません」

「そんな・・・はい、分かりました」


「まあ、まあ、上原大尉、採精は出来ているのだからこのままで良いじゃないですか?目的は採精です」


「佐山中尉、でも最終目標は性交です」


「大災厄前の男子中高生に人気だったラブコメ小説を持って来ました。各自演練させれば良いのではないですか?今、人員を変えたらいぶかしく思うでしょう」


「それもそうね。いいわ。人員の入れ替えはなし」


「「「はい!」」」

「頑張ります!」



 ・・・・・・・



「もう、上杉候補生なんて、好きじゃないけど、スッキリさせてあげるのだからねっ!」


「え、どうしたのですか?佐藤曹長・・・」


「フン!」


「あの、くせになりそうだからやめて下さい」






「お義兄ちゃん!好き!好き!」


「うわ。加藤曹長、抱きつかないで下さい!それに何ですか?年上ですよね」



 フフフフ、モニターで彼女らの奮闘を見たが、皆、真面目すぎる。

 そこだよな~。


 私、佐山は今日も上杉ハーレム王候補生を弟のように見守る。

 上杉候補生のパートナーは皆、年上だ。


「まあ、期待しているよ。上杉ハーレム王候補生」






 ・・・・・・




 ☆給料日


「え、佐山中尉、口座がおかしいです。現金カード、確認したら、63万円振り込まれていました。給与が13万円、何ですか?この50万円は国からですよね」


「ああ、それね。君は名誉女性になった。精子提出の義務はなくなったのだ。その代わり金をはらう処置になったのだ。中二日で先月は10回だ。一回につき5万円だ。税金は四ツ橋重工の方が処置してくれるよ」


「有難うございます!これで妻達を応援できます。いや、その前に、同期たちにお礼をします!」


「良かったね」


 今度こそ。間違った男に育てない。

 上杉候補生は天が女性達に使わした宝物なのだから。




最後までお読み頂き有難うございました。

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