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初作品です。宜しくお願い致します!
人の死を商売にするなら、坊主も殺し屋も変わりない。どっちもくだらん稼業だ。
俺は、闇と雨にまぎれながら、酒場から一人の男が出てくるのを待っていた。この街の有力貴族の一人だ。
慈善家で、市民の評判も良い男だ。殺される理由は知らんが、政敵にでも睨まれたのだろう。
小一時間ほどすると、酒場からそいつが出てきた。
店の女将が見送り、男は停めてある馬車に乗り込んだ。
俺は、すかさず後を追った。馬車は繁華街を通り抜け、しばらくすると郊外に差し掛かった。
俺は、一気に馬車を追い抜き、その前に立った。
馬がいななき、御者が手綱を引いた。
「危ないじゃないか!そこをどけ!」
御者が怒鳴ると同時に、懐からダガーを抜き出し、そいつの首元めがけて投げつけた。
「グ、ぐぇぁ」
御者は悲鳴にならない声を上げ、その場に倒れ込んだ。
「何事だ!?」
馬車の中から、男が出てきた。
「あんたには恨みはないが、死んでもらう」
俺はそう言うと、腰の剣を抜いた。
男は怯むこともなく、手のひらを俺に向けて、呪文を詠唱し始めた。魔法陣が虚空に展開される。
「ただの盗賊か?それとも、諸侯派の誰かの差し金か?」
「さあね、知らんさ。俺が知っているのはあんたが死ねば喜ぶやつがいるってことだけだ。」
「…そうか。ならためらう必要は無さそうだな。」
「アイスランス!」
男がそう唱えると、氷の槍がこちらに飛んできた。俺は剣でそれを払い除けた。
「まさか、魔法を剣で弾くとは!魔道具か?ならばっ!」
「フリーズ!」
一寸先も見えないほどの吹雪が俺の体にまとわりつく。
「その吹雪は、お前を凍らせるまで消えない。悪く思わないでくれ。」
そう言うと、男は場所に向かって歩き出した。
「一体何を凍らせた?」
俺はそう言うと、剣で男の胸を貫いた。男はガクっと膝から倒れ込んだ。
「…なぜ、魔法が効かないんだ。まるで何もなかった、ような…」
男は、血を吐きながら息絶えた。
「さぁ、なんでだろうね。俺もよく知らん。」
俺は、血濡れた剣を拭い、その場から立ち去った。




