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85 イヴリンからの依頼

 スティーブたちはクレーマン辺境伯の王都にあるタウンハウスに来ていた。

 辺境伯はおらず、イヴリンからの招待ということですんなりと中に案内される。門をくぐるとバラの咲き誇る手入れの行き届いた庭を通過して、屋敷の入り口に到着した。


「流石はクレーマン辺境伯のお屋敷ですね。全てが完璧に整えられています」


 クリスティーナはその完成度を素直にほめた。マッキントッシュ侯爵はいまでこそ侯爵となっているが、つい最近までは伯爵であり、その財力において辺境伯には遠く及ばないため、王都のタウンハウスはクレーマン辺境伯のものと比べると見劣りした。

 屋敷の入り口でイヴリンに出迎えられる。後ろにはスカーレットが控えているが、スティーブもスカーレットも初対面を装う。


「ようこそおいでくださいました。私のわがままを聞いてくださりありがとうございます」

「どういたしまして。それでどのようなご用件でしょうか」

「立ち話も申し訳ございませんので、どうぞ中にお入りください。今お茶も用意させましょう」


 そうしてスティーブたちはサロンに案内される。高級な調度品で囲まれた部屋に、スティーブは傷をつけたらどうなるだろうとドキドキしていた。

 お金のかかり具合としてはオーロラのところと変わりないのだが、慣れているオーロラのところと違って、なおかつクレーマン辺境伯にはよく思われてないのはわかっているので緊張していたのだ。

 椅子に座るとお茶が出てくる。なお、ナンシーとベラは護衛というていなので、椅子に座らず後ろに立っている。


「それでは、お呼びした理由をお話しさせていただきます」


 イヴリンはスティーブを呼んだ理由を話し始めた。


「現在東部ではハイス川が氾濫して大規模な洪水に見舞われております。父はその復旧作業を国に支援要請をせず、自力でやろうとしております。我が家の領地だけであればそれでもよいでしょうが、東部地域の多くの貴族が被害を被っており、父に支援要請を連日してきている状況です。そこにきて、クリプトメリア王国がイエロー帝国との合同軍事演習を国境沿いで行うというので、そちらにも軍を派遣して対応しなければならないことになりました。ここまできても、父は陛下に支援を要請しないのです。すでに東部地域では難民による治安の悪化がおこっております。この状況を解決できるのは、陛下を除いては閣下だけだとうかがいました」

「洪水の被害は聞いておりましたが、復旧作業が滞り、敵国の軍事演習まであるとは知りませんでした。私が助力するのもやぶさかではありませんが、クレーマン卿が許可をしますでしょうか」


 助力をするのも仕方がないかと思うあたり、やはりスティーブは人が良かった。これがオーロラであれば条件交渉からはいったであろう。

 そして、助力をするにあたり最大の障害であるクレーマン辺境伯のことを確認することになる。

 スティーブの質問に対してイヴリンは首を横に振った。


「これは全て私が勝手に動いていること。父は知りませんし許可もとっておりません」

「如何に援助とはいえ、他の貴族の領地に対して勝手な行いをすれば、僕も罰せられます。そこの許可が無い限りはこちらとしても何も手を出せませんが」

「父の許可は取りません。私が被害の出ている領地の領主を説得いたします。我がクレーマン家の領地に手を出さなければ問題はないでしょう」


 イヴリンは自ら東部地域の領主を説得するつもりであった。他の領主がどれくらいスティーブのことを嫌っているかはわからないが、背に腹は代えられない状況で援助を断るとは思えなかったのである。


「しかし、どうしてそこまでされるのでしょうか?」

「閣下、それは私もクレーマン家の人間だからです。東部地域を陛下から預かりながら、この状況を招いたことは許されないでしょう。天災だけならいざしらず、今の難民や軍事演習については人災の側面もあります。クレーマン家がもっとうまく対応していれば、このような状況にはなっていなかったはずです。これは償いですね」


 スティーブが見る限り、イヴリンが噓を言っている様子はなかった。それもそのはず、本心だからである。

 これなら受けようかなと思った時、クリスティーナがイヴリンに質問した。


「それで、閣下が動くのにあたりどのような報酬があるというのでしょうか?」


 その質問にイヴリンは困った顔をした。


「この後お話ししようと思いましたが、私が自由にできる金銭はございません。差し上げられるものといえば、この私の身ひとつ。それをいらぬと言われましたら、家の宝物庫からなにか持ち出さねばなりませんね」


 イヴリンにとっての最大の難関は、クレーマン辺境伯ではなくスティーブに支払う報酬であった。

 東部を救いたい思いはあっても、それに見合う報酬を何も持っていなかったのである。婚約者もいなくなった自分の身をささげるにしても、婚約者であるクリスティーナに加えて、二人の女性の護衛を連れているスティーブに、自分を要求するようなことがあるだろうかと悩んでいたのである。

 その申し出に反応したのはクリスティーナだった。


「イヴリン様の身を差し出されても困ります。クレーマン辺境伯令嬢に体を差し出させたという話が出回れば、閣下の品格を下げることになりますから」


 強い口調でクリスティーナが反対したのを見て、ベラとナンシーは笑いをこらえるのに必死だった。

 今の状況にイヴリンまで加わると、クリスティーナの心中穏やかでないのは明白。面白いことになってきたと思っていたのである。クリスティーナと違って、ベラとナンシーはスティーブがどこの女性と付き合おうが子供を作ろうが、それはそれでよいと思っているので、思考がクリスティーナとは違うのだ。

 そんな二人以外は困惑する。

 イヴリンもスカーレットもスティーブに支払う対価を持っていない。スティーブもクリスティーナがこう言っているし、そもそもイヴリンを貰うつもりもない。

 結局スティーブが出した答えは、報酬の保留だった。


「無理に今すぐ何かを貰うと決めなくてもいいかな。どれだけの東部貴族が僕の助力が必要なのかもわからないしね」

「ありがとうございます」


 イヴリンはスティーブの申し出にホッとした。

 やると決まったからにはすぐに動く。イヴリンに準備の時間を2時間だけ与えて、2時間後にはスティーブの転移の魔法で東部に移動することにした。

 どのみち戻りも転移なので大荷物はいらないが、動きやすい服装になってもらう必要はあった。

 その待ち時間を利用してスティーブたちはスチュアート公爵邸に出向いた。しばらくは忙しくなりそうなので、ダフニーにそのことを話しておこうというわけである。

 すでに何度も訪れているので、すぐにダフニーのところに案内された。

 子供をあやすダフニーは貴族としては珍しい。乳母に任せてしまう者が多いのだ。特に高位の貴族になればその傾向は強い。


「そうですか、しばらく東部に」

「そうですね。ナンシーだけでも残ればよいのですが、一緒に来るというものですから」

「我が居場所は旦那様の傍と決まっておりますゆえ。ただ、この可愛らしい赤子の顔をしばらく見れぬのは残念ですが」


 ナンシーも子供を見れば母性がくすぐられるようで、ダフニーの稽古をつけるために屋敷を訪れた時は、必ずダフニーの子供の顔も見て、時には抱いたりもしていた。


「東部の被害はかなりのもので、疫病も流行っていると聞きます。どうかお気を付けて」

「お気遣いありがとうございます」


 スティーブとダフニーが会話をしている間、ナンシーは子供を見ていた。子供に興味を示さないベラとは対照的である。

 最後は名残惜しそうにするナンシーだったので、スティーブは先にクリスティーナをアーチボルト領に送り届けてから、再びナンシーを迎えに来ることで少し時間をつくった。


 そして時間が来たのでイヴリンを迎えに再びクレーマン辺境伯の屋敷へと移動した。そこではスカートからパンツルックに着替えたイヴリンがスカーレットとともに待っていた。


「それでは行きましょうか。まずはどこにしましょう?」

「最初はグリフィス子爵の領地でお願いします。グリフィス子爵の領地はハイス川が決壊した場所ですので、そこの堤防を修理して水の流れを止めたいと思います」

「わかりました。それでは行きますよ。慣れるまでは気分が悪くなるかもしれません。遠慮なく言ってください」


 スティーブは国王の命令で国内を転移できるように、各地を巡っていた。なので、グリフィス子爵の領地へは直接転移することが出来る。ただ、転移先が水の中の可能性もあるので、先にスティーブだけが転移して確認をし、安全な場所へイヴリンたちを転移させるという方法になる。

 グリフィス子爵の居城は水没を免れており、スティーブはそこにイヴリンたちを転移させた。

 門番は治安の悪化からかなりピリピリしており、近寄るスティーブたちを警戒した。


「何者だ」

「クレーマン辺境伯の娘、イヴリンが来たと子爵に告げなさい」

「辺境伯令嬢でありますか。しかし、馬車もなくこの災害の中徒歩で来たというのを信じられませんが」


 門番はイヴリンが本物であるかを疑っていた。

 辺境伯令嬢が女性と子供だけを連れて、馬車も無しで大洪水の中を子爵の居城を訪れたなど、信じられるものではなかった。しかし、これが本当に辺境伯令嬢だった場合大問題になるので、確認もせずに追い返すわけにもいかない。


「大変失礼ではありますが、身分を確認できるまではここでお待ちください」


 結果、門の前で待たせることにして、一人が子爵のところに走った。子爵は城内で復旧作業の命令に追われていた。そこに門番が報告に来る。


「閣下、城門にクレーマン辺境伯令嬢と名乗る女性がみえております」

「イヴリン様が?クレーマン閣下ではなくか」

「はい。しかし、本人と確認できるものが無く、閣下のご指示を仰ぐためにご報告にまいりました」

「馬車に紋章が描いてあるだろうが」

「それが馬車ではないのです」

「怪しいな。従者はいたか?」

「女と子供がおりました」

「それだけか?」

「はい」


 グリフィス子爵はその情報をもとに黙考する。クレーマン辺境伯ともなれば、多数の魔法使いを抱えている。男の兵士よりも女の魔法使いの方が強いこともあるだろう。それに、転移の魔法使いの存在も知っている。それをクレーマン辺境伯が抱えているかはわからないが、辺境伯ともなればその可能性は高い。

 だが、辺境伯本人ではなく令嬢が来るというのが解せなかった。


「会ってみるか」

「城内に招き入れますか」

「そうしろ。偽物である可能性もあるが、本人であった場合問題となる。まあ、この状況で何もしてくれぬ辺境伯に忠誠もなにもないがな」

「聞かなかったことにしておきます」


 グリフィス子爵もクレーマン辺境伯の対応には我慢の限界であり、いよいよ陛下に直訴するしかないかと思っていたところである。

 今更イヴリン本人が来訪したところで、ぞんざいに扱うのもありだなと思っていた。

 こうして、イヴリンとスティーブたちは城内に案内され、グリフィス子爵と面会することになった。

 グリフィス子爵はイヴリンを見て驚く。イヴリンが本人であることもそうだが、一緒にいるのが竜頭勲章アーチボルトだったのである。

 クレーマン辺境伯が毛嫌いしていた竜頭勲章と娘のイヴリンの取り合わせに、何が何だかわからなかったのである。


「ようこそおいでくださいました。イヴリン様。それに、後ろにおられるのはアーチボルト閣下ではございませんか」

「ごきげんよう、子爵。そのとおり、アーチボルト閣下をお連れいたしました」

「どのようなご用件でしょうか。あいにくと災害の対応で暇ではないのですが」


 グリフィス子爵の言い方には棘があった。それはイヴリンもスティーブも感じる。


「ええ、子爵の窮状はうかがっておりますので、こうしてアーチボルト閣下をお連れして、復旧作業を手伝っていただこうというのです」

「閣下にですか」

「はい」

「それは、クレーマン閣下も承知していることでしょうか?」


 グリフィス子爵の質問に、イヴリンはとびっきりの笑顔でこたえる。


「子爵、父にそのような度量があるとお思いですか?」

「いえ」


 イヴリンにおされて否定の言葉を口にしたグリフィス子爵は後悔した。クレーマン辺境伯のことを悪く言ったのを娘であるイヴリンとスティーブに聞かれてしまったのである。


「あ、閣下を批判する気持ちはないのですが」


 慌てて取り繕うグリフィス子爵に対し、イヴリンは笑顔を崩さない。


「別に隠さずともよいのです。今の東部の惨状は父の狭量ゆえに起きた人災。頭を下げることのできぬ父に代わって、私がアーチボルト閣下に頭を下げてこうしてお越しいただいたのです。父はこのことを知りません。それでそれを知ってもアーチボルト閣下にご助力を願いますか?」


 グリフィス子爵はそう訊かれて即答できなかった。今子爵の脳内は高回転で動いている。イヴリンがどこまで本気なのかわからないし、ここで竜頭勲章に借りを作ったのがクレーマン辺境伯の耳に入った時にどうなるかわからない。

 しかし、背に腹は代えられない事情もある。何が最良の選択肢であるかを高速でシミュレートしていたのであった。

 そして、出た答えは


「お願いいたします。もはや我が自力ではどうにもできぬ状況。明日にも陛下への直訴に動こうと思っていた次第。後々クレーマン辺境伯には恨まれることになりましょうが、その時はその時」


 というものだった。何度も支援を要請したのにもかかわらず、なしのつぶてであるクレーマン辺境伯に見切りをつけ、手を差し伸べてくれたイヴリンの手を掴んだのである。

 そして、スティーブとは実際に握手をする。


「微力ながらお手伝いします」

「私は閣下のことを敵視したりはしておりません。ただ、クレーマン辺境伯の手前どうしても」

「ああ、そうしたことは気にしていませんよ」


 過去のわだかまりについてグリフィス子爵が言い訳をしようとしたが、スティーブはそれを止めた。別に怒っているわけではないので、謝罪や言い訳の言葉はいらなかったのである。


「それで、まずはハイス川の堤防を塞いで来ようと思います。その間に、地図を用意して復旧させる町や村の順番を決めておいてください」

「承知いたしました。閣下」


 スティーブは直ぐに鳥を使役して崩れた堤防を探す。そして、そこに転移して土魔法で土手を作り直した。これにより新たな水の流出は止まる。すでに雨は止んでおり、上流からの水量もこれ以上増えることはないが、念のため周囲の堤防を以前よりも高くしておく。

 ただ、ここを高くすることで、他の場所が決壊しやすくなるのだが、残念なことにスティーブにはその知識がなかった。幸いにして、これ以上の追加の決壊は起こらなかったのだが。

 水が本来の川の流れに戻ったことを確認したスティーブは、すぐにグリフィス子爵の居城に戻る。


「堤防は修復できました。次はどこを?」

「こんなに早くでございますか」


 グリフィス子爵はスティーブのあまりの速さに驚く。

 何週間もクレーマン辺境伯にお願いしていながら、何もしてくれなかったことが1時間もかからずに解決したのである。改めて、自分が敵対しようとしていた竜頭勲章の実力を知り後悔したのだった。


「我が領地には四つの町と十の村があります。五つの村は壊滅状態で家も流されてしまい、領民は町へと移動してきました。なので、町からこの順番にお願いしたいのですが」


 グリフィス子爵は比較的被害の少ない町から、順番に仮設住宅の建設を依頼した。そこでスティーブは気になったことを訊ねる。


「子爵、疫病についてはどうかな」

「そちらは把握できておりません。ただ、調子の悪い者たちは一か所に集めて隔離しております」

「まあ、それくらいしかないか。子爵も一緒に来てもらいましょう。僕が説明するよりも早いでしょうから」

「承知いたしました」


 例にもれず疫病も発生しており、そちらも解決しなければとスティーブは考えた。

 町の場所はわかっても、隔離している場所もわからないし、スティーブが訪れたとしても、町を管理する兵士たちは怪訝に思うことだろうと考え、グリフィス子爵を一緒に連れていくことにした。

 最初の町に到着すると、グリフィス子爵は警備をしていた兵士に、病人の隔離場所に連れて行くように命令をする。


「病人はどこか?」

「あちらの町はずれに隔離しております。全員を焼くのですか?」


 突然の子爵の来訪と命令に、兵士は緊張した。


「そんなことをするか!」


 グリフィス子爵は兵士をどなった。


「申し訳ございません。薬もなくこれ以上の病の蔓延を防ぐためにも、焼いてしまうのかと思いました」


 謝りながらも兵士はホッとした。見知った顔もいるので、焼き殺せと命令を受けたらどうしようと思っていたのである。


「アーチボルト閣下が治療をしてくださるのだ」

「あの、竜頭勲章のですか?」

「そうだ。こちらにおわすお方が閣下だ」


 グリフィス子爵に紹介されたのは子供だった。兵士は訝しむが、よくよく考えてみれば竜頭勲章閣下は子供だということ。この状況で子爵が自分をかつぐわけもないので、目の前の子供がアーチボルト閣下なのだと信じた。


「失礼いたしました、閣下。ご案内いたします」


 そうして兵士に案内され、隔離場所に行く。病人はみな地面に寝そべっているだけだ。毛布も足りないので仕方がないが、これでは健康な人間も死んでしまいそうな状況だった。

 スティーブは治癒魔法を使って全員を治療する。病だけではなく怪我まで治ったことに人々は驚いた。ただし、体力が回復するわけではないので、いきなり元気に動けるようになるわけではない。それを兵士に説明して、仮設住宅の建設予定地に向かう。

 グリフィス子爵が指定したのは町の外の平野部だった。

 そこでスティーブは土魔法を使って家を建てた。入口と窓は空いたままであるが、それでも風雨に直接さらされるよりはましである。百棟作ったところで次の町へと転移することにした。

 こうして夜までかかってしまったが、その日のうちにグリフィス子爵領では病人の治療と仮設住宅の建設が完了したのだった。

 最後にスティーブは氾濫した川の水を収納魔法で片付けようとしたが、流石に魔力が足りずにそれは諦めることになり、グリフィス子爵には翌日からまた治療と仮設以外の復旧作業をすると伝える。


「今夜はお泊りください。この災害でたいしたおもてなしもできませんが」

「いえ。流石に未婚の貴族令嬢が外泊したとなると問題になりますから、僕がイヴリン嬢をお送りして、明日また一緒にこちらにうかがいます。明日は整地などを行いますので」


 その申し出にグリフィス子爵は少し考える。


「我が領は病気の治療と仮設住宅の建設、それに堤防の修復が終わりました。あとは時間がかかったとしても我々でなんとかなることでしょう。しかし、テニトン男爵や他の貴族の領地はそうではありません。治療と仮設住宅の建設は急務です。どうかそちらを優先してください。そうだ、明日は私も同行いたしましょう。他の貴族を説得するときにお役に立てるかと思います」


 グリフィス子爵は自分の領地はもういいので、他の貴族の領地の支援をお願いしてきた。イヴリンもそれに納得し、スティーブに別の貴族のところに行こうとお願いする。


「わかりました。治療と仮設住宅の建設を優先していきましょう」


 こうして東部の支援が開始したのである。


いつも誤字報告ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] これ へたすると グリフィス子爵が東部の旗頭になることもありそう だれだって窮状ほっておく貴族よりも 助力してくれる貴族を頭にかつぎたいよねぇ
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