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39 幻惑

 スティーブは王都にいる間、王立研究所の研究を見るのが主な予定だったが、本日はオリヴァーに頼まれて騎士団の訓練に参加していた。近衛騎士団だけではなく、他の騎士団からも選抜されたメンバーが参加している。

 従来の指導、訓練では感覚的なものが多かったが、スティーブの作業標準書の魔法であれば、作業の急所が明確に指示される。それを指導に活かすと覚えが早いのだ。

 作業標準書では急所という項目が設定されていることが多い。これは例えばねじを締める工程において、ドライバーでねじを締めるというのが作業であり、急所としてはねじの頭の高さが既定のところまで下がっているというのが急所となる。

 締めた行為に対して、あるべき状態を示すのが急所。剣を振るう作業にしても、単に腕を上下させるだけでは相手を倒すという事は出来ない。相手に当てる剣の角度や、そこに至るまでの関節の動かし方など、ダメージを与えるための急所は多いのだ。

 そして、それを感覚で理解するには時間が掛かる。時には理解する前に相手に倒されることもある。そこを補うのが作業標準書であった。

 指導を待つ騎士たちが、指導を受けている騎士を見ながら話をする。


「子供が竜翼勲章を受勲と言っていたから、どうせ作り話だと思っていたが、実物をみたら功績も事実だとわかったな」

「ああ。ぶっ通しで指導を続けていられる体力。近衛騎士団長と同等の剣技。それに加えて魔法使いだろ。年齢なんか関係ないな。戦場で会ったら間違いなくなめてかかって、一撃で殺されている」


 貴族もそうであったが、騎士たちもスティーブの竜翼勲章の功績を疑っていた。しかし、実際に指導を受けてみて、そのすごさがわかった。最初はスティーブのことをなめており、まともに言う事をきかなそうにしていたので、スティーブが敢えて模擬戦の訓練から始めた。

 スティーブの実力を知っている近衛騎士団は後回しにされ、他の騎士団から参加している騎士たちが次々と挑んでいったが、全てスティーブに返り討ちにされたのである。そして、それは何人続けてもスティーブに疲れが見えなかった。

 実際にはスティーブは疲れないわけではない。作業標準書の魔法は疲れていても同じ動作をさせてくれるので、動きが鈍くなるようなことが無かっただけであった。

 結局、誰一人としてスティーブに勝つことが出来ず、それ以降は素直に指導を受けるようになった。そして、その指導により動きが見違えるほど良くなる。ただ、そうであっても神速の剣が使える者は出てこなかった。やり方を聞いたからといって、即座に出来るようなものでもない。

 そこの事について安堵する者がひとり。ダフニーである。

 彼女もこの訓練に参加しており、スティーブの指導を受けていた。その中で、神速の剣について騎士に訊かれ、使い方を説明するのを見て、誰かが使えるようになったらどうしようという後ろ向きな考えを持っていた。

 そして、誰も新たに使えるようにならなかったことに安堵したというわけだ。

 そんなダフニーの隣に父であるオリヴァーがやって来た。


「誰かしらが神速の剣を使えるようになるかと思っていたが、そうでもなかったな」


 残念そうな口ぶりではあったが、こちらも本心では追い付かれることが無くて良かったと思っていた。


「まだまだ引退は先という事でしょうか?」

「そうなるなあ。引退する時は誰かに倒された時と決めている」

「では、竜翼勲章殿にその座を譲るのが筋でしょう」

「まあそうなんだが、領地貴族の跡取りとなると難しいな。それに、近衛騎士団長だけに収まるような小さな器ではない」

「全ての騎士たちが目標とする近衛騎士団長が小さな器だというのは、いささか例えが不適切ではありませんか」


 ダフニーは父の例えに文句を言うが、ダフニー自身もスティーブにとっては近衛騎士団長だけでは小さすぎると思っていた。王立研究所もずっとスティーブを狙っており、国王にその招聘を打診していた。

 国王としても、領地の改革をしているその手腕を取り込みたくはあったが、貧弱な土地を与えた負い目から、黒字化が見えてきたアーチボルト領からスティーブを抜くことを躊躇っていた。これがソーウェル辺境伯など領地経営が安定している貴族の息子であれば、そして跡取り息子でなければ強く招聘に動いていた事であろう。


「訂正するつもりはない。間違っているとも思ってないしな。逆に、お前の評価が低いことに驚いたぞ」


 と、驚いてもいないのに、オリヴァーはそう言って娘を見た。


「私の発言も建前です。かの少年には、いや、竜翼勲章殿の大きさは十分承知しております。それに、私が近衛騎士団長になりたいと言えば、きっと争う事無く譲ってくれることも」


 娘の発言にオリヴァーは目を丸くした。


「つまりは、結婚をせずに近衛騎士団長を目指すというわけか」


 オリヴァーも娘が結婚か近衛騎士団長の道かで悩んでいるのは知っていた。そして、親の七光りで近衛騎士団長の座を譲ることも出来ないので、並々ならぬ努力を必要とすることも。

 なれるかどうかわからぬ近衛騎士団長を目指すよりも、女としての幸せのため結婚をしてくれたらと考えていたのである。

 ただ、女としての幸せというのはオリヴァーの勝手な考え、カスケード王国に蔓延する男の標準的な考えであり、結婚する事が女として本当に幸せなわけではない。

 また、公爵家へ嫁げるのだから、ダフニーも当然結婚を承知すると思っていたのである。


「いえ、そうではありません。結婚はしますが、近衛騎士団長を諦める訳でもないということです。両立させる方法はどこかにあるのではないでしょうか」

「いや、それは無理だろう。お前はもっと近衛騎士団長という重責をわかっていると思ったが」

「わかっております。そして、どちらかを諦めなければならないと思い、竜翼勲章殿に相談をしたところ、結婚して尚且つ近衛騎士団長にもなる道を探すようにと言われました」


 ダフニーはそう言ってフッと笑った。


「そんな事が可能なのか?」

「法律上は問題ないと。法律上の問題があれば、そこから解決しなければなりませんから」

「それは、男がなるものであるという暗黙の了解みたいなものがあるからだ。お前なら例外的になれるかもしれないとは思っていたが。しかし、結婚して子を産み育てるとなれば、相手の家もあること」

「その程度、法律を変えるのに比べたら些細な事と気づかされました。なんにしても、男性社会に女性初として乗り込むには並大抵ではないのですが、あの方と話をしていると何とかなる気がしてくるのです」


 娘の言葉に恋心のようなものを感じたオリヴァーは不安になる。これから結婚しようという娘が、結婚相手以外に並々ならぬ好意を寄せていて、問題にならなければと願うのだった。

 訓練が終わると、ダフニーがスティーブを追加の訓練に誘う。


「出来れば結婚前に近衛騎士団長に勝つような実績を作っておきたいのですが、この後訓練に付き合っていただけますでしょうか?」

「それは構いませんが、一度家に戻りませんと色々と心配する人達がいるので。一緒に家に行きませんか。そこで続きをしましょう」


 スティーブはオーロラに警告されていたので、ダフニーと二人きりになるのを避けたかった。この場で居残り訓練をした場合、二人きりになってしまい、あらぬ噂が流れても困るという思いから、一度家に帰るという理由を作ったのだ。

 なお、スティーブならば転移で一瞬で帰宅できるので、それで居残り訓練をすると伝えれば済む話であるが、ダフニーはそこまでの事は考えつかなかった。


「では行きましょうか」


 スティーブがそう言ったところで、魔力の発動を感じた。

 ダフニーは行きましょうかと言ってくれたスティーブに抱きつくと、泣き出した。


「本当は結婚なんかしたくないんです。どうか、私を娶るとおっしゃってください。スティーブ様がそうおっしゃるのであれば、アルフレッド様も私のことを諦めることでしょう。スティーブ様の元であれば、子供がいようが近衛騎士団長になれる気がするのです。いいえ、それ以上に私が貴方をお慕いしております」


 突然の告白に、スティーブは驚く事無くダフニーを優しく抱きしめた。筋肉が発達したダフニーの体は硬く、クリスティーナを抱きしめた時のような柔らかさは無かったが、とても温かかった。

 スティーブがダフニーのぬくもりを感じた直後、二人の首筋にナイフが突き立てられる。刺したのは若い女だった。彼女は引き抜いて血の付いたナイフを見て笑う。


「ふふふ。二人抱き合った状態で死亡しているのが確認されたら、どんなことになるのかしら。これでイヴリン様の婚約破棄も取り消しでしょうね。それにしても、竜翼勲章というからどんなに強いのかと思ったけれど、私の幻惑の魔法にかかればこの程度」


 彼女の名前はスカーレット・クレーマン。クレーマン辺境伯の抱える魔法使いであり、彼の娘のイヴリンの従姉妹。

 クレーマン辺境伯の分家であったため、魔法適性検査を受けることが出来た。そこで判明したのは幻惑の魔法使い。相手に意図した幻覚を見せて隙を作り暗殺するのが主な仕事だった。


「王宮で魔法を使って暗殺をしたのがばれたら辺境伯様にも迷惑がかかるし、またイヴリン様の婚約が流れても困るから、私ももうあのお屋敷に帰る事は出来ないけど、これからもずっとイヴリンのことを見守っていてあげる」


 そう言うと、現場から姿を消した。

 スカーレットは王宮から出たその足で、自分の部屋で最低限の荷物をまとめると直ぐに出た。行き先は決めていないが、今夜泊まるための宿を探さねばと思い、宿場が集まる地区を目指す。

 頭の中はアルフレッドとの結婚が決まって幸せそうに笑うイヴリンのことでいっぱいだった。

 イヴリンは親同士の決めた婚約であったが、アルフレッドに対して好意を抱いていた。なので、アルフレッドとの結婚は政略結婚でもあるが、イヴリンにしてみれば恋愛結婚でもあったのだ。

 それが突然、アルフレッドがダフニーと結婚したいと言い出して流れてしまった。毎日涙を流すイヴリンを見て、スカーレットはダフニーを排除する決意をしたのである。

 そして、出来ればダフニーの死に様は、他の男とのスキャンダルがあることで、アルフレッドも諦めがつくだろうと考えて、スティーブと一緒にいる時を狙ったという訳である。

 勿論、そんな理由で登城許可などおりるわけもなく、幻惑の魔法で門番をやり過ごしたのだった。


 目的は達成したと高揚するスカーレット。そんなスカーレットの目の前に、殺したはずのスティーブが現れる。


「背景はわかりました。クレーマン辺境伯の送ってきた刺客ではなくて、貴女の単独での犯行だったという訳ですね」


 スティーブはとびっきりの笑顔でスカーレットに話しかける。

 スティーブの登場にスカーレットはたじろいだ。


「馬鹿な、首にナイフを突き立てたはず。今まで相手の命を奪ってきたのと同じ感覚が手に伝わって来た。生きているはずがない!」

「それが現実ならばですね。これは貴女の見ている夢です。幻惑の魔法って感覚も再現できるんですね」

「これが幻惑の魔法だというのか」


 スカーレットは激しく動揺した。自分の幻惑の魔法で相手に幻を見せていると思っていたが、それが幻だというのだ。

 そして、相手も幻惑の魔法が使えるという事。事前の情報では測定の魔法を使えて、身体能力が近衛騎士団長並というくらいであった。幻惑の魔法を使えるなどという情報など無かったのである。

 なので、まさか自分の得意とする魔法で窮地に立たされるなどとは夢にも思っていなかった。


「無警戒の状態でなんでも喋ってしまうし、攻撃に対しても無警戒となる。使い様によっては最強になるかもしれませんねえ」

「そうだ。私はこの魔法で認められた。そして、イヴリン様のために全ての敵を排除してきた。今回についてもそうだ!」

「まあ、それもこうして阻止されたという訳ですが。これで諦めてくれるのであれば、このことは僕の胸の中だけにしまっておきましょう」


 スティーブの提案にスカーレットは疑問を感じた。


「それがお前に何のメリットがあるというのだ?」

「僕としてもダフニーの結婚に瑕をつけたくないのですよ」

「断ると言ったら?」

「貴女の罪を公にします。そうなればクレーマン辺境伯の責任も免れず、イヴリン様にも話が及びましょう。そして彼女は貴女を失った悲しみも背負うわけです」


 スティーブの言う事は現実味があった。スカーレットがどんなに単独犯であると主張しても、クレーマン辺境伯の指示があったと疑う者が出るのは確実。なにせ、公爵家との婚姻ともなれば、辺境伯に大きな利益がある。


「お前を女のついでに殺そうと思っていたが、ついでではなく殺したくなった」


 スカーレットが殺意のこもった目でスティーブを睨む。


「それは無理でしょう。最初にあなたの魔法にレジストした段階で勝負は見えています。貴女の魔法は僕には効かないし、身体能力も及ばない。大人しく引いてくれませんかね」


 スティーブは訓練中からスカーレットの殺意を感じていた。勿論これも作業標準書によるもの。オリヴァーが持つ危険察知能力を使ったものだ。

 なお、オリヴァーが殺気を感じ取れなかったのは、向けられているのがダフニーとスティーブであり、そこがスティーブとの差であった。

 そして、殺気を感じ取っていたスティーブは攻撃を受ける準備をしていたという訳である。自分に向けられた幻惑の魔法は、レジストするのと同時に作業標準書で記録。即座にスカーレットに対して幻惑の魔法を使ったという訳である。

 なお、ダフニーはいまだに幻惑の魔法の効果を受けており、彼女の夢の中にいる。

 そして、スカーレットも王宮の中で幻を見ているのだ。

 そんな夢の中でスカーレットはスティーブに敗北を認めた。


「イヴリン様を人質に取られては何も出来ぬ。諦めよう。しかし、そうまでして彼女の結婚を守ろうとするのは何故だ?好意からか?」

「弟子だからっていう理由ですかね。技術だけではなく、その人生にも責任を持つべきだというのが我が師の教えだということです」


 スティーブの頭には前世の父親の姿があった。社員に対して仕事の指導だけではなく、人としての生き方を教え、その人生にも責任を負う。経営が苦しくても賞与をなんとか出そうとしていたのも、そういった考えがあってのことだった。


「たいした人格者だな。子供とは思えないほどにしっかりしている。イヴリン様もお前のような人物を好きになれば良いものを」

「僕がどうかというのは置いといて、相手の軽さはお灸を据えないととは思いますね。ダフニーを悲しませるような事があれば、きっちりとけじめをつけるつもりです。幻惑の魔法も使えるようになったことですし」

「そうであれば、アルフレッド・ジス・スチュアートの監視は任せた。それで、そろそろ魔法を解いてほしいのだが」

「わかりました」


 スティーブは幻惑の魔法を解除すると、スカーレットを先ほどの幻で見せていた部屋に転移させる。幻惑の魔法で見た景色でも、実際の場所ならば転移出来る事がわかったのだ。

 突然自分の部屋に戻ったスカーレットは驚いてスティーブに訊ねる。


「これは。これも幻惑の魔法か?」

「いいえ、これは現実です。貴女の部屋ですよ。レディーの部屋にノックもなく入ったことはお詫び申し上げますが、誰かに見られたら面倒なのはお互い様でしょう」

「竜翼勲章は伊達ではないということか。最初から敵わぬ相手であったな」

「理解していただけたようで。約束は必ず守ってもらいますからね」

「私とてイヴリン様を巻き込むのは不本意。これ以上は手出しはせぬよ」


 スカーレットがそう約束してくれたので、スティーブは元の王宮に戻った。

 そこでダフニーの魔法を解除する。スカーレットよりも魔力が多いスティーブが、魔法を打ち消すために幻惑の魔法を重ね掛けしたのだ。そして、スティーブの魔法が上書きされたところで効果を解除するという流れだ。


「あれ?」


 ダフニーは先ほどまで見ていた幻と、自分とスティーブの位置が違った事に吃驚した。


「どうやら疲れて寝ていたようですね」

「あ、これはお恥ずかしいところをお見せいたしました」


 慌てて威儀を正すダフニー。見ていた夢が夢だけに、顔を真っ赤にしてスティーブを直視出来なかった。

 そんなダフニーをスティーブは微笑ましく見ると、馬車に誘った。


「うちの馬車が待たせてありますので、それで一緒に家までいきましょうか」

「はい」


 ダフニーはスティーブの後ろを歩き、馬車の待機場所へと向かう。

 そこに止まっていた馬車の窓は鏡となっており、覗き込んだダフニーの顔を映した。


「どうしてこの窓は鏡となっているのでしょうか?」

「それは乗ればわかりますよ」


 スティーブに促されてダフニーは馬車に乗った。すると、先ほど鏡だと思っていた窓は、中から外の景色が見えた。


「外が見えます!」

「これはマジックミラーといって、片方からは反対側が見えるけど、もう片方からは鏡として見えなくなるというものなんですよ。これを王立研究所を通して陛下に献上する事で、女性騎士の引退についての慣習を無効にしてもらいました。今までのように結婚したら引退というのはもうありません」


 ダフニーはスティーブがしてくれたことを理解した。マジックミラーというものを献上した褒美として、ダフニーの引退を無しにしてくれたのである。

 しかし、それは本来多額の報奨金を得られるはずのことを、自分の為に使ってもらって台無しにしたという事だった。

 ダフニーは事の重大さに気づいて慌ててスティーブの顔を見た。


「このマジックアイテムの献上ならば、どれほどの金子を受け取れたことか」


 そう言われたスティーブは笑顔で返す。


「幸いにして、お金には困ってないですからね。それに、女性への偏見をなくすことが出来るのであれば、それは僕にとってもメリットがあります。うちの領は人手不足で女性も多数雇用していますが、伝統を重んじる貴族からは疎まれていますからね。そうした偏見による衝突が無くなるなら、十分じゃないですか」


 そう言われると、ダフニーは再びスティーブが自分を娶ってくれたらと口にしたくなった。しかし、スティーブには既に婚約者もおり、それを口にすると迷惑をかける事もわかっていた。

 そこでベラのことを思い出す。

 結婚や子をもうけることだけが愛ではないと。自分に出来る事は、スティーブが目指す女性への偏見のない社会の創造のシンボルとなる事。スチュアート公爵家に嫁いで尚、近衛騎士団長になる事で、女性が結婚後に仕事を諦めなくてよいという道標になる事だ。そう思って、口から出かかった言葉をなんとか呑み込んだ。

 一方、スティーブはダフニーのマジックアイテムという発言を訂正する。


「確かに名前はマジックミラーで、魔法で作ったものですが、原理としては科学であり、魔法無しでもそのうち再現できるはずなんですよね。だからこそ、王立研究所に報告をしているわけで。まあ、こいつの使い方は、相手の隠れた本心を聞き出すためのものなので、自分には使われたくはないですがね」

「隠している本心を覗かれるなど、ごめんこうむりたいですね」


 ダフニーはスティーブに笑顔を向けた。

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― 新着の感想 ―
[一言] おほー、姉に良識も常識も無い。導入なんだろうけどクズいなぁ。これで険悪にならないという自信があるのかぁ。 なまじっかチートや放出技術が現代味を感じるから宜で一歩引いた分に二歩も三歩も要求…
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