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104 帝城にて

 スティーブとセシリーとダフニーは、セシリーの魔法で帝都に侵入していた。いきなり帝城には入らず、帝城の外から中の様子を偵察する。

 昼間であるので人通りの多い路地を避けて、帝城に近い皇太子が所有していた建物の倉庫に隠れ、いつものように鳥や小動物、虫を使って城中の様子をうかがう。そこは非常におちついていた。

 東部軍区での敗北はまだ帝都まで伝わっておらず、また、帝都ではレナードに敵対する勢力が無くなっており、警戒を強化する理由がなかったのである。

 使役するネズミがある程度帝城の奥まで行ったとき、感覚共有が途切れた。


「あれ、死んだわけでもないのに視界が共有できなくなった」

「おそらくは偵察を阻止するための結界かと」


 セシリーによれば、帝城にはそうした仕掛けがあっても不思議ではないとのこと。スティーブは試しにと別のネズミを使って同じ場所を通過させてみたが、やはり同じところで視界の共有が途切れた。


「魔法も使えないのかな?」

「いえ、それでは陛下の護衛が出来ませんので、感覚共有の阻害だけだと思います。城内で魔法を使ったところを見たことがありますので」

「なるほどね。それなら問題なさそうだけど、今のでこちらの偵察が察知されちゃったかな?」


 上空を飛行する鷹の目からは、城内が慌ただしくなったのが見えていた。

 ダフニーはスティーブの顔を見る。


「どうされますか?」

「行くしかないんだけど、相手が待ち構えているから正面から行くのは避けたいねえ。いつもみたいに隠れている兵士を探すことが出来ないから、直接皇帝の前に転移したいんだけど」


 今度はスティーブがセシリーの顔を見た。


「居場所はいくつか想定出来ますが、特定できないとなるとしらみつぶしですね」

「効率が悪いけど仕方ないか」


 スティーブの得意の作戦である、相手を先に把握しておき魔法で拘束して無力化するのが出来ないため、力押しするしかなかった。


「他に何かあるのではないですか?」


 セシリーにそう訊かれて、スティーブの眉間にしわが寄った。


「魔法で上空に鉄鋼を作り出して、それを雨のように帝城に降らせるってのもあるけど、被害は大きくなるね。それに、がれきの中から目的を探すのも大変になるし」


 以前からスティーブが考えてはいたが実行していない作戦だった。H形鋼のような重量物を空から雨のように落として、敵の陣地を破壊するというものだが、無差別に人が死ぬので実行にはうつしていなかった。城内には非戦闘員もおり、彼らを巻き込むつもりはなかったのである。

 がれきの中から目的の人物を探すというのはたんなる言い訳で、大量に人が死ぬのを避けたかっただけである。

 スティーブの話を聞いたダフニーは、それが陽動に使えることを思い付く。


「人がいないところにその鉄鋼を落として、注意をそちらに向ければ城内の警備も手薄になるのではないでしょうか?」

「ああ、それはいいかもね。鷹の目で人がいないところを見つけて、そこに転移して鉄鋼を降らせる。そして注意がそちらに向いた隙に城内に侵入しようか」

「はい」


 ダフニーはスティーブに自分の意見が採用されてうれしくなった。

 セシリーと違って城内のことには詳しくなく、一緒に来たもののセシリーと比較されるのではないかと心配していたので、役に立つ提案が出来たことでその不安が消えたのだった。

 方針が決まれば、即実行となる。スティーブによる支援魔法をかけたうえで、城壁の上に転移した。


「いくよ」


 そう言ってスティーブが指先に魔力を集めると、巨大なH形鋼が中空に出現した。それは直ぐに重力によって落下し、地面に当たって地響きを発生させる。

 それを見届ける間もなく、セシリーが三人を城内へと転移させた。場所は謁見の間である。広い体育館のような部屋であり、そこには三人の来襲をわかっていたかのように大勢の兵士たちがいた。

 一段高くなった場所には椅子があり、そこに腰かけてスティーブたちを見下ろす人物がいる。その隣にも騎士がいた。

 それを見てセシリーが


「あれがレナードです。隣がエース・オブ・ワンド」


 とスティーブに教えた。


「一発で当たりを引くとはついているね」

「大勢で護衛するとなればここが最適ですからね」


 そう会話をしながらも、スティーブは兵士たちを魔法で作った鉄の鎖で拘束していく。その魔法の鎖で動けなくなったのは全員ではなかった。鎖に反応してすぐに回避したのはレナードとサイラス、他には虎と熊の獣人だった。

 虎と熊の出現にスティーブは驚く。


「動物園?」

「いえ、あれは虎がキング・オブ・ワンドで熊がクィーン・オブ・ワンドです。魔法で獣人に変身して戦闘力を上げることができます」


 キング・オブ・ワンドとクィーン・オブ・ワンドの使う魔法は獣人化であった。人間の知性を持ったまま、動物の身体能力を手に入れるというものである。

 虎も熊も人間が敵うような相手ではないが、スティーブたちも身体能力を強化していた。

 セシリーに襲い掛かる虎であったが、一撃のもとに切り伏せられて、前足と首が体から離れた。それを見ても熊は止まらず、こちらはダフニーに襲い掛かる。

 しかし、こちらもダフニーの神速の剣で頭と胴が別れることになった。

 スティーブの意識がそちらに向いたことで、鎖による攻撃がとまりレナードは話す余裕が出来た。


「強いな。流石はエース・オブ・チャリスといったところか。こちらの配下になるなら帝国の半分をくれてやるがどうだ?」


 レナードはセシリーを懐柔しようと条件を提示した。

 だが、セシリーはそれを断る。


「逆賊に貸す耳は持たぬ。戴冠目前の皇太子殿下を弑逆して帝位を簒奪した者の言葉など、どうして信じられようか」

「それは残念だ。では、そちらの二人はどうかな?」


 レナードはスティーブとダフニーを見た。

 スティーブは肩をすくめてその提案を蹴る。


「千人程度も満足に統治出来ないのに、帝国の半分をもらったところで手にあまります」

「残念であるな。ところで名を聞いておらぬが」

「スティーブ・アーチボルト。はじめまして、皇帝陛下」


 その名前を聞いてレナードは納得した。


「城内に魔法で操られた動物が侵入したと思ったが、貴君が来たのなら納得だ。護衛のために集めた精鋭も意味がなかったな」


 レナードもスティーブのことは知っていた。帝国が将来カスケード王国と戦うにあたり、一番の障害となるのはわかっていたので、その情報を集めさせているところであった。


「今頃は東部軍区で我が軍と戦っているころだと思っていたが、そちらを通り過ぎて直接ここを狙ってきたか」

「いや、そちらは既に終わっている」

「欺瞞か?」


 レナードはスティーブを睨んだ。


「嘘だと思うなら確認してみるといい。今すぐに出来るのならばだけど」


 レナードはスティーブの様子から嘘をついているという確証を得ることは出来なかった。いままで多くの人物と会話をする機会があり、散々嘘を見抜いてきたレナードであったが、今回はそれが嘘だという様子がなかったのである。


「今ここで確認するべきことでもないな。貴様を倒してからゆっくりと確認するとしよう」

「できるとでも?」

「出来るだろう。なあ、サイラス」


 レナードにそう言われたサイラスは呪いの魔法を使った。

 スティーブたち三人の首に蛇の刺青が出現する。


「今回は特別でね。すぐに死ぬ呪いだ」


 嬉しそうにサイラスが説明する。

 レナードもスティーブに憐憫の眼差しを向けた。


「配下に加えたかったのだが、残念だな。もし今命乞いをすれば、サイラスに解呪させるが」

「まあ、そんなことだろうと思いましたよ。呪いを掛けるだけではなく、解呪の魔法もあるだろうとおもっていました。相手の魔法がわかっているのに、何の対策もしないで乗り込むほど愚かだと評価していたのですか?」


 スティーブは呆れたように言うと、命令を強制する魔法をサイラスに使う。


「解呪しろ」


 サイラスはその命令に従い、スティーブたちにかけた呪いを解呪した。

 その命令が魔法だと気づいたレナードは歯ぎしりをした。


「こんなことになるなら、サイラスにも魔法を無効化する指輪を渡しておくのだったな」


 レナードは予備で持っていたマジックアイテムの指輪をサイラスに投げた。サイラスもそれを受け取ると直ぐに指にはめる。


「もう一度だ」


 レナードの命令でサイラスは再び呪いを掛ける。

 しかし、今度はスティーブが自分でそれを解呪した。


「ふーん。重ね掛けで前の呪いを消すよりも、解呪の方が効率がいいのか」


 スティーブがそう言うと、蛇の刺青は消える。

 サイラスは自分の呪いが消えたことに焦った。


「何をした!?」

「解呪の魔法を見せてもらったから真似してみただけだよ。何の対策もしないで乗り込んではこないって言ったはずだけど」


 スティーブはサイラスが呪いの魔法を使うことはわかっていたので、まずは待ち構えてそれの作業標準書を作成した。そこには品質の急所として、重ね掛けで前の呪いは消えると書いてあった。これは指輪が魔法を無効化するということで、精神系の魔法と同じであろうと想定していたのである。

 そして、事実その通りであった。

 加えて解呪の魔法も使わせて、それも作業標準書を作成する。これで呪いの対策は万全となった。

 呪いさえなければサイラスは敵ではない。

 スティーブは床を蹴って一気に間合いを詰める。そして、剣を一閃するとサイラスの首が落ちた。そのままの勢いで今度はレナードに斬りかかる。


ガキンッ


 金属同士がぶつかる音が室内に響き渡った。

 スティーブが斬ったと思ったレナードの腕は鋼となって、その攻撃を防いでいたのである。


「むっ」


 スティーブはもう一度確認するためにレナードを攻撃した。

 結果は同じで、剣を当てたところが鋼となったのである。

 スティーブは一旦元の場所に戻って、レナードとの距離を取った。

 レナードは嬉しそうに笑う。


「これが俺の魔法だよ」

「なるほどね」


 スティーブは二度目の攻撃の時にレナードの魔法も習得していた。その魔法を早速使って、右手で持っている剣で鋼と化した左手を斬ってみようとしたが、斬ることはできなかった。

 それを見たレナードは、スティーブの先ほどの解呪の魔法を使った能力を見抜く。


「見たものを真似る能力か。是非とも配下に加えたいものだ」

「これの難点は見たもの以上にはなれないところですよね」

「贅沢な悩みだな」


 レナードはスティーブの言い草に思わず笑ってしまった。

 スティーブも苦笑して後頭部を掻く。


「それで、死ぬ前に確認しておきたいのですが、我が国の国王陛下襲撃については皇帝陛下の命令ですか?」

「死後の世界に旅立つ記念に教えてやるが、それは俺の命令だ」

「死後の世界に旅立つのが誰なのかは議論の余地がありそうだけど、主犯がわかって良かったね、ダフニー」

「はい。これで陛下にご報告できます」

「さて、確認も終わったことだし、この戦いも終わりにしようか」

「鋼と化すこの体をどうこうできると思っているのか?」


 レナードは不敵に笑うが、スティーブは気にせず炎の魔法をレナードにぶつけた。ファイヤーボールなどという当たれば消えるものではなく、工場のバーナーが作るような継続した炎がレナードを焼き続ける。

 レナードは全身を鋼にして、それを耐える。鋼が焼けて真っ赤になるが、レナードは笑いながらそれを耐えていた。


「焼き殺そうとするならそれは無駄だぞ」

「わかっているさ」


 スティーブは炎を止めると今度は水魔法で作った水をレナードにぶつけた。加熱された鋼が水で急冷されて、辺り一面に水蒸気が立ち込める。

 その水蒸気の中をスティーブは突き進み、レナードを再び剣で攻撃した。


「無駄なことを」


 とレナードは言ったが、剣で攻撃された腕はパキンという甲高い音を立てて床に落ちた。


「なんだと!?」


 自身の体におこったことが出来ずにレナードは驚きを隠せなかった。

 スティーブはお構いなしに、今度は腰への一撃を見舞う。腕と同じように甲高い音を立てて腰は割れ、レナードは上半身と下半身に分かれた。

 ただし、体が鋼鉄となっており出血はしない。


「焼き入れをしたことはありませんか?」

「何だそれは」


 レナードはスティーブに説明を求める。


「鋼は熱して冷やすと硬くなるのです。ただ、冷やし方によってはとても脆くなるのですよ。今のようにね。僕は焼き入れが下手ですから、こうした脆い鋼ばかりを作っては怒られてきました」


 鋼は熱処理をすることで硬くなる。硬いということは靭性を失うことと等しく、単に鋼を加熱して冷却するだけでは、すぐに壊れてしまうのだ。なので、熱処理には焼き戻しという靭性を回復させる処理がある。

 スティーブは前世で設備の部品を急ぎで作る仕事を請けたことがあった。通常は熱処理業者に発注して熱処理をするのであるが、設備が壊れて止まっているから早く部品が欲しいという客に対しては、自社で熱処理を行っていた。バーナーで炙って加熱してから、油などに漬けて冷却するのだが、機械で制御されたものではないため、出来映えがばらつく。父親やベテランの職人はそれを苦も無く行うのだが、スティーブが焼き入れしたものは直ぐに折れてしまって、使い物にならなかったのである。

 その鋼の性質はレナードの魔法でも同じだった。だから、炎で加熱した後水をかけて急冷したのである。

 スティーブは床に転がるレナードを見た。


「魔力が切れたらお別れですが、何か言い残すことはありますか?」

「一つ問うが、貴様が考える国とは誰のものだ?」

「誰のと言われると難しいですね。王や貴族だけのものではなく、民のものでもあるでしょう。民にも愛国心はありますから、彼らなりに自分の国という認識はあるはずです」


 スティーブは杉の先物で協力してくれた東部の民や、帝国のためにと言っていたイノのことを思いながらそう答えた。


「俺はそうは思わぬ。帝国であれば皇帝の所有物であり、それをどう扱おうと民は従うだけだ」


 レナードがそう言って、鋼の魔法を解いた。すぐに辺り一面が真っ赤に染まる。スティーブたちの目がそれに集まった時、レナードは指にはめた指輪に魔力を流す。

 スティーブがそれに気づいた。


「何をした?」

「道連れだよ。俺はこの国と一緒に死ぬ」


 とだけ言って、レナードは息を引き取った。


「死んだ?」


 ダフニーに訊かれてスティーブはレナードを見たが、どうみても死んでいた。道連れといったので、爆発でもするかと思ったが、そういう兆候もない。


「セシリー、あの指輪が光ったんだけど、なんの指輪かしっている?」

「どのような効果があるのかはわかりません。しかし、帝国を道連れにするようなものはないと思います。そのようなものがあれば歴代の皇帝の誰かが使っていたと思いますから」

「だよねえ。年を取って狂気に染まった皇帝がいなかったとは思えないものね。捕虜の人たちもなにか知ってますか?」


 スティーブが質問するが、兵士は誰も答えなかった。

 レナードの仕組んだことを知ることになるのは、その10分後であった。捕虜にルイスに忠誠を誓えという命令を強制し終わった時、帝都の各地に煙が見えるようになったのである。

 レナードの指輪は通信手段であり、帝都に潜んでいたナイト・オブ・ワンドとその部下たちが、レナードからの指輪の信号を受けて、帝都の各地に火を放ったのである。

 別に、スティーブによる襲撃を警戒していたわけではなく、支持基盤の固まっていない状態でどこかのスートナイツが裏切った場合、帝都に火を放って逃げるつもりで準備をしていたのだった。

 それが今回、スティーブによる攻撃で発動させることになったのだった。

 火をつけたのは一般の臣民が住む地域。住宅が密集しており類焼が起きやすいためだ。

 謁見の間に兵士が駆け込んでくる。兵士は謁見の間で戦闘が行われていたことを知らなかったため、入って中を見て驚いた。


「帝都の臣民居住地域で多数の火災が発生いたしました!って、うわっ!!」


 その兵士にセシリーが声をかける。


「報告ご苦労。謀反人であるレナード・イソ・イエローは、このエース・オブ・チャリスが討ち取った。別に諸君らを罰するつもりはないから、安心してほしい。それで、火災の鎮火は行っているのか?」

「火災発見と同時に鎮火に向かいましたが、どういうわけか火が出たと同時に風が強くなりまして、鎮火作業も困難になりそうです」

「ここにいなかったナイト・オブ・ワンドは風属性の魔法の使い手。おそらくは帝都に潜み、風を作り出しているのだろう。風上はどちらか?」

「北門の方向から吹いております」


 それを聞いてスティーブは空に待機させていた鷹の目を通じて様子を見た。ところどころで煙が上がり、視界が悪くなっている。そして、風を作っている魔法使いを見つけた。


「ダフニー、セシリー行くよ」


 そういうと、転移してナイト・オブ・ワンドの眼前に出現する。


「終わりだ!」


 セシリーがそう言ってナイト・オブ・ワンドを斬った。それで風は止まったが、既に火の勢いは強くなっており、延焼が止まる気配がなかった。

 セシリーはスティーブに消火をお願いする。


「閣下、水の魔法で消火していただけませんでしょうか」

「命令を強制するのに魔力を使っちゃってねえ。多分消火しきれないかなあ」


 スティーブは魔力を使いすぎており、帝都に広がる火災を消すだけの余力がなかった。逃げ惑う帝都の民を見ながら、スティーブは魔力が切れても仕方ないかとおもって、水魔法を使おうと決意した。


「あ、そういえば」


 魔法を発動させる直前に、東部の洪水で氾濫した河川の水を収納魔法で回収していたのを思い出した。あまりにも量が多くて全ては回収できなかったが、消火に使うくらいならあった。そして、収納魔法は収納時のみ魔力を消費するので、取り出す分には魔力を使わない。

 回収した水を取り出して燃えている建物にかけるのを繰り返し、帝都の火災を全て鎮火したときにはすでに日が地平線に沈もうとしていた。

 スティーブはダフニーとセシリーにレナードの質問の答えをどう思うか聞いた。


「国は誰のものだと思う?」


 セシリーはスティーブの顔をまっすぐにみる。


「その国に住まう全ての者のものでしょう。まつりごとにかかわる者だけの物ではありません」

「僕もそう思うんだけど、王や貴族からしたら危険な思想だよね。あんまり口にしない方がいいんじゃないかな」

「私はナンシーに国を捨ててと言ってしまいました。その時すでに姉も国を所有しているひとりだと認めているのですよ」

「それもそうか」


 スティーブは笑顔を返した。セシリーもとびっきりの笑顔をスティーブに見せる。ダフニーも今は仕方ないかと思って、笑顔の二人を眺めていた。

 被災した住民を兵士に任せ、スティーブたちは屋敷に戻る。

 ここに、レナードによる帝位の簒奪は終結をむかえた。


いつも誤字報告ありがとうございます。

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