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市民生活安全課課長 深山一博

 神奈川県立松田総合病院 19時18分


白い吸音材の天井が見える。

身体は動かず目だけを横に動かした。

中身が透明な点滴と恐らく血が入っている塩化ビニルの赤いパックが見える。

頭にも何かが付いている感覚がある。

・・・やはり身体は動かない。


病院にいる事は理解した。

何故自分がベッドで寝ているのかが分からない。

記憶を辿る。

靄が掛かって一番最近の記憶が判別出来ないでいる。

瞬きをしていると自分を覗き込む子供の顔が視界に入った。


「お母さん。お父さんが起きたよ。」

ベッドを覗き込んでいた男の子は、廊下で主治医と話していた母親の下へ走って行った。

子供の母親は話を止め、医師と一緒に病室に入って来た。

医師が計測器の数値をチェックしてから患者の眼球にライトを点滅させる。

瞳孔の収縮を確認すると、患者の耳元に顔を近付けて声を掛けた。

「深山さん。聞こえますか?聞こえましたら瞬きをしてください。」

医師にそう呼ばれ、深山一博は瞬きをする。

その時になって口に何か管が入っている事が分かった。

「意識は戻りました。脳波、レントゲンの映像も取り敢えず異常はありません。運ばれてきた状態からは不思議なほど正常値です。骨折箇所も発見出来ていません。全身打撲には違いありませんが、安静にしていれば一週間くらいで歩けると思います。」

医師が言うと妻の深山裕子はデーターを見て同意した。

「ありがとうございます。頑丈なだけが取り柄の人で・・・この人にとっては良い休暇になります。こうにでもならないと休まないんで。」

医師に礼を述べ、ベッドに寝ている夫を見る。「ね。」と言い子供を抱き寄せて笑った。

「何かあったらいつでもコールしてください。今日は当番で朝までいますから。今のところは、御自分で処置はしないでくださいね。深山先生。」

挨拶すると医師は医局へ戻って行く。

夫の頭についている計測器の隙間に手を入れて汗を拭い、優しく撫でる。

「聞こえてるのよね。絶対に脱走しちゃダメよ。忍には楓さんが付いているんでしょ?史隆さんから連絡貰った時はどうしようかと思ったけど・・・本当に頑丈ね。」

言われて、ベッドの深山はもう一度記憶を辿った。

霧が晴れ、黒い記憶が押し寄せる。

「・・・ギズグサンバ・・・ダブ・・・バッダ・・・」

口に管があり、酸素吸入器があるので何を言っているのか分からない。裕子は計測器を見て正常値を確認してから口周りの器具をゆっくりと外していく。

「はいはい。落ち着いて下さいね。」

裕子は捜索本部の浅井から聞いたばかりの現状を説明した。

娘の忍への心配は誰よりも大きく、胸が張り裂けそうになるが楓と忍本人を信じて押し込んでいた。

「・・・それじゃあ、雫さんだけでなく、忍や翔君まで連れ去られたのか・・・」

言って身体を起こそうとするが全く身動き出来なかった。

「だから寝てなさいって。普通の人だったら絶対死んでる怪我よ。何で生きていられるのか不思議なくらいよ。車のフロントガラス突き破って骨折一つしてないってどんな頭蓋骨してるんだか。無茶して逃げ出したら研究対象として解剖するわよ。」

裕子が言うと深山は静かになった。

天井を眺め呼吸を整える。

痛む首を妻と息子に向けて語り出した。

「昔から隆一さんや史隆さん、九鬼現統領の直志(なおし)さんの仕事を見て来た。自分にもあんな力があればといつも思って身体を鍛えたり『気』の使い方を教えてもらったりしたんだ。多分普通の人よりは彼らに近付けていると思っているけど、あの人達には遠く及ばない。もっとも、国内屈指の術者に成れる訳は無いんだけどね。楓さんは彼等ですら及ばない存在だけど・・・もはや『人間』かどうかも分からない程に神がかっている。いや、本当に神様なのかもしれない。翔君がね、『魔女とかですか』って言ったんだ。言い得て妙だと思ったな。その楓さんから忍が本格的に指導を受けると聞いた時は嬉しい反面、人間の踏み込んで良い領域ではない事も十分承知していたから悩んだんだけどね。思いのほか裕子さんが反対しなかったから今日まであの子が思うままにしてきた。」

首を天井に戻し呼吸を整えてから続ける。

「翔君達の事を助けてあげてね。ってお願いしてから、学校から帰って来て嬉しそうに翔君と話した事やその日に何があったか教えてくれて・・・自分の弓道の大会よりも翔君達のバスケットボール大会の成績を誇らしげに話したり・・・今回の登山もどこで聞いたのか・・・あの子はそこまで能力が高くなったんだな。」

再び妻に顔を向ける。

「楓さんに聞いた事があるんだけど、所謂(いわゆる)千里眼(せんりがん)』の様に物事を見抜く力を持つ人が稀に生まれて来るらしいんだ。忍にはその力があると楓さんは言っていた。あと雫さんもより強力な力を持っているとも言っていて、二人がお互いの準備なしに覚醒した状態で接触するのは好ましくないとも言っていた・・・当初、楓さんは翔君達が山に入る事を純粋に応援していて、物怪に襲われる事は予想していなかったと思うんだ。槍穂岳周辺の整備された登山道には物怪が侵入出来ない結界が張られていた事は僕にも知らされていて登山道は間違いなく安全だった。翔君達が結界を張られていた筈の登山道を離れて・・・山住の人達の拠点に迷い込んで、隆一さんを発見した脊山さんに守られた。その後脊山さんが亡くなった事は偶発的な出来事なのかも知らないけど・・・地図を見れば分かる事なんだ。彼らが歩いていた簑沢峠から巳葺山の小屋までは崖が有ったり、狭いけど橋のない渓流を越えないと辿り着けないから、彼らが言う様に急な嵐に遭って走っていたら小屋に着いた何て事はあり得ないんだ。何か大きな力が今回の事件を引き起こしているとしか考えられない。あの楓さんですら予想出来ないような大きな力が・・・ただ、その後の楓さんは、その偶然を利用して何かを仕組んでいるような気がするんだよな。忍や翔君、聡史君のお母さんの時みたいに、人を助ける事にはお願いすればどんな時間であっても必ず動いてくれるんだけど、物怪の討伐みたいな事にはあまり干渉しないように一歩引いていたのが、翔君達の救出とはいえ、今回は積極的に動いて神崎や九鬼どころか龍崎の一門まで駆り出させて指示している。弥生さんや雫さんが現地に来る事も当然分かっていての筈だ。何せ、国防大臣からの協力を断って、警察庁にも被害防止のみの警備に留まらせていた。相手が物怪だから普通の武装では相性が悪いとしても、舞台を整えるかのように人を遠ざけている。佐々木監理官には災難だと思うけど、前の新井さんや後任の刈谷さんよりも遥かに若い佐々木さんを楓さんはいたくお気に入りで、佐々木さんにも試練みたいな事を与えようとしているのを・・・今となっては感じている。なにしろ楓さんにお会いしてから十五年になるけど、あんなに楽しそうに史隆さんに指示しているのを見たのは初めてだった。」

深山は話しを止めて裕子と二人の子である裕一(ゆういち)を見つめた。



「おめでとう。深山君もこれで本当のパパさんね~」

小児用ベッドを覗き込み右手の指先で赤子の額をそっと撫でながら楓が言った。


八年前。

深山一博は青嵐学院大学附属病院産婦人科の個別母子室にいた。

病室のベッドには出産後の裕子がいて、隣の小児用ベッドに昨日生まれたばかりの赤子。後に『裕一』と名付けられる男の子が寝ている。

病室内には深山の他、裕子の連れ子の忍が楓に手を繋がれ笑いながら赤子を見ている。

県警監理官の新井の姿もあった。

裕子の母親である水江和子も小田原からもう一人の孫の誕生を手伝いに来ていた。

忍と神崎翔の件で、深山と水江裕子の距離は縮まり前の年にひっそりと挙式を行い二人にとっては第一子の誕生を迎えていたのであった。



深山には家族というものはいない。

中学生の時、学校に連絡があり事故のため両親共に死亡したと伝えられた。

両親はY.PACに勤めていて、その前の月から伊豆諸島にある特別研究施設の研究チームに選抜されていた。事故で亡くなったのは両親の他八名の研究者と研究協力者四名の合計十四名にのぼった。

事故現場は伊豆諸島の青島とベヨネーズ列岩の中間にある人口僅(わず)か二十七人の夢鳴島(むなるしま)で、島独自の生態系調査と気象観測のためY.PACの全面出資による青嵐学院大学との共同研究施設が建設され、第一次研究隊として派遣されはばかりで、その研究施設が爆発炎上する大きな事故だった。

事故原因は地質調査中に吹き上がった天然ガスが施設の発電機に吸引されて起こったガス爆発とされていて、島民のほとんどが島の東側にある江戸時代からの港周辺で暮らしているのに対し事故現場は中央の潤樽山(うるたるやま)を隔てて西側の断崖上にある研究施設であったため事故の詳細を知るものは無く、負傷した関係者が港まで歩いて知らせてからの対応であったため建物はほぼ全焼し、遺体の回収もほとんど出来なかった。

知らせを受けた深山も他の遺族達同様、Y.PACが用意した青嵐学院大学の海洋調査船に乗り、海上から黒焦げになりながらもなおガスの噴出による青い炎を上げ、小さな爆発を繰り返している研究施設を見ながら海に献花して別れを告げただけであった。

両親の父母も深山が小さかった頃に他界していて親戚との付き合いも無かった為、十四歳にして天涯孤独となってしまった。


Y.PACの福利厚生部から担当の女性が派遣され、相談の結果社員住宅の独身寮に住まわせて貰えるようになり、会社によって養育資金の用意や深山本人への月極の小遣いも渡されて、同世代の中流家庭よりも金銭的には優遇されていた。

担当の女性は大学に進むまでの間、二回変わったがどの人も親身になって相談に応じてくれて、大学を卒業する際にY.PACへの就職枠があると言われたが「両親がいた会社ではなく別の道を進みたい。」と言うと横浜市役所を推薦され、ほぼお客様待遇で入所した。

市民生活安全課には当初から配属され、普通の所員とは全く別の研修を受けた。

当時の課長から直々に指導を受け、市役所の権限を完全に越える業務を行える課である事を知ったのは二年目に同年入所した人達と会話する機会を得た時だった。

それ以来、同期生は配置移動を受けても深山は転属なしで現在に至る。

市民生活安全課自体が行政サービスとしても変わっていて、市民からの依頼に応える部署というよりも県内、場合によっては県外の特殊な事例を調査しその所轄警察や病院などと連携を図っていく調整係のような性質があり、自然と県警本部や警察庁、国防省の上層部との繋がりを持っている。神奈川県庁には無く、政令指定都市の横浜にだけある特殊な部署で、首長の権限は薄く地方公務員の身分であるが独自性が許されている。

議会でもこの課についての質疑はタブーとされ、一部議員が『市民への説明責任』云々と声高に言う時があるが、議長に呼び出された後は皆納得して沈黙するようになっていった。

全国的にも各地方の特性・・・特殊事例の発生件数に合わせて配属されているあまり公表されない部署である。


入所して二年目の冬。

二十四歳の時に課長に呼ばれ、そろそろ一人で仕事出来るだろうと言われ、箱根で起きた事件の調査と対応を命じられた。

現地に着いて初めて別荘地の一軒で、椅子に縛られた女性が数十か所も刃物で刺さて殺された殺人事件の調査であることが分かった。

規制線が張られているのを見て有料駐車場に車を止めてから所轄警察官に身分証明書を提示すると不思議なほど容易に中に入れてくれた。

小雪が舞う寒い日で、白い息を吐きながら現場のログハウスを目指す。

俯瞰の写真を撮り木製の階段を上がる。

ガラスのはめ込まれたドアを開けると課長と同じくらい、自分よりも十歳くらい年上の黒いロングコートを着た男性と、その男性の『娘』かと思われる小柄な少女がいた。

ドアの気配に二人はこちらを向く。

男性はまさに刑事という感じの短髪細身で軍人の様に姿勢が良かった。

少女に目が移る。

アイボリーのムートンブーツにホワイトでロングのダウンコートを身に纏い、やはり白いボアの帽子からこぼれる艶やかな黒く長い髪が際立つとても美しい顔立ちの少女だった。

まさに『可憐な美少女』というのが第一印象だった。

決して殺人事件現場にいて良い人間ではない。

深山はその美しい少女から目が離せず硬直してしまう。

少女は深山を見て微笑むと「横浜市役所の人ね。丁度これから地下室。殺害現場に入るところよ。大丈夫?」と言われ、慌てて身分証明書を提示して挨拶した。

男性は県警の監理官で新井と名乗り、少女を「秋月楓先生です。」と紹介してくれた。

これが、新井と楓に会った最初の事件となった。


それ以来、新井は良い兄貴分として必要な知識や身の守り方を教えてくれた。

特殊事例に係る人材は深山の様に天涯孤独な者が就き、新井や現在静岡県の特殊事例対策本部を仕切っている監理官の刈谷にも身寄りがない。

今の神奈川県警監理官の佐々木も同様である。

戦争の危険性が低くなった現代の日本では、国防省の軍人よりも危険な職務に就く特殊事例対策本部の人間にとって、守るべきは市民、国民であり、それが家族そのものと考える節がある。

孤独な者である事が条件ではないが、職に就いてしまうと家族を持つことに二の足を踏む傾向があった。

飲みの席で新井に聞いた事があったが「そもそも家庭生活をあまり知らないで育ったから今更欲しいと思わないし、自分で言うのも何だが、この仕事が好きだから仮に家族がいても家庭での生活を二の次にしてしまう。俺は家庭生活不適合者なんだろうな。」と静かに言っていた。


新井が出て来なければならないような事件に同行する内に、この世には物怪(もののけ)という太古から魑魅(ちみ)魍魎(もうりょう)と呼ばれていた者達が実在する事を知る。

実体化する物怪に警察官が所持する通常の武器は効果が薄く、基本的には追い払えれば成功なのだが、攻撃性が強く人間生活に大きな影響を及ぼすものに対しての専門家が存在する事を知った。

地元横浜に在住し、Y.PACに勤務する神崎隆一を新井から紹介され、幾つかの事件で世話になり、命の危険を味わった。

隆一には弟の史隆がいて実家の神崎家は平安の時代から『裏』の世界で活躍して来た『物怪討伐の一族』であり、全国には同様の能力を持つ様々な一族の存在とそれ以上に存在する物怪による事件がある事を知る。

そして、その専門家達の頂点に『秋月楓』がいると認識した。

十年前の事。

隆一の事件は、当時の課長も含めて関係者一同に衝撃を与えた。

特に隆一とは近い年だった新井には辛かったようで、どんな時にも冷静沈着で活力に満ちていた新井がふとした時、ぼうっと天井を見詰めている姿を見るようになった。

深山自身も隆一への恩返しは出来ず、残された隆一の家族を全力で援助すると、隆一の墓前に誓った。


十年前。翔の事で楓に相談し、史隆の帰国に合わせ治療する算段を考えた時、その二年前の秋に楓から娘の治療を受け、田辺医師の教え子という事で青嵐学院大学附属病院に就職を斡旋した女医の顔が浮かび、翔の搬送に合わせて主治医となって貰うために再開した。

それから楓が忍の遊び相手をする度に連絡が来て深山は同行した。

裕子と顔を合わせる事が増えると、どちらからと言う訳でもなく一緒に暮らすようになった。

裕一が生まれてからも深山は同課に留まった。

課長からは転属希望を出しても良いと言われたが、この頃には家族となった裕子や忍、裕一とは同様に、神崎家の史隆や九鬼家の面々、楓と新井に囲まれて特殊事例の対処に命の危機に遭いながらも、世間には知られず不思議な問題を解決する仕事に楽しさを強く感じるようになっていた。


裕一が小学校に入学した年。

昨年の四月。深山は課長に昇進した。裕一が生まれた次の年には係長になり、その後、後輩の宮内が入って来て二人で活動したが、隆一の事件以降、生死を掛ける程の物怪による事件は減少し、主に憑き物などによる対応が多く、小田原にいる陰陽師の家系で九鬼の人間に依頼することが多くなる。

今年の春、浅井が移動して来る事になり、課長が別の部署の局長に就任する際に勧められた課長職試験に合格し、前課長の推薦で市民生活安全課の課長になったばかりだった。

楓に昇進の挨拶をすると「そろそろ危険な現場への出動は控えなさい。管理職ってそういうものでしょ。」と言われ、裕子や宮内とも相談して事実上の『引退』を宣言していた。


自分にも忘れかけていた家族が出来て、部下の安全を考えながら九鬼や神崎、楓の力を得て順風満帆に残りの公務員生活を充実出来ると思っていた。

今日までは・・・



「絶対にダメよ。絶対にね。弥生さんの翔君と雫さんに対してだけは何を置いても最優先にしたいんだろうけど、今回だけは絶対にダメよ。ゲーム会場から負傷退場したんだから大人しくして勝敗の結果だけ待っていなさい。私だって忍の事を助けに行きたいけど・・・楓さんが言ってたの覚えてる?『忍ちゃんがあなたを選んで生まれて来たのよ。この子は今までも、これからも。あなたの心の支えになるためにこの世にやって来たの』ってね。私は楓さんを信じている。だからあの子が私を置いてどこかに行く訳ないわ。」

深山が見詰めているところを裕子が強く言う。

「・・・え?今、何って言ったの?」

深山が聞き返す。

「だから、絶対ダメだって言ったのよ。楓さんを信じてるから忍は必ず私のところに戻って来るとも言ったわよ。聴覚障害?」

「いや違う・・・ゲームって・・・そうか。そういう事か。」

深山が声を強めて言った。

裕子は何を言っているのか分からない。

もう一度MRI受けさせようかと考え始めている。

「裕子さん。もう直ぐお母さんも来てくれるんだよね。」

「ええ、さっき小田原駅に着いたって言っていたから。新松田からはタクシー使って来ると思うわ。何で?」

「ゲームだよ・・・何かおかしいと思っていたんだ。楓さんが積極的過ぎるのを・・・」

深山が起き上がろうとするのを裕子の左手が頭を抑えた。

「ほらね。私が頭抑えただけで力負けしてるでしょ。起き上がるのは無理よ。骨格は頑丈でも頸椎や他の筋肉組織はダメージ負ってるの。私も楓さんみたいに患者を眠らせる能力欲しいわ・・・忍帰ってきたら私も習おうかしらね。」

試しに深山の額に右手の指先で『トン』と突いてみる。

何も起こらずにお互いに見詰め合って笑ってしまった。


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