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under 500 Ⅱ

溝にあるズボン

 散歩は気持ちいい。自然を感じられる。いい空気だ。


 女性の自転車が、溝にハマっている。助けようと駆け寄った。必死な顔で、こちらを見た。


 車輪が沈んでる。ズボンと、しっかりハマっていた。ひとりで持ち上げたら、すんなり出た。


「ありがとう」

「はい」

 嬉しくなった。


 女性が去った後、溝にズボンを見つけた。どこかで、見たことがある。


 母が持っていた、派手すぎるズボンだ。無くしたって、言っていたんだ。


 でも正直、似合っていなかった。だから、見て見ぬふりした。


 だって、また穿かれたら、嫌だから。

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