表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
担任は優しい旦那様  作者: 華愁
9/40

第七話☆デートプランはお任せを☆

あのお泊り会から

一ヶ月、今日は

先輩達の卒業式。


そして、なんと

あの時は

渡す勇気がないと

言ってた恋が

左京先生に告白をして

付き合うことに

なったみたい。


嬉しいニュースだよね。


だけど、相手は教師。


自分たちを思い出す。


誰にも(仲間以外)

バレないでかつ

二人っきりになれる

デートプランを考えなきゃね。


そうだ、マー君にも

協力してもらおう。


『ねぇ恋、

二人のこと

旦那さんにも

話していいかな?』


マー君なら確実に

協力してくれると

分かってる。


「左京先生に

訊いてみないと

何とも言えないけど、

それって、華蓮が

結婚してることも

言わなきゃ

ならないんだよ?」


それは最初っから

覚悟してたことだ。


『私は大丈夫だよ』


誰かのことを

聴く時は自分のことも

話さなきゃね。


「じゃぁ、後で

メールしてみるね」


恋はスカートのポケットを

ぽんぽんと叩いた。


そこに携帯を

入れてるみたいだ。


今日は授業が

ないから午後には

聴けると思う。


この後、五人で

遊ぶ予定だしね……


学校を出て、

二駅先のカラオケに行った。


「先生から返事来たよ」


恋が携帯を私に見せた。


どうやら、今から

此処に来るみたい。


二十分後、

私たちの居る

部屋のドアが開いた。


「早かったね」


おっ、タメ口なんだね。


ますます、

自分たちを思い出すなぁ~


『左京先生、

とりあえず座って下さい』


入口に近い所に

私が座ってたから

少し詰めて席を空けた。


「ああ、

ありがとう佐川さん」


私の名前、知ってたんだ。


『いえ、

早速本題に

いきたいところですが

一つ、左京先生に

言わなきゃ

ならないことがあるんです』


改まった私に

左京先生は

首を傾げた。


『実は、

結婚してるんです』


そして、私の言葉に

素っ頓狂な声を出した。


「え……?」


皆は知ってるから

驚くことはない。


『佐川っていうのは

旦那さんの苗字なんです』


そう告げると

左京先生は瞬きを

数回した。


「先生、何時まで

固まってるの?」


恋の呼び掛けで

何とか戻ってきた。


「皆は知ってたのかい?」


四人は頷いた。


「そうか……

因みに何時結婚した

訊いてもいいかい?」


答えてもいいんだけど

先生がまた放心しそう。


『高二の時なので

今年で二年目です』


あ、やっぱり

また固まっちゃった。


「先生!!」


恋に揺すられて

戻って来た。


『何となく、

反応は分かってました』


これが

普通の人の反応だよね……


しかも、左京先生は

私たちと歳が近い方だし。


「旦那さんとは

何処で知り合ったんだい?」


次に来るであろう

質問は予想に反さず

その通りだ。


『高校時代の担任ですよ』


旦那さんことマー君は

今も母校であり

私たちの出会った

あの場所で

教師を続けている。


「…………」


今度は

固まらなかったけど

黙ってしまった。


此処で口を開いたのは

すっかり空気と

なりつつあった

理香だった。


因みに、琴羽と陽菜子は

マイペースに何を歌うか

二人で曲選びをしている。


「私たちも、

初め訊いた時

ビックリしました」


理香は少し大袈裟な

ジェスチャーをした。


「けど、今日は

恋との今後の

デートプランを

決めるのに

先生にわざわざ

来てもらったんですよ?」


そう、同じような

体験をした私なら

何かいい案が

浮かぶかもと

こうして呼ばれたわけだ。


『そこで、

二人のことを

旦那さんに話して

いいか訊くために

来てもらいました。』


同じ教師としても

いい相談相手に

なると私は思う。


『なんなら、一度

会ってみますか?』


敢えて、

家の旦那さんに

とは言わなかった。


「華蓮、

迷惑じゃない?」


今まで黙っていた

恋が焦ったように言った。


『全然迷惑じゃないよ』


だって友達だもん。


『何だったら、

この後皆で家来る?』


そんな提案をしてみた。


「それこそ、迷惑じゃ……」


基本的にうちは

事前に連れて行く人を

メールで知らせておけば

大丈夫だったりする。


これは、二人のルールだ。


『前以て、

何人連れてくか

言っておけば大丈夫だよ』


今の時刻は午後四時半。


まだ学校に居る時間だ。


『どうします?』


左京先生に訊く。


「……お邪魔させて下さい」


私はマー君に

メールするために

バッグから

携帯を取出した。


《お仕事お疲れ様、

今日ね友達と

友達の彼氏を

連れて行くから宜しくね

人数は五人だよ

また後でね》


送信。


これでよし。


私も歌おうっと。


陽菜子に貸してと

言いながら

近付いて行った。


カラオケ屋さんを

出たのはそれから

二時間半してからだった。


皆を連れてマンションへ。


駐車場にはマー君の

車が停まっていた。


それだけ確認し、

エレベーターに乗り

部屋の前まで来て

鍵を開けた。


『マー君、ただいま』


リビングに

居るであろうマー君に

声を掛けた。


案の定、玄関まで来た。


『お帰り、

そして、皆さんは

いらっしゃい』


「お邪魔します」


皆を代表して

左京先生が言った。


『どうぞ

上がってください』


来客ようのスリッパを

人数分出した。


案内はマー君に任せて

私はキッチンで

お茶の用意をする。


左京先生だけ

好みが分からないから

緑茶にしといた。


『マー君、

悪いんだけど

運ぶの手伝って』


リビングに

居るであろう

マー君を呼ぶ。


『はいはい』


炬燵から立って

キッチンに来た。


二人で七人分の

お茶を持って

リビングへ戻った。


『お待たせ』


皆の前にカップを置いた。


『それで、華蓮

彼を連れてきた理由は?』


『実はね、彼

うちの学校の先生なの』


それだけ言えば

マー君に伝わったはずだ。


『成る程、

何となく分かった』


やっぱりね。


そして、今までの

経緯を話した。


それを聴いたマー君は

私と同じことを

思ったらしく、一言

俺たちみたいと呟いた。


「華蓮の旦那さん」


少しの沈黙の後

口を開いたのは恋だった。


『何かな?』


私の隣に座ってた

マー君はやんわりと

優しく聞き返した。


「何で華蓮と

付き合おうと

思ったんですか?」


そう言われればそうだ。


私が告白したのは

まだ一年の時だったし、

断っても何の支障も

なかったはず。


『確かに、あの時は

華蓮もまだ一年だったし

断ることも出来たけど

俺が惚れたから

付き合うことにしたんだ』


そんなこと

初めて知った……


『告白された時は

まだ華蓮のことなんて

殆ど知らなかったけど

付き合っていけば

知れると思ったんだ』


へぇ~

そんなふうに

思ってたんだ。


マー君と左京先生が

煙草を吸いに行った瞬間を

逃さず、恋が

ニヤニヤしながら私を小突いた。


「華蓮、愛されてるね」


さっきの言葉を

思い出して

顔が暑くなった。


恥ずかしくて

俯いたら、マー君に

抱きしめられた。


皆が居るのに~!!


「仲良しでいいね」


理香まで

楽しそうに言った。


って違う!!


今日は恋と左京先生の

デートプランについて

話すために

連れてきたんだってば……


『話しがズレてるよ』


数時間前を思い出す。


「そうでした……

実は私たち、

此処に居るメンバー以外に

知られずにデート

したいんです」


ふう~


本題に入れた。


それを聞いたマー君は

紅茶を一口飲むと

恋と左京先生の方を

向いて考え込んで

恋と左京先生に質問した。


『二人の家ってどの辺?』


「私の家は、此処から

一時間くらいです」


「僕の家は、

此処から

四十五分くらいです」


それぞれ、二人が答えた。


お、左京先生ん家は

意外と近いんだ。


『じゃぁ、

会ったりするのは

この付近がいいかな』


恋にはちょっと遠いけど、

安全面を考えれば

マー君の言う通り

この辺りで会うのが

妥当かも知れない。


左京先生は

あの頃のマー君と同じで

人気者だから、

恋人が生徒だなんて

知られた日には

大変なことに

なるだろうな。


『そうだね』


私はマー君に賛成した。


『陽菜子たちも

何時で遊びに来てね』


先生ん家が意外と

近いことが分かったから

当初の問題が

あっさりと解決した。


その後、

夕飯の時間になり

ついでに、家で

食べてって

もらうことになった。


皆、家族に

連絡済み。


流石、教師が

二人居るだけある。


「華蓮のご飯

おいしいね」


食休みをしていると

突然、琴羽が言った。


『そう?

ありがとう』


何だか照れるなぁ……


『よかったな、華蓮』


マー君の手が

頭の上な

ポンと乗っかった。


『うん』


自分の作った物を

美味しいと

言ってくれるのは

やっぱり嬉しいし

次は今よりも

更に美味しく

作ろうと思うのだ。


何時かまた、

皆に料理を

振る舞う機会が

あったら

今日よりも

もっと豪華で

美味しい物を

作ろうと決めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ