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担任は優しい旦那様  作者: 華愁
21/40

第十九話☆悩みは尽きないものですね……

皆でワイワイ

朝まで話した翌日

私は携帯の

着信音で目が覚めた。


ディスプレイには

"琴羽"と表示されていた。

皆を起こさない様に

気をつけながら

リビングに行き、

通話ボタンを押した。


『久しぶり』


最近、琴羽が

忙しくて中々、

連絡が取れなかったから

こんな朝早くら

電話して

くるなんて珍しい。


「朝から

いきなりごめんね……」


心なしか、

琴羽の声が

沈んでる気がする。


何か心配だ……


『おはよう、

どうしたの?』


キッチンで紅茶を

いれながら

琴羽の話しを聴く。


「あのね……」と

話し出した琴羽は

職場で

一悶着あったらしい。


『ねぇ琴羽、

今から出てこれない?』


皆はまだ起きて来ない。


後でメールすれば

大丈夫だろう。


「わかった

今から、

そっちに行くね」


待ち合わせを

十時にして私は

皆を起こさない様に

部屋に行き、

出掛ける準備をした。


小さな声で

行ってきますと

言って家を出た。


秋の早朝は

結構冷える。


待ち合わせ場所は

近くのファーストフード。


先に着いた私は

ホット紅茶とポテトを頼んだ。


そのに二十分後

琴羽がやって来た。


『おはよ』


電話で言った言葉を

直接会ったから

もう一度言った。


「おはよ……」


やっぱり、

声に覇気がない。


『早速、本題に入ろう』


電話より詳しく

聴くために

此処に来たのだから。


「私ね半年前まで

彼氏が居たんだ……」


琴羽の話しは

意外と長かった。


その彼氏が

二股を掛けていて

デートの最中

その相手に

遭遇し浮気が発覚……


その場で

浮気相手と

二人でフッたと

いうものだった。


「華蓮、

話し聞いてくれて

ありがとうね」


話したことで

スッキリしたのか

会った時より

顔が明るい。


『全然いいって』


終わった話しでも

心にモヤモヤが

残っていれば

誰かに

聴いて欲しい時もある。


『また、

なにかあったら

電話でも

メールでもして』


他の話しも少しした後、

二人で店を出た。


「じゃあね」


駅に着き、琴羽が

手を振って

階段を登るのを見送った。


最後に

笑ってくれたから

よしとしとこう。


『ただいま』


あれから二時間、

皆起きてるのは

分かっている。


『お帰り』


真っ先に玄関に

来たのはマー君だった。


『ちょっと

出掛けてくるねって

何処に行ってたんだ?』


心配そうなマー君に

さっきまで居た

ファーストフード店の

袋を渡した。


店を出た時、

十一時だったから

朝昼兼ねて買って来た。


『適当に

買って来たら

好きなもの選んでね』


私は洗面所に行き

手洗いうがいをして

部屋に戻り着替え

リビングに戻った。


マー君と絢菜のは

好みを知っるけど、

他の皆は知らない。


そんな久しぶりに

ファーストフードを食べた

三日後、今度は

理香から電話が来た。


この日は、特に

何かしてたわけじゃなく

昼間からマー君と一緒に

家でのんびりと

映画を見ていた。


『おい華蓮、

携帯鳴ってるぞ』


ソファーに

置きっぱなしだったから

映画を一時停止して

立ち上がった。


『理香、どうしたの?』


三日前の

琴羽とは違い

泣いているみたいだ。


内心焦る……


ただ事じゃないと

感づいたのか、

マー君が口パクで

「どうした?」と言った。


それに、答える様に

私も口パクで

理香の様子が

可笑しいことを伝えた。


『家に呼べ』


頷き、電話越しに

理香に伝えた。


一時間後、

理香が来た。


『いらっしゃい』


「お邪魔します」


弱々しい声で

挨拶の言葉を述べた。


座った理香の前に

緑茶とクッキーを置いた。


『食べてね』


話しを聞くのは

少し落ち着いて

からの方がいい。


理香が来てから

更に一時間後、

私たちが聴く前に

口を開いた。


「華蓮、佐川さん

私の話し聞いて

ほしいんだ」


それは勿論、

聴くに決まっている。


『何でも話して』


理香の向かい側に座った。


聞く態勢は

整っているんだけれど、

とても言いにくそうだ。


一度私たちを

チラッと見て、

やっと話し出した。


「最近、パパ達が

喧嘩することが

増えて、離婚するとか

言い出したんだ……」


だから、

さっきの電話でも

元気がなかったのか。


「私だって、

二十歳過ぎてるし

そんなことでって

思うんだけど

あんなに仲の良かった

パパ達が離婚なんて

信じられないし、

どっちに付いていくか

なんて考えられないよ」


泣きそうなのを

耐えながら話しを続ける。


『泣きたい時は

我慢しないでいいんだよ』


理香の隣に行き、

抱きしめた。


『お茶、

いれなおすな』


マー君が私たちの

カップと急須を持って

キッチンに行った。


『二人が喧嘩してる所

初めて見たの?』


理香は小さく頷いた。


それはショックだよね。


きっと、理香の

知らない所で

二人は前々から喧嘩

していたのかも知れない。


「ありがとう」


三十分後、

泣き止んで

落ち着いた理香が

最初に言った言葉は

それだった。


『どういたしまして』


マー君が

いれなおしてくれた

お茶もすっかり

冷めてしまったので

今度は私が

いれなおした。


『理香、今日

泊まって行きなよ』


今の状況で

家に帰っても

辛いだけだと思う。


「いいの?」


遠慮がちに聴く理香に

「当たり前でしょ」と

言って手を握った。


さて、夕飯は

何にするかな?


『理香、

何が食べたい?』


沢山泣いたから

きっと

お腹空いてるだろう。


「え?え?いいよ……」


言うと思った。


『遠慮すんな』


私が言うより先に

マー君に言われてしまった。


『そうだよ、遠慮はなし』


まぁ、大抵は

同じ考えだから

いいんだけどね。


「じゃぁ、シチューがいい」


これはまた、

安上がりだね……


『そんな

簡単な物でいいの?』


聞き返すと

黙って頷いた。


理香がいいなら

別にいいんだけどね。


最近、寒くなったし

温かい物を作ろうとは

思ってたけど

ちょっと意外かも。


『入れて欲しい

具とかある?』


今日のは、

理香のために

作るんだから

本人の意見を

きちんと聞かなきゃね。


「鶏肉のお団子と白菜」


さっきので遠慮が

なくなった

みたいでよかった。


『了解』


えっと、

鶏肉あったかな?


冷凍庫を探る。


おっ、

あったあった。


今から出せば、

解凍されるよね……?


『マー君、

理香の傍に

居てあげてね』


落ち着いたとはいえ

まだまだ、心は不安定だ。


私は料理するから

傍に居てあげられない。


『はいよ』


二人でテレビを

見出したのを確認して

キッチンに立ち

調理を始めた。


理香の要望通り、

鶏団子と白菜を入れ

そこに、

きのこ類も入れた。


『理香、どう?』


マー君の感想より

先に聞きたかった。


「美味しい」


よかった……


『俺も美味いと思うよ』


マー君の感想は

聞いてない(笑)


食べ終わって、

お風呂に入り

明日学校に行くと

言った理香のために

早く寝ることにした。


私は意外と

心配性だから

客室と寝室ではなく、

リビングに布団を敷いて

理香が真ん中で

マー君と私で

挟む様な感じで

寝ることになった。


『おやすみ』


翌朝、こんなに

早く起きたのは

久しぶりだったけど、

なんとか起きれた。


『よし』


二人が起きる前に、

お弁当と朝食の

用意をする。


「華蓮、おはよう」


一時間後、

二人が起きた。


『おはよう

朝ご飯出来てるよ』


三人で

いただきますと

言って食べた後、

出掛ける二人に

お弁当を渡して

玄関で見送った。

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