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へいこうろ  作者: ずんだ
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パラレルワールド

「こんなところで…死んでたまるか!!!」


次の瞬間、俺は家にいた。

今さっきまで生きるか死ぬかの瀬戸際だったなんて嘘のように。


これが俺の特技だ。

俗っぽく言ってしまえば、「並行世界」というものを自分の意志で移動できるのだ。


ただし制約(?)というかできないことはある。

自分で移動先の並行世界を選ぶことはできないのだ。

つまり、行きたい並行世界を選んで自由に移動することはできない。

そしてなにより…


「はぁ…。また0から始めなきゃいけないのか…。」


一度行った並行世界には1年以上継続して滞在できないのである。


つまり、どんなに居心地のいい並行世界を見つけたとしても、

そこで一生を過ごすことが出来ないのである。


もう、すでに色々試した。

ただ、この世の中共通の事実なのだろうか。

自分にだけ都合のよい展開は決して存在しないものなのである。


この特技は非常に苦しい。

「一生の友達」をはじめとした、いわゆる「一生の付き合い」は存在しないのである。


恋人が出来ようが、結婚相手が出来ようが、

彼が真に幸せになれることはないのである。


申し遅れてしまった。

俺は「篠田海斗」というごく普通の日本人である。

ただ、このように日記を書いて自分の存在を残すことにこの上なく必死なこと以外は

本当にただの日本人なのだ。


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