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少女との出会い
ーータスケテ、タスケテーー
「···きなさい。起きなさい」
母のその声で私は起きた。時計を見ると10時。8時に起きるつもりだったのに···。
うぅ、それにしても眠い。今日は昼から友だちと遊ぶのだ。さっさと眠気を払わなければ。
そういえば昨日は久しぶりに夢を見たな。うっすらとしか覚えていないがなんかおかしかった気がする。「タスケテ」と聞こえたような。
まぁそんなことはどうでもいいや。お昼を友だちと食べるので、朝ご飯を食べずにいた。
11時。私は家を出た。このくらいに出れば20分発の電車に間に合うだろう。駅につくと、15分だった。
電車に乗り、座席に座る。ガタンゴトンと揺られるとだんだんウトウトとしてくる。行き先は少し遠いしちょっと寝ても大丈夫だろう。
気付けば私は、雪の降る街を歩いていた。辺りには誰もいない。すると前から一人の少女が急いでいるかのように走って、こちらに向かってきた。
「何かあったんですか?」
「はい。今、この世界が大変なんです。どうか、助けてください。」
目が覚めると、目的の駅に着いていた。