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Illicit〜破壊〜

今回はもうこの章、最終回一個前です
えぇあくまでも梨音編が・・です。自分が想像してたよりもあっさりとラストは固まってしまって少々不満です。でも今回は皆さんには、は?っていう展開になります・・ご了承を

 Illicit 〜破壊〜





                    人間の全てに歯車があったのなら

                    いつその歯車が狂ってしまったのだろう

                    母の腹から出た時点でもう空回りしていたのか

                    それとも言語という名の物体を手にした時か

                    ただ一つだけわかるのは決して今が

                    正常で健全でもないということ

                    頭の中で掠めたしくじりの欠片

                    誰もがマトモでないから

                    貪欲に人を殺めることしか脳にない

                    殺めたいから武器を握るのではない

                    ただ自分が

                    殺される前に殺さねばならないから

                    人を殺すことのどこか間違いなのだろうか?

                    誰もが今すれ違った人間よりも幸福に

                    生きたいというだけで

                    自分ではない哀れな生物に命を捕られるのなら

                    その前に相手を殺す方がマトモな行動




        

              ―――――秋



             「絶対浮気じゃないの・・?」

             「子供が言う台詞じゃないでしょ?」

             「・・もう秋だし最後に良春がここ来たの・・春じゃん」

             「んん〜っ」

             「じゃあ・・探しに行く?」

             「えっ?」

             「禾影さんが何か知ってるかもしんないし」

             「・・誰?」

             「じゃあ行くわよ」

             「何で今から・・?」

             「もしも浮気してたら殺してやる」

             「はいはい・・」



別に前からそんな気がしてなかったワケじゃなくて・・・ただ海音は一途に父の帰りを待ってるのかと思ったから

そうじゃないのなら・・・。12年も一人の女愛せるような真面目でも純粋な男でもない・・きっと他国で喋れる別の女を捜してるのよ

ただ・・その理由があたしに飽きたとかいう理由だったら本当に殺してやる


さすがに戦時中なことだけはあって、首都でも路上は焼死体が山積みにされ優雅に酒を嗜んでいた男達ですら今は兵隊となりこの国の中央部分は崩壊していた


             「禾影さんのお店あるのかしら?」

             「誰だって・・そいつ」

              

10代の前半は毎日ここを歩いてた。まだ女達がいた頃・・今はもう・・生きてる人間の方が珍しかった。瓦礫の下で飢餓に苦しむ子供がいた

壊れていない建物を探す方がよっぽど困難で国が用意したのかそうじゃないのか汚れた布のテント・・。テントというよりは布が張ってあってその下にわずかな木箱やボロ布が置いてあった



慣れ親しんだ店はどこだろうか?・・・・煙が消えないこの国。それが焼夷弾の煙なのか屍を焼いた煙なのかそれとも食すために動物を焼いた煙なのか・・・・。こんな所に・・・酒飲む場所があるのか?鼻を襲うのは空襲の後の焦げ臭い・・すぐ前に空襲があったことを教えてくれる

              

             「死んだんじゃないの?」

             「そうだったらどうっすかなぁ」

             「情報なしで帰るのかよ」


             「・・・う〜んどうするかねぇ」

             「・・考えろよ」

           




              ――――10分後



             「梨音ちゃん!?」

二人で街を歩いてると見知らぬ男が呼んだ。その男は良春と同じ官吏なのか軍服に身を纏っていた。そしてこっちに向かってくる・・あんた誰?

             「えっと・・誰?」

             「禾影の店によく呑んでたんだけど・・覚えてないか?」

             「覚えてないです」

             「もしかしてそこの坊主・・・」

             「・・あの男の子供」


             「へぇ〜良春の・・・坊主は名前は?」

その男は海音と同じ高さまで膝を曲げると、海音の頭を撫でた・・しかし他人には容赦なく素直にならない海音・・

             「その前にあんた誰?」

             「俺?俺は瀬陽・・」

             「・・・海音」


             「海音か〜あいつが付けたのか?」

             「あたし・・」

             「そういえば梨音ちゃん」

             「何?」

             「・・何をしにこんなトコまで」

             「良春知らない?」

  

             「あっれ?一緒だったんじゃないんだ」

             「は?」

             「さっき良春、禾影の店で・・・?」

             「・・・・ドコ?」

             「昔の市庁があった・・・」

             「なんであんなとこに?」

             「あそこは建物がしっかりしてるから・・」



             「そう・・・行くわよ海音」

             「なんでわざわざ浮気現場に行くんだよ〜」

             「浮気してたら・・・慰謝料を国一個分くらい請求してやる」

             「・・・・なんだそれ」





              ―――市庁内




              ガチャ


             「なぁ立那・・・こんな国を二人で飛び出そうぜ」

             「だって・・嫁も子供・・」

             「いいんだ!立那!俺はいい父親になるから〜」

             「いいの?これって俗に不倫って・・」

             「不倫相手は身籠っちゃいけないなんていう法はない」

そんなことをカウンターで語る男の隣にあたしはまるで他人のように座った・・。そしてあたしの存在に驚く禾影さんにあたしは赤ワインを注文した。もちろんあたしが声を発してもまだ気付いていない


             「でも良春?他国に貴方はいけないんじゃないの?官吏なんだし」

             「立那と生まれてくる子供のためならそんな地位なんていらないさ」

             「そうなの?じゃあ3人で暮らしてもいいの?」

             「おう」


             「しっかしなぁ・・良春。梨音ちゃんにばれたら殺されるぞ」

             「ないな・・あいつは俺にぞっこんだからな」

             「しかしなんで梨音ちゃんを捨てたんだ?」

             「・・だってあいつ海音一本じゃん。海音がいなきゃもう一回」

             「お前・・殺されるぞ」

             「なんだ禾影?」

             「横・・」

             「横・・?・・・・・梨音!!」


             「あんたが作った子じゃないの?」

             「・・いやぁそのぉ」

             「あぁそう・・じゃあ海音がいなかったらこんな女とヤったりしなかったわけだ?」

             「・・・・・えっと」

             「男に二言はないんじゃないの?ねぇお父さん?」

             「・・・・・・」

             「わかった・・・・。海音?」

             「何?どうせ俺は邪魔者なんじゃないの?」

             「・・・・うん」

             「うんって言うんだ。母親のくせに」

             「も〜海音あんたはこいつの金遣っていい学校に通って寮に暮らしなさい!いいでしょ!?良春」

             「・・・・はい」





      



えっと・・裏話を書きます。本当は梨音がこの後「あんたがいるから良春は出てったのよ〜!」って言いながら海音に虐待をするという・・なんともグロイ
次で一応終わりですが・・あくまでも梨音編がなので
そっからはキャラがめちゃくちゃ増えて・・地名も増えて・・海音のヒロインが〜とかそれはまた次話の後書きで・・今回も読んで頂きありがとうございます☆

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