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innocent〜悲鳴〜

今回は5歳の海音です。はい飛ばしスギでごめんなさい・・・。今回は前話よりもお母さんらしくなった梨音が見物です・・。作者が言うことじゃないか(笑)
子を守ろうとする母そして・・海音が一番いい環境は?と考えてる母です。ちなみに良春は今回いないです・・今回は海音が喋ってます☆海音の幼い頃を初めて描いたのでなんかびみょ〜な仕上がりになっちゃっいました。とりあえず読んでみてください

 innocent 〜悲鳴〜





                    雨が降って女が口を開けるのは

                    今でも変わることがない

                    いつかこの腐った世界が変わればいいって

                    きっとここに足を着けた時から思ってた

                    この国が無ければならない理由は

                    神や天使や偉そうに空の上にいる奴らが

                    知ってるわけもなく

                    青葉が茂ろうとも花々が咲き誇ろうとも

                    落葉が人々を魅せようとも

                    銀世界と廃人の腕のような木々

                    何もいらないのは全てが手に入ってるからで

                    何も欲しくないは何を手に入れれば笑顔に

                    なれるか生まれたときからわからないから

                    何を見ても怯え

                    何を聞いても泣き

                    ただここにいる人間に幸福も不幸もわからない

                    ここの人民は不幸の形



「何か食べたい物ある?」

「・・・ない」

「あぁそう・・・」

 可愛くない子供。あたしにそっくり・・未来にも現在にも希望なんて持たずに今日どう生きるかに全てを費やしてる

 昔、育ったマトモな国では義務教育なんてものを受けさせてもらってた。母親が言うには大学という所に20くらいまで通っていればいい家にもいい夫にも巡り会えるんだって言ってた・・そして一生生活に困らない程の金が手に入ると・・・言ってた


 あたしにはいい家もいい夫にも・・そして金も20になった今でも手に入ってない・・きっとこの国でそんな幸せなもの手に入れられる

 人間なんていなくて・・実際、官吏を夫に持つあたしだって・・・地面這いずり回って、今日の食い扶持を探すのに必死だ

 国の頂点で働く官吏だって皆が皆、善い暮らししてるわけじゃない・・・。きっと国でいい暮らししてるのは王族と大統領くらいよ


 王族に関しては、意味のわからない理屈から男尊女卑なんていうものを勝手に自分の地位を濫用して・・・。そんな知ってはいけない禁忌な範囲に足を踏み入れてしまったあたしには・・もうこの国にいたくないという気持ちだけが日に日に募っていくばかりだった。それは官吏である良春には言ってない。言ったら離婚なんてことになってあたしが生きていけるわけもない・・海音だってどうなるかわからない


 きっと何かない限りあたしは良春についていく・・それしかないんだから・・他の国だったらあたしはどんな風に生きてるんだろう?



 5年も生きればどんなにこの世界が汚れて不公平なものかだんだんわかってくると思う。しかも46時中あたしみたいな母親が隣にいれば全てを斜に構えるに決まってる。これから一生、この子はマトモにちゃんと物を見ながら生きていけれるのかあたしみたいに可哀相にしか

 生きていけなくなるんじゃないかって思う

 父の色を引き継いだ海音はフュール族の特徴、碧い瞳も黒い髪も陽に焼けたような色黒な肌もなかった。一般種の良春の血が多く流れてるのか

 彼は茶の瞳で茶の髪の色。見た目は社会的に生きていける・・問題はあたしの生き写しのような冷酷で信用とか純粋という言葉を知らない不自由な生き方しか出来ない性格


「寒くない?」

「・・・」

 良春が首都で買ってきた暖かい服を身に纏った海音は周りからの妬みの瞳に5歳で慣れたようで・・だけどあたしのように自分は特別だとか自分が人よりも上だとか傲慢な考えは持ってないようだし・・。そして海音は妬みの瞳や隙あらば命を奪ってやろうという考えの奴らから

 ひたすら怯えてあたしから生まれてから一度も離れたこともなくて・・・。あたしは20年間生まれてきて初めて誰かに信用され頼られてる

「ねぇ・・梨音」

「うん?」


 海音は5歳になるにも関わらずあたしの服を汗ばむほど強く握ってる。そしてか細い高い声で海音はあたしにいつも問いかける。少ない言語をであたしに何かを伝えようと・・・・。


「・・いつ・・いつになったら?」

「何が・?」

「・・・・ここから・・」

「う〜ん良春が官吏だからね」

「・・・・うぅ」

「いつかこんな所出よう・・」

「いつ?」

「いや・・あたしにはわからない」

「だれ・・だったらわかるの?」

「・・・誰にもわかんないね。あたし達がわかるのが先かこの国が終わるのが先か・・・それとも」

「それとも?」

 あたし達が殺されるのが先か・・・。そんなこと5歳児に言った所で無駄に海音の心を傷つけるだけだ・・・・あたしだって他に向ける先のない愛情があったりするんだ

 どんなに他の人間を・・この国で傷つけて痛めて・・・・。周りの人間にいくら冷酷だの愛がないだの言われ続けたけど・・今は海音にしか愛を注げない哀れな女


「・・梨音?」

「なんでもない・・いつかあたし達が毎日笑える日がくればいいね」

「うん」


 海音のためにも、こんな服脱がせて周りの人間と同じようなボロボロに破れて肌が丸見えな服を着せたほうがいいのか?でも今更そんな格好をさせても今までのあたし達の行動で命の保障なんかあるわけなくて・・・・周りの人間が飢えで餓死してる死体の隣であたし達は良春がくれた僅かな食べものを食してた・・。それに・・・周りの幼子はまた別のことで海音に妬みの瞳を見せてること・・あたしは最近知った


 海音は5歳になっても栄養不足で軽かった。あたしは10までいた国での栄養を溢れんばかりにもらって割かし成長した。10でここに来たあたしはもうすでに成人した大人の女よりも背が高かった・・・。首都にもし海音だけがいたら・・きっと働かない男達が海音をきっと

 育てるんだろう・・。栄養もたくさんあって美味しいものを・・・。それも正解なのかもしれない

 あたしは13の時にお世話になった禾影さんと身長があんまり変わらなかった。禾影さんが別に低かったわけじゃない。母親が死んで・・すぐにあたしは禾影さんの所に通った・・だからあたしは成長がこれといって止まることはなかった。だから良春が170以上あっても、あまり

 変わらなかった。あたしは160はあったし・・・でも海音はここで生まれここで育ってしまったから・・周りの子供よりは成長もしてる


 海音は座ってるあたしによく抱きついて首に手を掛けてる・・。そして一言あたしの耳元で呟いた。そして海音が一番怯えてる理由がわかった

「みんなにはお母さんがいないんだ・・」

 それはそうだ・・。男尊女卑のこの国で・・女は汚れたものでしかないのであって、腹から男の子を産んだ瞬間、女はごみ同然に捨てられる

 そしてこの国では母親というものは存在しない・・・。全ての家庭が父子家庭であるから

「うん・・だね」

「どして?」

「まだ知るのには早過ぎるよ・・」

「ふぅ〜ん」

 いつか君に話そう・・・。この国が壊れ始めた・・狂乱な物語を・・・そうそれはある王族の女が言った一言が・・不幸になったのだから

                


さぁどうでしたか?そんなに暗くはせず梨音ママの心の葛藤がテーマでした(嘘、今考えた)梨音と海音の命は46時中狙われてきっとママは寝るヒマもないのでは?な〜んて勝手な見解したりして。えっと次話またまた海音が成長します。そしてこの国が男尊女卑になった理由が明かされます。まだ描いてないんでどう描くか本気で悩んでます。王族の方を書いて・・・ってまぁお楽しみください☆それが終わると葎久家の悲劇が・・・ほんとこれ書くと皆さん読むのをやめちゃうんでは?な〜んて不安もありますが・・とりあえず待っててください☆明日か明後日には投稿します

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