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deadleaves〜不義〜

自分が酒を呑めるワケを知った梨音。そして助けられた日以来に梨音は初めて良春とお酒を呑みます。今回は前話よりも笑えるかな?と思ってるので前話のイメージでもう嫌だ〜!と思った方もいると思うのですが
今回は読んでもちょっとはユルくなってるのでチャレンジしてみてください(泣)

                deadleaves   〜不義〜





                    いつか必ず幕が下りるのであれば

                    始めから演者はいらない

                    何も得ずに消える生涯など

                    元々必要であるはずがない

                    夢が終わることが必然である以上

                    この世界の全てが不必要

                    大事なものがあるのなら

                    きっと敵などを自ら作ったりしない

                    捨てられない何かに悩むのなら

                    元々何も手に入れなくていい

                    海からいつか水が無くなったら

                    空からいつか光がなくなったら

                    私から何がなくなったら

                    私は私でなくなるのでしょうか?

                    何も要らない

                    全て要らない

                    誰もが消えればいい






 

今でもあたしはこうやって酒を呑んでいられる。だけど何でだか・・・・あの白男が隣にいる

             

「悪いけど・・・好みじゃないのよねぇ」

「いいじゃん。俺は梨音ちゃんが好きなんだよ〜」

                 

13で官吏だと・・・そしてあたしより酒に弱い・・・時々この店にやって来ては顔を朱に染めグデグデに酔っ払い道端で吐く

本気でウザい。いくらこいつのおかげで酒が呑め、政府の奴らが来た時にあたしを死守してくれるとはいえ・・・・嫌

顔と金はいいとして。その救いようも無い、だらしのない性格が本気で嫌・・・所詮・白


時々、見せる年相応な素顔には心を奪われる・・奪われたことあったかもしれない

ただ・・・他が無理。だいたい・・・女を抱いたこともないくせに厭らしい話を唾を飛ばしながら語る生物。こういうのが官吏である以上この国がまともになれるわけがない

どんな身分かも知らない、親がどのくらいの金持ちで、屋根のある床がある地で寝てるのか・・?想像も出来ないししたくもない

                 

                 

いつだったか、この世にはいなければならない必要な者といなくて構わない・・むしろいるべきではない不必要な者に分けられると聞いた

もしもノウノウと酒を嗜み、好きなだけ欲求を満たすような者どもが必要な物体なのだったら・・・不必要な者なんてこの世にいない

もしも本当にそんな風に人が分けられるのなら・・必要な人間以外は今すぐ死ねばいい。誰が分けるのか・・?そんなこと知らない

だって・・・人類を分けられるような賢い選別が出来るような奴、この世にいないのだから。いたりしたらあたしはこんなにも不幸じゃない

別に誰が一番、不幸かなんか比べたくも争いたくもない。そんなヒマがあるのなら今すぐ死んで欲しい

                 

あたしが不幸なのは事実。だって幸福な奴が隣で泥酔してるの。世界は全て比例して動いてるの。幸せな奴がいるということは不幸な奴がいるに決まってる。人生なんて、生涯なんて不幸な人間がいるから哀れな生き物がいるから、誰かが幸福で愉快なのだと悟った


前にいたマトモな国では、母親は家にいた。周りからは綺麗な母親だとか首の刺青と自黒な素肌がお洒落だと言われて。父は毎晩、帰って来て美味しい夕食と家族の談話を楽しんでいた。官吏だとは言えど家庭を顧みずにはしなかった

なぜこの国では刺青も小麦色の肌も碧い瞳も。そしてこの黒い髪も・・。オカシイ者扱いを受けなければならないのか?あの国では母を中心に黒髪はブームになっていたし、碧い瞳は天使の様な瞳だとまで言われた。拓けている自由な国は他人の文化や特徴を受け入れる。だから発展する

                 

それが当然だと思ってた。きっと世界中、この風貌に羨望の瞳を向けてくれると思ってた。父が死んで、母は行き場を失った。そして故郷に戻った。だけど・・母ももういない

ここに来る意味があったのか?あるはずもない。あるのなら教えて欲しい・・今すぐにちゃんと求めた答えを授けてほしい


「梨音ちゃん」

「・・・何よ?」

「ここは危険だよぉ〜」

「あぁそう」

                 

顔を真っ赤にした酔っ払いにそんな忠告、受けても怖くも無い。どっちかって言うとあんたのほうが何倍も何千倍もあたしにしてみたら危険

                

「ほんとだよぉ〜」

「じゃあ具体的に何が?」

「えっ〜!?俺、ガキだからわかんねぇ」

「・・ってかずっと聞きたいことあんたにあったの」

「なぁ〜にぃ?」

                 

酔っ払いにまともに相手してるとこっちの脳みそがイカレそうになってくる。馬鹿がうつるっていうか・・・泣けてくる・・アホみたいに

                

「あんた親の七光りなの?」

「・・・・・?」

あぁ馬鹿&酔っ払いに高度な言葉を投げかけても無駄に決まってる。もっと早くに気付けば1%くらい労力の無駄遣いを防げたかも

                

「梨音ちゃん。今のこいつに何聞いても無駄だよ。頭の中、お祭り騒ぎだからさ」

「・・・はは」

「まぁ代わりに俺が答えると・・・梨音ちゃんの七光りは間違っちゃいない・・でも」

「でも・・何?」

「こいつは13だろ。なのにこいつの一声でこの店を潰すこと出来る。でも・・コイツ自身、まだ幼さ過ぎて気付いてない」

「禾影さんにはわかるの?」

「これでも18なんで」

「・・・・そっか」

「こいつ親父が首都の官吏でさ。いわゆるお偉い様なわけ・・んで息子にも早くこの国の国家体制みたいなもんわかりさせるってか一種の洗脳」

「・・・これで洗脳されてるわけ?」

「いや・・・意外と苦戦してるらしい。なんでももうさっそく疑問感じちゃってるらしくてさ」

「・・・何に?」

「梨音ちゃんを愛したが故に紫泉慶の存在も知ったわけで。なんで俺の女が捕られるんだ?と」

「ちょっとその前に訂正。あたしはこいつの女じゃない」

「まぁそこは・・いいとして」

「・・・ん。続けて。あんま納得できないけど」

「んで・・洗脳から逃げてここでこうしてんの」

「あぁ・・もっとクダラナイ」

「んでどうやら・・」

「ん?」

「こいつ梨音ちゃんを連れて亡命覚悟らしいぜ」

「・・・一人で行け」

「まぁあと2年の猶予はあるわけだし」

「そりゃ・・ね。もちろん一緒に行ったりしないけど」

「でもこういう馬鹿みたいな奴は突拍子もないことやりだすから手に負えない」

「そうなったら、刺し違えてでも遠慮するわ」

「まぁ・・こいつは一生、白の運命だからね」

「どっかで黒に転換しないかしら」





この時の禾影さんの言葉もっとちゃんと受け止めておくべきだったと今更になって後悔してる。あぁやっぱりあたしは背伸びが通じないただのガキに違いないのね。酒が呑めても、喋れようとも、思想があっても、何を手にしていても。この国にいる以上、この男といる以上所詮、お子様な自分


えっと・・・とりあえず読んで頂きほんとにありがとございますっ!!えっと最初の文は暗くなってましたが終わりの方は少し笑えましたよね?どうにか明るく努力していきたいと思います。しかし・・次からは急展開です。ってかもう急スギでほんと今からでも謝っておきます!でも読んで見てください〜(泣)

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