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tyrannies〜弧特〜

最初はおそらく?って思うような意味不明なことになってますが・・だんだんに判明してきます

純粋なラブストーリーではなく今はまだブラックに出来てます。心が温かくなったり、愉快な気分にはおそらくなれないと思います・・・それでも読みたい方はどうぞ!

晏れることのない海は・・・・・    tyrannies   〜孤特〜





           

                    この地に太陽と恵みがあるのなら

                    いつの日にか報われる日が訪れるのだろう

                    実る果実は綺麗な手の持ち主へ

                    腐った果実は醜い手の持ち主へ

                    零れた果実が欲しいのなら命を捨てればいい

                    生に飢える人々は死の怖さを忘れ

                    ただ今という真実を自らの手で葬り去ることが

                    足掻きながら唯一求める愚かな仕草

                    誰に求められ生まれたのか

                    誰に憎まれ死んでいくのか

                    瞳の澄んだ住人が今はいないこの地球で

                    確かめられる術はなく

                    確かめようとも思わず

                    今はただ腐りきった果実に縋るだけ

                    欲しいものは何か

                    望まないのは全て

                    わかりたいんじゃなくただわからないだけ














周りの風景はきっと変わらないのかもしれない

たとえ、昨日まで生きていた人間がそこで野垂れ死にしていたとしても

私が殺ったんじゃないの、美味しいものを食べてる人が殺したの

だって私に誰かを殺して得る物なんて井戸の水のひと掬いよりも意味がないのだから

言葉だって思想だって別に必要なんかじゃないの

身体だって精神だって別に必要なんかじゃないの

今はこの使い物にならない耳を余計に壊してくこの爆音がどうにかなればいいと思ってる

瞳が澄んでる人間は妖精とか神様が見えるって昨日生きてた軍の首領が言ってた

きっと嘘・・・。そんなものが今、この世に存在しているのなら私はなぜここにいるの?

澄んでて見えるんじゃない、澄んでない人間しかいないから見えない

                 

ほら・・また、どっかの浮浪者の首が転がってきた

この浮浪者だってきっと報われて良かったのよ

無いものねだりしか出来ないに凡人と全て持ってる私とは何もかもが違う



紫泉慶が崩壊?そんな甘い話があったらそこらの屍骸に集ってる虫が寄ってくるわ

もしもあれが壊れる時が来たのなら世界の崩壊、少なくともこの国の崩壊

崩壊しても私の利益なんてこれっぽっちもないの

女が増えるだけ、身体の汚れた女が増えるだけ、そして死ぬだけ

また歩く道が細くなる

どこを見ても街のオブジェみたいに置いてある屍はもう花すらも手向けてもらえない

だってこの国では死んだ方の負け。生きてる人間が勝ち

死ねば天国とか地獄に逝くらしいけど今はそんなもの興味が無い

                 

「雨ね・・・」

                 

ほら廃人たちが無意味に起きだした。ゾンビみたいに気色が悪い・・。そんなに雨水が美味いのかいつか食してみたい

私はそんなクダラナイ生き方も育ち方もしない

だって私は凡人でもないし、偉人でもないの

もちろん口を開けて、天を仰ぐあの廃人もどきでもない

「でもあんたたちみたいに死んでいいのに生きてる奴らとも違うの」

                 


そう含みたっぷりの言葉を私よりも背丈が無い幼い無知脳の少女に捧げた

そして他人のように男達が集う酒場にくり出した


酒場に入った瞬間、私にふさわしい酒の香りが鼻腔を支配した


    

「おぉ梨音ちゃん。何飲む?」

「そうね・・・とりあえずワイン」

                 

古びた木製のカウンターには仕事もせずに呑んだ暮れる男達が国の情勢について語ってた。次第に強くなる雨音に混じって遠く遠いどこかで爆音の音がする

                

「まだ終わらないの・・?ここまで来たらもう国揚げての大戦争かなんかすればいいじゃない」

「まぁ政府も大変なんだよ。あぁ見えてフュール族の一件が他国に漏れないようにしてるんだし」 


「ここにもフュール族がいるわよ・・って政府に教えてあげようかしら」

「でもよくそのタトゥーしてて平気だね」

「ほんと・・。まだここには政府軍も来ないみたいだし・・そんな首都ばっか壊しても仕方ないじゃないね」

「ずっと気になってたことがあるんだけども梨音ちゃん聞いてもいい?」

「どうぞ・・タダ酒の分を何でも聞いて」


「この国の女は話せないだろ?なんで」

「あぁ・・簡単な話。母親は国が躍起になって探してるフュール族だけど父親は他国にいる官吏。10までは私も他の国にいたし。教育だって受けさせてもらってた」

「あぁそれで」

「でもなんであたしはここに入れるの?」

「まぁ葎久がお気に入りだからだろ?」


「誰それ?」

「前にここの常連だった、国の野郎。でも今は軍のいいとこにいるらしい」

「そんなのがどうして?」

「前、覚えてないか・・?路上で男に向かって罵声上げてた梨音ちゃんをここに連れてきて匿った奴」

「あぁ・・あの調子乗ってる男ね。」  

「あいつがさ。梨音ちゃんに一目惚れしたらしくて。ほら男って好きな女を特別扱いするだろ?あれでさ・・梨音ちゃんは周りの女と違って喋れるし・・・汚れて野垂れ死にしてほしくなかったんだろ?」

「なるほど・・・。禾影さんにはそういう人いないの?」

「いたけど・・お呼びがね」

「あぁ紫泉ね」

「気をつけたほうがいい。もう見た目だけで梨音ちゃんは仕事出来そうだもんな」

「13には見えない?」

「まず13でワインを嗜んでる時点で」

「やっぱね・・・。フュールでも仕事するのかしら?」

「あ〜最悪な選択かもしれないね」

「身売りか死刑かって感じ?」


「まぁもしもの場合は良春がどうにかするんじゃない?」

「あたしあの人あんま好かないのよね。顔はいいけど中途半端な感じが嫌」

「あいつは優柔不断だしな」

「嫌よ〜白か黒か出せない男は」

「白ってどんな男?」

「ソフトな温かいかんじのヘタレ野郎。黒はハードな冷酷なあたしのタイプ」

「あ・・・良春終わったな。あいつ頑張っても白だろうしな」

「まぁあの人は黒に元々なれそうもないわね」



「そしてこの後、私はその白にも黒にもなれない男に愛されてしまうのでした

  





ダークなお話を最後まで読んで頂いてほんと感謝感激です!!えっと・・フュール族はそのうちにキャラが説明をしてくれるとおもいますが。軽く言っておくと、普通の人間と瞳や肌の色が違ったり、おかしな刺青が首にあったりで国に隔離させられて・・・ってまぁ梨音はその娘ってことになってます。いい加減だなぁ・・私。禾影は梨音を看板娘というような感覚で見てます。果たして13でお酒を呑んで酔わないのかな?梨音ちゃん・・・。この作品を読んだ友人達にも梨音は大好評です・・母なるともっとすごいことになります・・母になったほうが好評だというのが事実

作者からするとちょっとびみょ〜な心情です

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