3章ー原宿?
「すいませんセックスしていただけませんか?」
「お願いします!セックスさせてください!」
「1回だけでいいんでお願いします」
「キモ、、、早く行こ!」
「うん!いつもここ通るのヤダぁ!キモいの感染しちゃう」
実家からの帰りに僕は東京の原宿に来ていた
いつもの風景だ、ここは昔は竹下通りと言われていてよくスカウトする人やナンパをする人がいると言われていたらしい、それは昔の事だ、今も変わらず女の子の街として有名だがナンパ師やスカウトする輩たちは消えて変わりにセックスをお願いする男の人が増えたようだ、彼らは性行為同意書を片手に!紙を前に出しながら
「すいませんお願い致しますセックスをさせてください」
と街を歩く女の子達に頭を下げている。
そして決まって女の子達はキモい吐き捨ててその場を去る
ザッとみて今日は20人弱はいそうだ、これが多いんだか少ないんだかは分からない、この成功率はほぼ0に近い、本当にたまに成功するらしいので、そのたまにの賭けをみんな希望をもって頭を下げつづけている、僕はちょっと小さくつぶやいてみた
「成功して性行する」、、、、、、、
つまらないギャグをつぶやいた所で性行為同意書を片手に僕は彼らと同じようにセックスをお願いしよーと思ったが緊張して動けない、彼らの方を横目で見てみる、彼らは緊張のきの字もないのか、平然と
「セックスさせてくださいお願いします!あと1年なんです!」「セックスさせてください!俺なかなかのイチモツなんすよ!」「セックスさせてください今夜は寝かせません」!と何か本当に笑えてしまうくらい恥ずかしいセリフを淡々とロボットみたいに言っている、そして!もう1つ笑えることといえば、彼らの顔は、顔の中で爆発でも起きたのかっていうくらい顔のパーツはバラバラで整った顔とは正反対のチグハグな顔つきだった点数をつければ50点くらいだろう、そんな事を考えてる時にふと、真正面のオシャレなカフェのガラスに僕が写っていた。そこに写ってたのは20点くらいの自分の顔だ、
ガラスの向こうには美容室に行ったばかりだろーか?オシャレな流行りの髪をした男性が女の子と一緒に
コーヒーを飲み見つめあっている、どこかの有名なブランドの服だろーか?フワッとした白いワンピースを着た若い女の子が友達とケーキを食べている、眼鏡をかけたいかにも純文学が好きそうな青年が大人しそうな可愛らしい少女と一緒に本を読んでいる、
「あぁ本当笑える、僕の方が1番世界で醜い顔だ」
ガラスの向こうのカフェは別の世界だ、きっと僕は5年間の引きこもりの間、世界は2つに分かれてしまったんだ、社会でもう少し頑張って生きてれば!僕は向こう側に行けてたかもしれない、今頃、可愛い彼女がいてカフェでお茶をしてセックスをお願いする彼らを見てキモいねって笑いながら楽しいひとときを過ごせたかもしれない、そんな事を考えてたら突然後ろから声がきこえた
「あれ?優斗?優斗じゃないか?」
「え??梶木君?」
そこにはお腹が僕より出ている、同級生だった梶木君が立っていた彼の右手には僕と同じあの紙があった