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皇宮の花嵐  作者: 透明
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当主継承編 戦友



 継承式が行われる会場内にて。


 集まった各家の当主らは、久しぶりの再会に会話の花を咲かせている。




 「皆でこうして顔を合わせるのは何百年ぶりだろうな」




 皇帝は笑みを浮かべながら、楽しそうに自身の両隣に座る当主らにそう言う。


 だが、楽しそうな皇帝とは裏腹に、当主らは至って冷静の様子。




 「火翠。最後に我々が顔を合わせたのは、火翠が皇位を継承された日だから、まだ百年も経っていないぞ」




 皇帝の隣に座る氷彩当主は、眉を八の字にし、皇帝の言葉につっこむ。


 そんな氷彩当主の言葉を聞いた皇帝は「そうだったか? 氷彩はまだまだ若いな! 私はもう歳をとって記憶が曖昧だ」と笑う。




 「氷彩も火翠も同い年では?」


 


 あっはっはと大声をあげ笑う皇帝に、そう言う風音当主に水園当主は「風音。そこを気にしたら終わりだよ」と首を横に振る。




 「相変わらずだなぁ。火翠が適当なのは」


 「全くだ」




 眉を八の字にし、笑みを浮かべながら言う雷林当主とそれに同意する地星当主。


 皆、次期当主らに何処となく似ているが、会話の雰囲気は泉凪らとは違うように感じる。




 「……にしても、もう当主を継承する時が来るとはな。時の流れは早いな」




 先ほどまでの雰囲気とは変わり、何処か感慨深そうに言う皇帝。


 そんな皇帝の言葉に、他の当主らも「そうですね」と感慨深そうに頷く。




 「今までよく、各郷を守ってくれた。お主らが当主を務めている時代で、皇帝をやれてよかった」


 「今日が終われば、余生はゆっくり過ごすといい」




 各当主らは、当主継承を終えると、何百年と続いた生が終わりを迎えるため、その生が終わるまでは、今まで好きな事ができなかった分、皆、好きな事をして余生を過ごすのだ。


 生の終わりを迎えると言っても、当主継承から百年は生きるので長い余生となる。



 ちなみに、皇帝は皇帝に就任した際に、長命花ちょうめいばなを授かり、その花弁一枚が散る日まで生きる事となっており、他の神力者らよりも長寿なのだ。



 皇帝の言葉に「何をらしくない事を」「そうだぞ。そんな事を言うなど、火翠らしくない」と風音当主と雷林当主は言う。


 そんな二人に続け水園当主は「火翠はいつもふざけていないと」と言う。




 「ふざけられすぎるのも困るがな」


 「だね」




 地星当主と氷彩当主の言葉に、他の当主らは笑い、皇帝は「せっかく、陛下がありがたーい言葉を言ったと言うのに、皆んなして酷いなぁ」と口を尖らせる。


 そんな皇帝に雷林当主は「自分で言うか」と呆れた表情を浮かべ、水園当主は「そう言うところだよ」と言う。




 「相変わらず、冷たいなぁ。まぁ、いい。先の言葉は本心だ。……皆、長生きするんだぞ」




 皇帝の言葉に「これ以上、長生きしろと?」と風音当主は言うも、皆、笑みを浮かべる。


 何だかんだ言いながらも、この数百年間、共に戦い支え合い、この国のために生きてきた戦友。


 互いにかけがえの無い存在であり、また、良き理解者でもあるため、それぞれ思うことがあるのだろう。




 「……ここに、月花もいればよかったのだが」




 氷彩の言葉に皇帝は「……そうだな」と呟く。



 そして、いよいよ継承式が始まる時刻となり、会場内には皇宮の神官や巫女、選ばれた官人らが、新しい当主の誕生を祝うために集まる。

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