表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇宮の花嵐  作者: 透明
93/255

当主継承編 それぞれの思い

 


 続いて、水園家の番になり、千季含め水園家の当主候補らが前に出て来る。


 水園家の神力者は皆、当主の息子で、千季からすれば実の兄二人という関係。



 そんな三兄弟の中でも、千季は一番、神力が強い。




 「……割れちゃった」




 その瞬間、拍手が巻き起こる。



 千季は、見事に岩を割ることができ、晴れて当主となったのだが、その表情は何処か嬉しくなさそうだ。




 「おめでとう、千季」




 兄二人がそう言って、千季を祝福する。


 基本、一番目の子どもに神力が高く引き継がれるが、末っ子の千季に引き継がれ、周りの者は、兄二人と千季の事を比べては、兄二人のことを悪く言った。



 千季は、兄二人の事は普通に好きだが、幼い頃からずっと比べられ、何処か気まずさが千季にあった。


 だが、兄二人はいつも、自身よりも力を持つ千季の事を、僻むわけでもなく、悪く言うわけでもなく、ただただ修行に励んでいた。



 そんな兄二人のどちらかが、当主に相応しいと思っていた千季。


 それに千季自身、当主の座所か、皇帝の座は微塵も興味がなく、なりたくないと思っていた。



 だが、岩が割れた以上、当主には絶対にならなければならない。




 それに、色々と思うことがあるだろうが「おめでとう」と素直に祝ってくれる兄二人に、嫌そうな態度を取るのは失礼だ。


 千季は笑みを浮かべ「ありがとう、兄さんたち」と答える。




 「……次は、ボクらの出番だよ」




 岩を割った千季を見ながら立ち上がり、後ろにいる人物にそう声をかける文月。


 文月に声をかけられた人物は「わかってる」と無愛想に答え、立ち上がる。




 風音家の神力者は、分家の文月と当主の息子のみ。


 当主には、他にも息子はいるが、神力を持って生まれたのは、次男坊の彼だけだった。



 だが、その次男坊も神力はとても強いものとは言えず、分家である文月の方が遥かに神力は高く、風音当主は神力が高い文月を、本当の息子のように可愛がっており、次男坊の彼と文月の関係はあまり良いものではない。




 「……文月様。お見事です」




 案の定、岩を割ったのは文月で、周りからは拍手が起きる。



 岩を割るのに、神力の強さは関係ない。


 当主の実の息子だから、最後に割るのは自分だと思っていた次男坊の彼は、この結果に絶望した表情を浮かべている。



 そんな彼を見た文月は「これでもう、何かにつけて、君に突っかかられる必要はなくなるね」と言い残し、自身の席に戻る。


 文月にそう言われた彼は「くそっ……!」と吐き捨てると、自身の席とは違う方に歩いて行く。



 藍良はどうしたものかと、皇帝の方を振り返る。


 皇帝は「放っておけ。泣こうが喚こうが、彼は岩を〝割れなかった〟それだけだ」と言う。



 一見冷たく思えるもの、当主になったものが何を言っても、慰めにはならない。


 それをわかっているため、皇帝はそう言ったのだ。



 皇帝の言葉に、藍良は進め直す。




 「続いて、雷林様。準備の方お願いしま……って涼雅様! お待ちください!!」




 藍良は突如そう慌て出す。


 何故なら、涼雅は勝手に岩の前へと行くと、勝手に手に神力を込めだし、岩にぶつけようとしたからだ。



 藍良が慌てて止めたのも束の間、涼雅は神力を岩にぶつける。




 「……なんか思ったより簡単なんだな」




 涼雅はそう呟くと、あっさりとそのばをあとにする。


 あまりにも急な出来事だったため、しばらくしてから拍手が巻き起こる。



 涼雅も無事、岩を割ることができたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ