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皇宮の花嵐  作者: 透明
92/255

当主継承編 当主決め

 


 「これより、最終座学を行います」




 皇帝陛下や、神官、巫女らが見守る中、最終座学が始まる。


 進行を務める藍良の言葉に、一気に当たりが静まり返る。




 「一番初めに行って頂く家は、火翠様です。準備の方、お願い致します」




 藍良の言葉に、悠美は立ち上がり、前に出て行く。


 現皇帝陛下の実の息子ともあり、期待の眼差しが悠美に降りかかる。



 誰も何も言っていないが、雰囲気から「当然、悠美は岩を割るだろう」と言うのが漂っており、普通の者ならつい怯んでしまうだろう。



 だが、この程度の重圧は、これまで皇帝陛下の一人息子として、そして、火翠家唯一の神力者として生きてきた悠美にとっては、大した事ではない。



 人より大きな神守岩が七つ並んだ前に立った悠美。




 皇帝は真っ直ぐ悠美の事を真剣に見つめる。




 「それでは、初めてください」




 藍良の言葉に、悠美は一つ息を吐くと神力を手に込める。


 そして、一気に目の前の自身の背よりも何倍も大きな岩にぶつける。



 その瞬間、爆発音とも呼べる大きな音が、山中に響き渡り、凄い量の砂嵐が舞う。



 砂嵐が消え、視界が見えるようになると、拍手と歓声が巻き起こる。




 悠美は、見事、岩を割ることに成功したのだ。


 何処か安心したような表情を浮かべる悠美。



 そんな悠美を火翠家の席で見守っていた心温が「さすが、悠美様です!! おめでとうございます!!」と最大に祝う。


 あまりにも大きな声に、悠美は苦笑するも、何処か嬉しそうだ。



 悠美は皇帝陛下の方を向くと、胸に手を当てお辞儀をする。


 そんな悠美を見て優しく微笑む皇帝。




 「お見事です、悠美様」




 藍良の言葉に頷き、悠美は席に戻る。


 


 「流石だね悠美、おめでとう」




 席に戻ってきた悠美に、そう声をかける泉凪。


 そんな泉凪に悠美は「あぁ。次は泉凪の番だな」と言う。



 それと同時に「続いては、月花様。準備の方お願い致します」と藍良は言い、泉凪は立ち上がる。




 「行って来るね」




 泉凪はそう言うと、悠美は笑みを浮かべ頷く。


 泉凪が前に出て来ると、数人の神官らが、聞こえないくらいの声で「女の力で岩が割れるのか?」「仮に割れたとしても、女が当主とはな」と話している。




 それを聞いた千季は「随分と楽しそうにお喋りをしているね。」と神官らに声をかける。


 突然、話しかけられた神官らは戸惑っているが、千季は気にせずに「見かけない顔だね……新入りかな?」と問う。



 神官らは「い、いえ……」と答えると、千季は笑みを浮かべ「それは失礼。でもこれで、君たちの顔はちゃんと覚えたよ」と言うと、神官らから視線を逸らす。


 その一部始終を見ていた文月が「……千季は敵に回したくはないね」と呟く。




 (まぁ、千季が聞こえるところで彼女の事を話した彼らに非はあるけど)




 そんなやり取りをしている間にも、泉凪の準備が整い、泉凪は手に神力を込めると、目の前に岩にぶつける。


 先程の悠美と同様、山中に爆発音とも呼べる音が鳴り響く。




 「泉凪様、お見事です。」




 泉凪も無事、岩を破る事ができ、拍手が鳴り響く。


 泉凪は皇帝の方を向き、お辞儀をすると皇帝は「見事」と泉凪に声をかける。




 席に戻ろうとすると「泉凪、おめでとう」「流石、泉凪だね!」と各家の席から千季と心大が泉凪を祝福する。


 そんな二人に泉凪は「ありがとう」と笑みを浮かべる。



 その顔は、何処か安心したような表情だった。

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