表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇宮の花嵐  作者: 透明
53/255

当主継承編 地星の一の若君

 


 翌日の座学の時間。


 座学室へと向かう悠美と心温、丁度、先を歩く花都を見つけ、心温は「あれ? 花都さんじゃないか? おはようございます」と声をかける。



 心温の声に気づいた花都は、振り返ると、左胸に手を当て「火翠の若様にご挨拶申し上げます。」とお辞儀をし、心温にも「心温さんもおはようございます」と挨拶をする。


 そんな花都に「あぁ、おはよう」と辺りをキョロキョロとしながら返事をする悠美に、花都は「どうかされましたか?」と不思議そうにする。



 それに対し、心温が「あぁ……」と眉を顰め笑う。




 「月花様は一緒じゃないんですか?」




 心温の言葉に、花都は「あぁ、泉凪様でしたら、先に座学室に行かれていますよ。私は、泉凪様の忘れ物を取りに行っていた所なんです」と説明する。




 「そうだったんですね。では、座学室まで一緒に行きましょう。ねぇ? 悠美様」




 心温は、泉凪の従者である花都と、仲良くしておくべきと思い、悠美にそう提案する。


 だが、そんな意図は全く汲み取っていない優美は「すぐそこだろ。まぁ別に構わないが」と返す。



 泉凪に対しての態度と、他の人に対しての態度が、あまりにも違う悠美を見て心温は(月花様以外にも、もう少し興味を持つよう後で言わないとな……)と心の中でため息をつく。




 それから、三人で座学室へと向かっていた時だった。



 座学室の方から二人の従者が走ってきたと思えば「大神官をお呼びしなければ、月花様が……!」と言う声が聞こえてきた。


 その言葉に、悠美たちは反応し「急ぐぞ」と座学室へと急ぐ。




 「あ、花都さん。お待ちしておりましたよ」




 座学室へと行くと、ちょうど座学室から出ようとしていた従者が、花都を見るなり焦った様子でそう言う。


 座学室内は何処か騒ついており、悠美は中に入る。




 「泉凪!」




 悠美が、そう名前を呼ぶと人だかりがはけ、泉凪の姿が見えた。




 「……っ!!」




 だが、泉凪の姿を見た悠美は、動きを止め酷く驚いた表情を浮かべる。


 そんな悠美の後に続け、部屋に入ってきた花都と心音は、立ち止まる悠美を見てどうしたのかと、優美の視線の先を見る。




 「そんな……!」


 「泉凪……!!」




 泉凪の姿を見て、心温は驚き、花都は泉凪の元に駆け寄る。


 そして「どうしたんだ? その髪型!! 何があったの!?」と声をあげ言う。




 花都の言う通り、長く艶のある綺麗だった泉凪の髪は、左側だけ短くなっていたのだ。


 花都の問いに、泉凪の隣に居た千季が「……地星の一の若君がやったんだ」と静かに答える。



 一見、冷静に思えるが、酷く腹を立てているのが伝わってくる。




 「地星様が……? 一体、何があったんですか?」




 花都の問いに、今度は文月が冷静に答える。



 「君たちが来る、ほんの少し前のことだよ」







 『いい加減にしろ!!』




 突如、座学室内にそのような怒鳴り声が、響き渡ったかと思えば、物が倒れる音がした。


 何事かと見てみれば、激怒する晃が、自身の従者のことをその場に押し倒し、晃の従者がその場に倒れ込んでいたのだ。



 その事に気づいた泉凪たちは『やめなよ』と止めに入る。




 『地星の一の若君。この間からずっと、何を苛ついているの?』




 泉凪にそう聞かれた晃は『お前には関係ないだろ。邪魔するな』と怒る。


 そんな晃に『君は何度問題を起こせば気が済むんだい? いい加減にしたらどうだ?』と文月は言う。




 『うるせぇ!! 俺の従者に何しようが、お前らに関係ねぇだろ!! もうお前は、俺の従者クビだ!! 二度と俺の前に姿を現すなよ!!』




 そう言う晃に、晃の従者は『ままま、待ってください! 晃様……!!』としがみつくも、晃はそれを振り払う。


 その勢いで、晃の従者は飛ばされてしまう。



 そんな従者に『よくも、この俺の足にしがみついたな!! 無礼だ!!』と神力を使い、従者にぶつけようとする。


 だが、泉凪が従者のことを身を挺して守り、従者に怪我はなかった。



 が、『い、泉凪……髪が……』と言う文月の声に、皆、泉凪を見てざわつきだす。


 何故なら、泉凪の左側の髪が短くなっていたからだ。



 恐らく、さっきの晃の神力があたり、切れてしまったのだろう。




 『お前……!』




 そう言い、晃の襟元を掴む千季は、普段の飄々とし穏やかな印象から一変し、迫力があり、思わず息を呑んでしまうほど激怒しており、まるで別人のように思えるほど。


 そんな千季に、晃は少し怯える。



 その時、師範が座学室にやってき、離すよう言われた千季は、晃を床に投げるように離し、晃はその場に倒れ込む。



 それから、晃は師範と別室に行き、現在に戻る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ