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皇宮の花嵐  作者: 透明
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当主継承編 元気になったみたいだね

 


 「……悠美さん。元気になったみたいだね」




 座学を終え、心大と千季と話をしていた泉凪。


 師範と話をする悠美を見ながら、心大は安心したように泉凪に言う。




 「本当だね。泉凪が何かしたの?」




 千季にそう聞かれ「いや……私は何もしてないよ」と泉凪は答え、いつもの調子に戻った悠美を見ては優しく微笑む。


 そんな泉凪を見ながら、千季は「……そう」と目を伏せる。




 その時、突如ドンッと大きな音が座学室の外から聞こえてき、何やら騒ついてもいるようだった。




 泉凪たちは、どうしたのかと座学室から出て、外の様子を伺う。


 そこには、その場に尻餅をついている若菜と、そんな若菜に怒っている様子の晃がおり、そんな二人を取り囲むように神力者や従者たちがいた。


 近くにいた文月が、若菜に駆け寄り「何をしているんだい? 君は」と晃を睨みつける。



 騒ぎを聞きつけたのか、はたまた誰かが呼んだのか、神官達がやってき、座学室内にいた師範も集まってくる。




 「晃様、先日も陛下からご指摘なされたばかりではありませんか」




 一人の神官の言う通り、先日も他の神力者と問題を起こし、皇帝からお叱りを受けたばかりの晃。


 だが、神官の言葉には聞く耳持たずな晃は、まだ話している途中だと言うのに、宮に帰ろうと「どけ!!」と声を上げ歩いて行く。



 神官が「晃様!」と呼び止めるも、当然、晃が立ち止まる事はなかった。




 「若菜兄さん、大丈夫?」




 心大は、そう言って若菜に駆け寄り、泉凪と千季も後を続く。


 文月に手を貸してもらいながら、若菜は立ち上がり「ありがとうございます、文月さん。心大たちにもご心配おかけしてしまい、すみません」と眉を八の字にし笑う。


 そんな若菜に泉凪は「何があったの?」と尋ねる。




 「先日、皇帝からお叱りを受けた事を地星の当主、晃さんのお父上に報告した事に腹を立てられたみたいで」


 「報告と言っても、状況を聞かれたので説明しただけなんですが、癇に障ったみたいですね」




 若菜の話を聞いた文月は「陛下に叱られるような事をしたのは自分だと言うのに」と眉を顰める。




 「でも、若菜兄さんに怒るなんて珍しいね。普段、晃兄さんは若菜兄さんに怒る事なんてないのに」


 「何か苛ついていたみたいですよ」




 若菜に続け、千季が「そういえば、最近、よく苛ついているのを見かけるよ」と言う。




 「苛ついて問題を起こすとは……最近、問題を起こす者が増えているようだね。皆んな、神力者としての自覚がないんじゃない?」




 そう怒る文月を「まぁまぁ」と宥める千季。


 そんな千季に文月は「君もだよ、千季」と言い、千季は「え? 僕?」と戸惑う。




 「昨日、順位が発表されたけど、何だい? あの順位は。」




 文月の言う通り、昨日、神力者たちの力の順位が発表された。


 そんな中、一番初めの順位発表の時四位だった千季が、十位まで下がっていたのだ。




 「君の実力ならもっと上な筈だ。最近、座学の時に手を抜いているのは知っているよ」




 文月にそう言われた千季はハハっと笑い、話を流そうとするも「笑い事じゃないよ!」と文月に怒られる。




 「どうして本気を出さないんだい?」


 「悪かったよ。次からはちゃんとやるから、そうカリカリしないで」




 そう言って千季は、文月のご機嫌を取り出す。


 そんな千季に泉凪は何処か違和感を感じる。

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