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皇宮の花嵐  作者: 透明
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当主継承編 様子がおかしいと思わない?

 


 「最近、何だか悠美の様子がおかしいと思わない?」




 ある日の座学の日。


 座学を行う為に、座学室へとやって来ていた泉凪たち。




 座学室の入り口で、心温と話す悠美を見ながら、泉凪は唐突に千季と心大にそう話す。




 千季は「唐突だね」と言い、心大は「何だか顔色も悪いよね」と頷く。




 「まぁ、確かに。本人は隠しているつもりだろうけど、何だか思い詰めてるように見えるね」


 「だよね……」




 そう悠美を見ながら呟く泉凪に、千季は「そんなに気になるなら、直接本人に聞いてみたら?」と言う。


 千季の言葉に「もう聞いたよ」と泉凪は答える。




 「早いね。で、何だったの?」


 「何もないって」


 「あぁ……」




 (まぁ、素直に話すような性格ではないか)と心の中で呟く千季。


 未だ、心配そうに悠美を見つめる泉凪を見る千季。




 そんな泉凪に千季は「そんなに彼が心配?」と聞く。


 突然、千季にそう聞かれ泉凪は、少し驚き「……まぁね。友人だから」と言う。


 泉凪の言葉を聞いた千季は「友人ね……」と何処か含みのある言い方をする。



 そして、一つ軽く息を吐き、眉を八の字にし言う。




 「彼の従者に聞いてみたらいいんじゃない? 何か教えてくれるかもよ」




 千季の提案に「そうだね」と泉凪は頷くと「ありがとう、千季」とお礼を言う。


 千季は「お礼を言われるほどのことじゃないよ」と眉を八の字にし、笑う。



 そんな千季の心の中は、何処か複雑な感情で溢れていた。







 皇宮内にある石碑に向かい、悠美は手を合わせていた。


 その石碑には、花が供えられ誰かのお墓なのだと言うことがわかる。




 悠美は手を合わし終え、石碑を見上げる。


 その表情は何処か悲しそうに見える。




 その時「やはり、ここ最近花を供えていたのはお前だったか。悠美」と言う声が聞こえてくる。


 悠美はその声にハッとし、声のした方を見る。




 そこには、手に花束を持ちこちらに向かって来ている皇帝の姿があった。


 悠美は立ち上がり「父上」と呟く。




 「藍良から聞いたぞ。あの件に触れられ、思い出していたのだろう?」




 皇帝にそう言われ、悠美は「……まぁ」と曖昧に返事をする。


 そんな悠美に皇帝は、眉を顰め口角を軽くあげ言う。




 「あれからもう七年も経った。それにあれは、気付けず、守れなかった私の責任だ。お前がそこまで気負うことはない」




 そう言う皇帝に、悠美は「……いえ。あれは私の責任です。私が彼の気持ちを理解できていたなら起きなかったことです」と力なく言う。


 そして「そろそろ座学の時間なので、失礼します」と歩いて行く。


 そんな悠美を見送る皇帝。




 「私達の息子は、まだまだ青いな。そう思わないかい? 皇后よ」




 そう言って、皇帝は先程まで悠美が手を合わせていた石碑に、自身が持って来た花を供えるのだった。

 

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