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皇宮の花嵐  作者: 透明
34/255

当主継承編 月花の郷

 


 「ふぅ……少し疲れたね」




 色々と見て回り、少し休憩しようかと、近くのお茶屋さんに入り、お茶を頼む。




 「見回った感じ、特にこれと言った問題は起きてなさそうだね」




 泉凪たちは、店を回りながらも、お店の人やそこに来る客に問題は起きていないかと聞いて回っていた。


 泉凪の隣に座る悠美は頷く。




 その時、一人の花を売る少女が、男性に声をかけるも「邪魔なんだよ!!」と押され、その場に倒れてしまう。




 それを見ていた二人は立ち上がり、泉凪は少女に「大丈夫? 立てる?」と声をかけ、悠美は泉凪と少女を庇うように男の前に立つ。


 男は、はるかに自分より背が高い悠美を見上げると「な、何だよ」とバツが悪そうに言う。




 「彼女に謝罪を」


 「何で俺が……!」


 「あなたが彼女を押し退け倒れたんだ。謝罪するのは当然だろう?」




 口調は穏やかだが、どこか圧を感じるような雰囲気に男は「わ、わかったよ」と少女に謝罪する。


 そんな男に悠美はニコッと笑みを浮かべ「ついでに花も買って行ってはどうだ? その短気な性格も花を愛でればマシになるかもしれんぞ」と言う。


 男は「いらない」と断ろうとするも、悠美は「ん? まさかいらないとは言わないよな?」と畳み掛ける。




 「い、いります……」




 男は少女から花を一本買い、そそくさと逃げるようにその場から離れて行った。


 そんな後ろ姿を呆れながら悠美は見送る。




 「怪我はない?」




 しゃがみ込み、少女にそう尋ねる泉凪。


 そんな泉凪の隣に同じく、少女と視線を合わせるよう屈む悠美も「怖かったな」と声をかける。




 少女はそんな二人の顔をじっと見つめる。


 かと思えば「かっこいいお兄さんが二人……!」と呟く。




 二人は目を合わせ笑い合う。




 「どこも怪我はしていないようだね。」


 「あぁ、良かった」




 怪我をしていないことを確認すると、泉凪は「そのお花素敵だね。全部貰っても良いかな?」と尋ねる。


 少女は「うん……!」と泉凪に持っている花を全て渡し、泉凪はお花の代金を払う。




 「ありがとう。こんな綺麗なお花、郷の皆へのいいお土産になるよ」




 泉凪がそう言うと、少女は嬉しそうに笑い「ありがとう」と手を振り帰って行く。




 「そろそろ、月花の郷に行こうか」




 悠美の言葉に泉凪は頷く。


 師匠へのお土産に、彩の酒を買い、泉凪たちは月花の郷へと向かう。







 「お師匠さん! 何持ってるのー?」




 月花の郷にある、月花邸の庭。


 そこでは、縁側に座り何かを手に持つ泉凪の師匠、ハナと遊びに来た郷の子どもら数人がおり、一人の少年がハナが手に持つものを指差しそう尋ねる。




 「師匠の友達のぴょん太だ」




 そう言って子どもたちに、手に持つものを見せるハナ。


 その手には、蛙が乗っていた。




 「友達ー? 蛙が友達なのー?」


 「そうだ。みんなも仲良くしてやってくれ」


 「えーやだー。蛙苦手〜」




 そう言って子どもたちは走って行く。


 ハナは「こんなに可愛いのに……のぉ? ぴょん吉」とぴょん太に話しかけるも、ぴょん太もどこかへ飛んでいってしまった。




 「これ、ぴょん吉どこへ行く」




 そう言うハナを近くで見ていた、一人の青年は「ぴょん太では……?」と思うも、触れないでおく。




 「ぴょん吉も行ってしまうとは……寂しいなぁ」




 ハナがそう寂しそうに呟いた時、走って行った子どもたちがハナの元へ戻ってき、ハナは「お? みんな戻ってきたか」と嬉しそうに言う。


 子どもたちは「お師匠さん! こっち来て! 早く!」と手を取る。




 「どうした? そんなに慌てなくとも、ちゃんと行くぞ」




 ハナがそう言うと一人の少女が「泉凪お姉ちゃんが帰ってきたの!」と嬉しそうに言う。




 「え? 泉凪が?」

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