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皇宮の花嵐  作者: 透明
31/255

当主継承編 思うこと



 彩の町。


 月花家が統治し、綺麗な花々が鮮やかに咲き乱れ、沢山の出店が並び、活気にあふれている。



 彩の町で造られる彩の酒が酒飲みの中で有名で、幼い頃か、月花家が統治していると言うこともあり、何度もハナに連れて行かれたことがあるらしく、泉凪にとっても馴染みがある町。




 「え〜俺、文月ちゃんとかよ」




 一通り、各神力者たちの視察先や組む相手が発表され、座学も終え従者の座学が終わるのを待っている最中。


 涼雅は寺小屋机に突っ伏しながら、そうぼやく。



 そんな涼雅の隣でぼやきを聞いていた文月は「それはボクの台詞だよ。」と眉を八の字にし、ジトっと涼雅を見る。




 「心大がいるのが幸いだね」




 文月にそう言われ、心大は「が、頑張ります!」と意気込む。




 「……皆んな、思いもよらない相手と組まされたね。雪乃くんもそう思わない?」




 文月たちのやり取りを側で、見ていた千季は、両腕を着物の袖に入れ、隣にいる雪乃にそう問いかける。


 雪乃は「私が相手なのが不満か?」と聞き返す。




 「……雪乃くんと組めて嬉しいよ」


 「今、間があったぞ」


 「まさか」




 そう笑う千季に雪乃は「まぁ、どうでもいいが」と返す。




 「……まさか、火翠の若君と組むとはね。」




 そう笑う泉凪に、悠美はニコッと笑みを浮かべ「そうだな。」と返す。


 やはり、どこかぎこちなく見える二人。




 「頼もしいよ」


 「月花の姫君にそう言ってもらえるとは、光栄な事だな」




 そう言って二人は笑う。


 そんな二人を見た、悠美を迎えに来た心温は、眉を顰め入り口のところで立ち止まる。




 「心温さん? 入らないんですか?」




 花都は心温にそう声をかける。


 心温は「あ、あぁ……」と曖昧な返事をし、部屋に入る。




 「悠美、お疲れ様」


 「泉凪もお疲れ様」




 二人がそう声をかけると、泉凪と悠美は振り返り、悠美は「来たか。それじゃあ月花の姫君。私は先に失礼するよ」と言い心温に行くぞと声をかける。




 「え? あ、あぁ」




 先に行く悠美を見て、心温は(やっぱり……)と心の中で呟く。







 「なぁ、悠美」




 火翠宮の庭で、木刀を振るい、鍛錬する悠美の名を心温は呼ぶ。


 悠美は鍛錬を続けながら「何だ?」と心温の話に耳を傾ける。




 「どうして、月花様にだけ冷たい態度をとるんだ?」




 唐突にそんなことを聞かれ、悠美は鍛錬をする手を止め、心温の方を振り返る。


 そして「別に冷たくした覚えはないが」と言う。




 悠美の言葉を聞き、心温はこれまでの悠美が泉凪と話している時の姿を思い出し「そうなのか?」と尋ねる。




 「いや、違うな!! 確かに月花様にだけ冷たいぞ! お前は人当たりが良く見せるのが上手いから、他の人には分からないだろうが、俺には分かる!!」




 そう声を張り言う心温に、悠美は呆れた表情を浮かべ「仮にも主人に向かって言う言葉か」と呟く。


 だが、そんな言葉は心温に聞こえておらず「お披露目会の時、あんなに必死に月花様を手当てしていたから、思い違いかとも思ったが、やはり月花様に対してだけ冷たく思える」と言う。




 「そんな事はない」


 「いいや! 幼い頃からお前と一緒にいる俺が言うから間違いない」




 そう鼻息を荒げながら言う心温。


 そんな心温に悠美は「……本当に冷たくしているわけではないが、一つ、心当たりがある」と言い、心温に話し始める。




 そんな悠美の話を心温はただ黙って聞いている。




 その日から一週間経ち、神力者たちが視察に向かう日となり、心温は悠美を見送りに来ていた。

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