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皇宮の花嵐  作者: 透明
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当主継承編 すれ違いー2ー



 「……やぁ、火翠の若君」




 医務室の外の壁に、千季が両腕を袖に入れ立っており、医務室から出て来た悠美に声をかける。


 そんな千季を見て悠美は立ち止まり「あぁ……水園か。月花の姫君なら中にいるぞ」と言い、悠美を追いかけて来た心温も立ち止まる。




 「知っているよ。話し声聞こえていたからね」




 「あ、盗み聞きしていた訳じゃないよ。入るタイミングを逃してしまってね」と笑う。




 「そんな事どうでもいい。」




 そう言って足を進めようとする悠美に、千季は「泉凪の言う通り、犯人は探さないの?」と問う。


 悠美は振り返り「……お前には関係ない」と答える。




 悠美の返事を聞き千季はふっと笑い「つれないなぁ。せっかく知ってることを教えようとしたのに」と言う。


 その言葉を聞き、悠美は「……なんだ?」と問う



 「お茶菓子を配膳しに来た宮女の中に見た事のない宮女がいた」


 「……っ!!」


 「内密に調べるのは火翠家の得意分野でしょ? 頼んだよ」




 そう言って千季は、医務室の中に入って行く。




 「心温」


 「はい。」


 「聞いていたな? 配膳を行った宮女を調べさせろ」




 心温は「かしこまりました」と返事をし、歩いて行く。


 悠美は後ろを振り返り医務室をじっと見つめた後、再び足を進める。







 「泉凪が倒れた時は本当にヒヤッとしたよ」




 泉凪の近くに立つ千季は、眉を八の字にし笑いそう言う。


 泉凪の横に座る心大もうんうんと頷く。


 そんな二人に泉凪は「世話かけたね」と苦笑する。




 「そう言えば、花都どこに行ったか知らない?」




 ふと花都がいないことに気づいた泉凪は、二人にそう尋ねた時、丁度、医務室に戻って来た医者が「花都様なら泉凪様のために解毒薬ようの薬草を取りにいかれています」と言う。




 「解毒薬ようの薬草って、もう泉凪に飲ませているんじゃないのか?」




 千季は顔を顰めながら医者にそう問う。


 すると医者は慌てて花都が薬草をとりに行った経緯を説明する。




 「……つまり、昨夜まであったはずの解毒薬が無くなっており、毒に耐性がある火翠の若君の火で完全とはいかないが解毒した状態、と言う訳か」




 千季の言葉に医者は頷く。


 千季はチラッと泉凪のことを見る。


 泉凪は「……悪いことしたな」と呟き、顔を曇らせる。




 「そう言えば、泉凪を医務室ここまで運んだのも火翠の若様だったよ」




 心大の話を聞き泉凪は「え?」と聞き返す。




 「倒れかけた泉凪を抱えたかと思えば、直ぐに泉凪を医務室に連れて行っていたよ。まだお披露目会の途中だったから、陛下に許可をとって」




 「ですよね? 千季さん」と話をふられた千季は「……そうだったね」とニコッと笑みを浮かべる。


 心大の話を聞き泉凪は「信じられない」と驚いている。


 そんな泉凪に千季は「そんなに驚くこと?」と尋ねる。




 「まぁ……嫌われていると思っていたからね」




 そう言って、まだ信じられないと言いたげな表情を浮かべている泉凪。


 そんな泉凪に千季は「嫌われているねぇ……僕にはむしろ」と言いかけるがそこで口をつぐむ。




 「何か言った? 千季」


 「いや、何でもないよ」




 千季はそう言って笑い(なんかムカつくから黙っておこう)と心の中で呟く。

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