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皇宮の花嵐  作者: 透明
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当主継承編 弓引き



(まずいな……)




 弓引きを行うため、一度、裏に下がった泉凪たち。


 その隙に、右腕を確認すると何やら針で刺された跡のようなものが膿んでおり、そこから広がるように赤く腫れ上がっており、何とも痛々しい見た目をしていた。




 (動悸に若干の眩暈に息切れ。毒を刺されたか)




 泉凪の予想が当たっていれば、ぶつかった際に毒を刺されたと言うことになる。


 毒の種類もわかっていないため、直ちに、医者に診てもらい治療を施さなければならない。



 だが、泉凪は一つ息を吐くと弓を手に取り、弓引きを行うため、再び宴会場へと出る。




 「見て! 神力者様方の弓引きよ!」


 「生きている間に見られるなんて、光栄なことだな」




 宴会場に出て来た泉凪たちを見て、国民らはそう歓声を上げる。


 お披露目会の中で一番の目玉と言っても過言ではない弓引き。


 そんな弓引きは、国民のみならず宮中で働く者たちも注目する。




 成功させれば英雄、失敗すれば笑いものとなる弓引き。


 因みに、先代の弓引きを行った者たちの中で、外した者は数多くいる。




 「今回、弓引きを行われる神力者の皆様は地星の若菜様、氷彩の雪乃様、月花の泉凪様、そして火翠の悠美様でございます」




 大神官、藍良の紹介を受け、弓引きたちは指定された場所に立ち、それぞれ目に黒い布を巻く。


 そんな中、泉凪は少し間を開けゆっくりと目隠しをする。



 その様子を見ていた、泉凪の後ろに立つ悠美はじっと見つめる。




 (何だか動きが……腕を痛めているのか?)




 側から見れば、泉凪は表情を全く変えず、振る舞いもいつも通りのように見える。


 だが、悠美には何処か様子がおかしいことが分かった。




 同じくいつも泉凪を見ている花都も、違和感に気づいたのか(泉凪……?)と心配そうに見つめる。




 悠美は、声をかけようとしたが、それを止める。


 仮に、腕を痛めているのであれば、それを隠してまで今ここに立っていると言うこと。


 それを止める野暮な真似は悠美には出来なかった。




 悠美は弓引きに集中せねばと、目隠しをつける。


 全員が目隠しを目につけたことを合図に、弓引きが行われる。




 一人、一射引き終えるとその次の人が一射引き、全ての者が引き終えるとまた初めの人に戻り、一射ずつ引いていく。


 全員で合計二十射ずつ引くことになる。




 初めは若菜が弓を引く。


 その一射は美しく、綺麗に的の中心に当たる。



 そんな若菜に続くように、雪乃も真っ直ぐ綺麗な弓を射る。




 そして、泉凪の番になり、弓を引くとやはり腕が痛むのか一瞬顔を顰める。


 周りにバレぬよう、小さく息を吐く。


 その瞬間、弓から矢が放たれカーンッと言う音が鳴り響く。



 見事、的の中心に矢が当たった。




 泉凪は安堵したように小さく息を吐く。


 一見、いつも通りに見えるが冷や汗をかき、心なしか顔色も悪い。



 的の中心に矢を当てたのを見、心大は「泉凪、すごい!」と拍手する。


 そんな心大の隣に座る千季は眉を顰めじっと泉凪を見ていた。




 (右腕を少し庇っている……? 痛めてるのか? それに何処か体調が悪そうに見える)




 そう考える千季と同じく花都も(いつから体調が悪かったんだ?)と心配そうに泉凪を見つめる。




 (腕を痛めているのに、当ててくるとは……流石だな)




 矢を的に当てた泉凪に感心しながら、悠美は弓を引く。


 その矢も見事、的の中心は当たり再び若菜が弓を引く。

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