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ショセ様との謁見、
いや、歓談ですね、この雰囲気。
和やかな話し合いの場、
たぶん、俺なんかにも普通に接してくれているからだよな。
いえ、何でもありの無礼講ちっくな馴れ馴れしさでは無く、
凄く真っ当な、フラットな関係での話し合い。
最初は俺の人見知り結界がビビり過ぎて壊れたのかと思ったけど、
そういうのではなく、お互いの立ち位置に変に固執せず、
自然な振る舞いが無意識に出来ちゃう不思議な関係、みたいな。
例えるなら、お互いの強さのギャップを全く感じさせなかった、
ルスイさんとの間柄、かな。
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「何だか不思議な時間でしたね」
「久しぶりに自分自身として語り合えたような」
はい、とても楽しい時間でした。
本来の要件の方も、おかげさまでスムーズに事が運びそうです。
本日はお忙しいところお時間をいただき、ありがとうございました。
「こちらこそありがとうございます」
「おふたりの旅が健やかでありますよう、ニルシェを代表してお祈りいたします」
「もちろん、今後は是非、王都訪問の際は我が屋敷へ」
「エッセルミスたちも凄く会いたがっていますよ」
ほほう、ちなみに現在、ショセ様のお屋敷にメイドさんは何名……
ぴしりっ
痛っ、
ちょっと、リルシェさんっ、
この場でやんちゃはいけませんよっ。
いかにリルシェさんとはいえ、王城での国を相手の大立ち回りは……
「この場だからこその自重ですっ」
「せっかくの和やかな雰囲気が台無しですよぅ」
「ノルシェさんは、本当にあの頃のままですね」
「モノカさんたちにも、よろしくお伝えください」
「はい、しかと承りましたっ」
おや、おふたりはチームモノカ関連で面識があったのかな。
どんな武勇伝だったのか、後で根掘り葉掘り聞かねば。




