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05


 俺、恐縮。



 残念冒険者の誉れも高い俺だけじゃなく、


 あのリルシェさんですら気付けなかったほどのしめやかにして自然な入室。



 いつの間にか対面に座り微笑んでいるこのお方こそが、


 ニルシェ王国でも並ぶ者無き傑物、


 ツァル侯爵家御当主ショセ様。



 穏やかな微笑みが心底お似合いな柔和な雰囲気の中に、


 いかにも切れ者って感じのキリリ感を漂わせる、


 まさに最上級にイケてる貴族様。



 印象は爽やかなイケメンって感じなのですが、


 サラサラ銀髪から覗かせる純魔族特有のちょっとカールした角。


 それが恐さでは無く、イケメン要素を彩るアクセとなっているのが、


 またニクいのです。




 あー、こんなの格差社会どころじゃ無いですし、


 そもそも張り合う気持ちなんて持つだけ無駄。



 ってことで、いつもの人見知り結界すら沈黙の完敗した俺は、


 早々に全面降伏して、普段通りな自己紹介を済ませましたよ。



 で、噂通りって、何です?




 ---




 まさに世界は広いが世間は狭い、


 ショセ様は、あのナクレイスさんの大切なご主人様、その人でした。



「この度は、我がツァル家の未来のみならず、ナクレイスを平穏な生活へと導いていただき……」



 はい、申し訳ありませんがそこまでにしていただきたく。


 その件につきましてはお互いにそれ以上は触れない方がよろしいかと。



 以前担当してくれた方にもお断りしましたが、


 これに関してはお礼も褒賞も一切無しとしていただかないと、


 せっかく穏便な方向にまとまりかけていた某国某女王様との関係が、


 寝た子を起こして阿鼻叫喚……




「流石です、まさにお噂通りの紳士にして傑物」

「確かにこれ以上事を騒がせるのはナクレイスのためにもなりませんね」

「先日、メイド長のエッセルミスからも、先走り過ぎと叱られたばかりでした」



 叱ってくれる人がいてくれるうちが華、ですよね。



「はい、それでは今回の訪問の件、伺いましょう」



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