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ここでちょいとおさらい。
リヴァイスで暮らしている様々な存在について。
このリヴァイス大陸、俺たち人族の他にも、
様々な種族がいたって普通に暮らしているのはご存知の通り。
もちろん、魔物なんていうおっかないのもうようよしてます。
ちなみに魔物とは。
この異世界にいる動物・植物、稀に鉱物や霊的存在が、
大気に満ちている"魔素"という魔法の素ちっくな何かに影響されて、
いろいろと変異した存在。
俺たちは冒険者として、普段から魔物を討伐したりされたりしておりますが、
実はこれにもルールがあったりします。
"意思疎通可能な存在を無闇に討伐することなかれ"
"ただし敵対的である場合はその限りではない"
つまり、魔物の中にもちゃんと話しが通じる存在がいるので、
むやみやたらとコロコロしちゃいかんよ、ってことです。
もちろん、あっちからコロコロしようとしてきたら遠慮無く迎え討て、ですね。
まあ、常識的に考えれば当たり前なのです。
意思疎通可能かつ友好的な存在に自分からケンカふっかけるなんて、
そんな世紀末人生しているのはよっぽど頭ヒャッハーな連中くらいですよ。
食卓に上った新鮮な生野菜サラダが、
『食べないでください』って涙目で懇願してきたら、
どんなに美味そうでも食えるわけないでしょ。
ただ、森で出会った魔熊さんが、
『キミ美味そうだからひと口いいかな?』
なんて言ってきやがったら全力で殺り合わざるを得ないわけですが。
要は、人族だろうと魔物だろうと、
良いヤツか悪いヤツかをちゃんと見極めて対処しなさい、ですね。
意思疎通の可否と、その先の友好度判定は、
荒事でも日常生活においても、真っ先に確認すべき最優先事項なのです。
まあ、俺の場合はそれが上手く出来ずに、
人見知りをこじらせてぼっち人生していたわけですが……
「最近のウェイトさんは、適切な判断が出来ていると思いますよ」
ありがとうございます、リルシェさんのおかげですね。
「むしろ乙女絡みとなると友好度判定とやらが甘々になっちゃうことが問題かと……」
それってたぶん、リルシェさんやお知り合いの皆さんの影響大……




