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「ん?ラズは別の夢があるんでしょう?」
見つけようって、一緒に探すみたいな言い方。
「おいら、夢を叶えるためにお金を稼ぐって言っただろ?」
「うん」
「14歳になったら登録できるようになるから、おいら冒険者になるんだ」
え?
「冒険者って……」
すっと青ざめる。
「ひどい怪我をしたりするんだよね?」
王宮神殿に来ていた人たちを思い出す。
……冒険者はポーションで怪我を治すから、やってくるのは引退した元冒険者だ。みな、ひどい傷跡が残っていた。
ラズが首を横に振った。
「おいらはさ、勇者になりたいなんて大それた望みはないから。無理はしないよ。ちゃんと訓練をして、初めは街中の仕事をするんだ。危険はないよ。それから低級ダンジョンから仕事をしていくよ。コツコツ仕事をすれば、少しずつお金も貯められるって教えてもらった」
え?
「え?冒険者って、危険じゃない仕事もあるの?」
「うん。街に出たスライム退治とか」
スライムなら、確かにそれほど危険はない。
「森の入り口付近での薬草採取とか」
森の奥は危険らしいけれど、入り口付近なら確かに危険も少ないと聞いたことはある。
「それから冒険者はさ、ランクがあるんだよ。初めはF級。F級の仕事しかできない。冒険者のランクも仕事のランクもギルドが決めるんだ。だから、F級の冒険者が危険のないようにF級の仕事を決めてるから大丈夫だよ」
そっか。
……じゃないよ。
「でも、たくさんの冒険者がひどいけがをしたり時には命を失ったりしてるでしょ?やっぱり大丈夫じゃないんじゃない?」
ラズが苦笑いする。
「実力がないのにランクが上がってしまったりしなきゃ大丈夫だよ。中には、D級レベルの実力しかないのにB級ランクになっている者もいるらしい」
なんでそんなことがあるんだろう?
首を傾げたらラズが説明してくれた。
「パーティーメンバーに恵まれて棚ぼた式の者もいれば、金で実績を買ってるやつらもいるって聞いたな。あとは、昇給条件だけクリアして経験不足だとか」
さらに首をかしげる。
「怪我をしたり危険なのになぜランクを上げようとするの?」
せっかくギルドがあなたが安全にこなせる仕事はこのあたりですよと仕事をランク分けしてくれるのに……。わざわざ死んでしまうかもれないようなことをするなんて、意味が分からない。
「夢があるんだろ。おいらとは違う……命を懸けてもかなえたいような夢が」
ああ、なるほど。
ラズがふっと笑う。
「まぁ、おいらは大金持ちになりたいわけでもないし、勇者を目指すわけでもないから、ランクを必死に上げようってやつらの気持ちはよくわからないけどな。でもさ……ミオがアーチファートが欲しいっていうのを叶えるためならちょっと頑張ってランク上げたいなぁと思ったよ」
え?
「な、なんで?私がアーティファクトが欲しいからって、ラズが危険なことするの?そんなのいやだよ」
ラズがへへっと笑う。
「危険なことはしないさ。ちゃんと訓練して経験積んで、無理のないようにランクを上げるつもりだけど。ダンジョンの中でアーティファクトが見つかることがあるからさ。いろんなダンジョンに行けるようになるといいなぁって思ったんだ」
「え?ダンジョンでアーティファクトが見つかるの?どれって、モンスターを倒すと出てくるってこと?」
聞いたことがある。宝箱が出てきて、いろいろな物が手に入るって。
ラズが首を横に振った。
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