とある誰かの独り言
困っていると思っていた。後悔していると思っていた。
戦闘で先陣をきり、攻撃魔法も回復魔法もできる優秀な彼を投げ出したのだから。
そして、自分達はついていると思った。なんでもできる彼とともに行動し、評価もどんどん上がっているのだから。
さぞかし後悔しているに違いない。後悔していたら、そのことを彼に伝えよう。彼の胸だってすく思いだろう。もしかしたらこれを機に会話が弾むような仲になるのかもしれない。そんな下心だってあった。あったのだが。
彼らの話を聞いて思いあたることがあった。
彼は私たちがお風呂に入ろうと促したり、混浴の温泉があって一緒に入るような時しかお風呂にはいらなかったな、とか。
いつも「俺についてこい!」というばかりだったな、とか。誰も文句を言うような子がいなかったけど、これからもずっと「俺についてこい!」ばかりで私たちの話なんて聞いてはくれないのだろうか。
才能溢れる彼についていくことがなんて幸せなことなんだろうか、と本気で思っていたのだ。でも彼らの話を聞いて、彼についていくことは本当に幸せなことなんだろうか?自分が盲目的に彼のことを信じ、慕っていただけだという事を容赦なく突きつけられたようだった。
これからの身の振り方をよく考えていた方がいいのかもしれない。
ここに来るまでとは全く違った心境で私は風呂嫌いで自分勝手な男のもとへ、とりあえず向かった。
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