魔法使いの話
なんであの男を追放したかですって?
それはリーダーの言う事を聞かなかったからですわ。
え?そんなことで追放したのか、ですって?
そんなことではありません!!
あの男はリーダーが何度言っても体は拭かないし、そのままにしているんですよ!?
ええ、ええ。旅をしていれば一週間着替えられないなんてことも珍しくはないでしょう。ですが私たちは一週間も着替えられないような旅はしていませんからね!
主にやっていたことはモンスターの討伐依頼と商家の移動販売の護衛ですから!モンスターの討伐は遠くてもここから歩いて一日のところですし!商家の護衛はいつも気を使っていただいて体を清めるためのお湯を人数分用意していただいているんです!あの男はそんなご厚意に対して「もっと他のところに建設的に使えばいいのに」なんて言っているんです!何様のつもりなんでしょうか!
あなたが言いたいこともわかりますよ。わたくしは貴族令嬢です。家柄を配慮されたのかもしれないというのは否定できません。
しかし、家の庇護のもとでもこういった仕事をしていればわかります。私たちがやっていることは数多の人々の支えがあって成り立っていることを。リーダーはそれがわかっている人です。周りの人に感謝と礼儀を忘れてならないと常々言っている人です。
あの男はリーダーが言っていたことを「どうしてそんなことをしなくちゃいけないんだ」と常々言っていました。結局あの男はわかっていなかったのです。自分の行動で貶められるのは自分の評価なのだということが。
だからリーダーの言うことも、私たちの言うことも聞かなかったのでしょう。
他人と関わるときには、他人を思いやる行動が必要だということが。
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