表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/74

第七十一話 ヒャッハー世界

今日ブックマークが増えていてとても嬉しかったので投稿しようと思います。

ブックマークしてくれた方、本当にありがとうございます。

深い不快(深い)闇の中、俺は上も下も分からないまま浮かんでいた。

いや、沈んでいた。と言う方が正しいか?


そこには何もない。

物も空気も熱もない。


そこにあるのはただただ闇だけだった。






「ヒャッハー!ヒャッハー!ヒャッハー!」


何だこのヤバい掛け声は……


「ヒャッヒャッハー!ヒャッハー!」


まさか新たな言語なのか!?

リルの授業で一度も出てきたことないんだけど!?

俺、一応古代文字まで勉強したんだぞ!?


「ヒャッハー!」


「うるさい!」


俺はがばっと起き上がる。


「うっ………!」


少し胸が痛む。


「暗いな………夜か………」


俺はキョロキョロと辺りを見た。


そこはテントのような場所でさっきから聞こえてくるヒャッハー音は外からのようだ。


「見てみるか………」


俺は寝かされていた簡素な布団から出る。


「な!?」


俺は夢でも見ているのか?


「「「ヒャッハー!」」」


全身黒タイツにモヒカンのムキムキの爺さん達が大勢で酒を飲み、肩を組んでいる。


「くっ!意味が分からない………」


いまだに痛む胸元を抑えながらゆらゆらと歩いて行く。


「あの爺さんたちは置いておくとして、瓦礫(がれき)が大量にあるな……」


何があったんだ?

というか凄く痛い。

ここでこれまで何をしていた?


「くそっ!」


人の気配のない大きな瓦礫(がれき)の影に座り込む。


痛む胸を見ると包帯が巻かれている。

俺はそれを無理矢理()がす。


「―――ッ!?」


闇に覆われた肉体が露わになる。

闇は時にうねり形を変えて、それでいて俺から決して離れない。


「きも………」


これ以外感想ないんだけど。


え?それ以外に形容する言葉ある?


「見たくないし隠しとこ…………」


服を着なおす。


「さてと………」


俺は瞑想(めいそう)に入る。


戦闘による負傷や精神攻撃による記憶の欠損(けっそん)の場合の対処法(たいしょほう)を思い出したからだ。


「クロキさん(いわ)く、この世界における瞑想(めいそう)という行為には多くの利点がある、だっけ?」


記憶の復元。

精神の安定。

魔力の向上。

そして、アイデンティティの確立に必要となる、『自分を見つめる』という大切な行程。


「ふぅー………」


俺は深い精神の奥に入り込んでいく。


一瞬でここまで行くことができるようになるのには苦労したものだ。


「【(かい)】!」


忘れていた記憶がフラッシュバックする。


瞑想(めいそう)中に突然覚醒(かくせい)することで記憶を取り戻す方法。


クラウンが教えてくれた裏技の一つ。


「あっ………」


ある程度思い出した。


教祖にボコボコにされて、死にかけたこと。

『猫耳キャウーンアイドル』、サツキと共闘したこと。

ワキヲが寿司になったこと。

そして、ヤヨイが教祖に二回蹴られて退場し、皆から忘れ去られている悲しい事実。


最後のはこれしなかったら、完全に忘れてたかも………?


「ようやく思い出したのか?」


頭上から声が聴こえる。


「?」


俺は視線を上に向ける。


白く光る月をバックにポーズを決め、金色の瞳を輝かせた少年が立っている。


あれ?空中?


「どうなんだ?」


「うおっ!?」


瞬間移動したかのように目の前に現れた少年。


遠いし暗くてよく分からなかったけど凄く顔が整っている。


「■■■、どう思う?」


え?今何て言ったの?


聞き取れなった。


「たしかに……」


この人、誰と話してるの!?


「な!?お前がそう言うか!?」


もしかして……赤い包帯の巻かれた右腕と話してる!?


「あ、あの………」


「なんだ?」


金と黒のオットアイズの視線がまっすぐとこちらに向く。


「誰でしたっけ?」


その辺の記憶だけ、完全に、ない!


「ふっ………仕方ない。もう一度言おう!」


少年は決めポーズをして、斜めに俺を見る。


さっきから何なんだ!?

そうしないと死ぬの!?


「俺の名前はヒガン=アガレア!いつか最強になる者だ!覚えておけ!」


「さ、最強?」


この変な人がクロキさんを超えられるだろうか、と真剣に悩んだ。

タカナシ「ん?何してんだ?」

アイリーン「メトロノームを見ているの」

タカナシ「げ………」

アイリーン「げって何よ!げって!」

タカナシ「いや、ごめんな?そういう意味じゃないんだけど」

アイリーン「どういうこと?」

タカナシ「それ、クロキのだから壊したりなんかしたら消されるぞ?」

アイリーン「……………」


ここまで読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字等あれば報告ください。

「面白い!」「続きをもっと!」という方は高評価、ブックマークの方、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ